「奉る」ってなんと読む?実は複数の読み方がございます!
明日・12月19日は、公正で人情味のある「大岡裁き」で名高い、江戸時代の名奉行・大岡忠相(おおおかただすけ)の忌日です。彼は西暦では1752年2月3日、和暦(当時は陰暦)にすると宝暦元年の今日、亡くなったと言われています。「本物の母親」を判じるお裁きで、子どもの腕の引っ張り合わせて決着をつけたエピソードなどは、大変有名ですね。最初は「引っ張って競り勝ったほうを本物とする」と言っておいて、その実、「痛がる子どもの姿に、思わず先に手を離したほうを、真の母とした」というものです。こうした『大岡政談』は、宝暦年間から講釈師や講談を介して広まったもので、実際の「大岡裁き」のほか、日本各地から、また、渡来した説話をアレンジしたものも混じっている、とされていますが、大岡忠相が慕われる奉行であったことは事実なのでしょう。ということで、本日は、「奉」「行」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「奉る」の、常用漢字の読み方は?
以下の選択肢は、どれも「奉る」の正しい読みがなですが、この中で最もポピュラーな、「常用漢字表に掲載されている読みがな」を選んでください。
1:うけたまわ-る
2:たてまつ-る
3:まつ-る
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 2:たてまつ-る です。
「奉(たてまつ)る」は、常用漢字としては特段ハイレベルな、高等学校で学習する程度の読み仮名とされております。古めかしい言葉でも、この日本語は漢字表記とともに覚えておくべき、という指標になりますね。
さて、2問目は「行」という字の入ったクイズです。
【問題2】「行火」ってなんと読む?
「行火」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:その昔は「木や土の枠組みの中に炭火を入れて手足を暖める道具」を指した言葉ですが、最近は電気を熱源とした「プチこたつ」「置きこたつ」的な役割の暖房器具が「電気行火」として登場しております。
<使用例>
「私は冷えがひどいから、会社でも、デスクの足元に小型の行火を置いているの」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 行火(あんか) です。
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本日は12月19日、名奉行・大岡忠相の忌日にちなんで、「奉」「行」という字の入った日本語から、
・奉(たてまつ)る…常用漢字
・行火(あんか)
の読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/『朝日日本歴史人物事典』(株式会社朝日新聞出版)/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱