アフターコロナで旅行の機運も高まってきた2023年。全国の温泉地では日本の伝統文化を受け継ぎながら新しいスタイルも取り入れた魅力的な宿が次々と誕生しています。

日本国内で3000スポット以上を巡っている温泉ジャーナリストの植竹深雪さんも、「行きたいところがありすぎてなかなか全部は回り切れない」と“宿題宿”をたくさん抱えているとのこと。そのなかでも特に注目しているホットな宿5軒をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、2023年10月にリニューアルオープンした「那須別邸 回」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

御用邸と同質の天然温泉を客室で独り占めする至福のひとときを…

日本屈指のラグジュアリー保養地・那須高原の森の奥に佇む「那須別邸 回」。2007年の開業以来、那須の自然に調和するリゾートとして愛されてきた湯宿が、2023年10月、約1年の改装期間を経てリニューアルオープンしました。リニューアルでは既存客室の補修が行われたほか、新たに2室が加わり全10室に。さらに、レストラン棟とレセプション棟が新設されたとのこと。

「那須別邸 回」のエントランス
那須高原の森の中に佇む「那須別邸 回」。
「那須別邸 回」の客室
心静かに寛げる雰囲気の客室。

「こちらの宿は全客室が70平方以上のオールスイート。那須エリアの中でも御用邸にほど近く、全客室で御用邸と同じ泉質の天然温泉を楽しめるという優雅な環境が魅力的です。泉質はアルカリ性単純泉。天然の保湿成分であるメタケイ酸も豊富に含まれる湯を好きなときに好きなだけ…。心静かに自分と向き合い日頃の疲れを癒すおこもりステイにぴったりではないかと大いに期待を寄せています」(植竹さん)

「那須別邸 回」の客室の一例
客室ごとに造りは異なるが、畳の部屋に寝転べたり、ベランダで心地よい風に癒されたり原点回帰を体感できるのは共通点。
客室の半露天風呂
浴槽の作りも客室ごとに個性が。

「ちなみに、宿名の『回』には、リサイクルやリユース、リプロダクト、リセットなど循環の意味が込められているとのこと。近年、温泉界で注目されている“リトリート”に近いコンセプトを2007年の時点で掲げていたという点で、『那須別邸 回』は時代を先取りしていた宿だといえます。その宿が令和の時代に合わせたリニューアルでどのようなおもてなし時間を提供してくれるのかと楽しみでなりません」(植竹さん)

「那須別邸 回」の鍵穴型の浴槽
ユニークな鍵穴型の浴槽。入浴する人自身が鍵となり、日常とON/OFFするという思いが込められている。
「那須別邸 回」の壁にスリットのある浴室
壁のスリットから朝日が湯面に差し込むように設計された浴室。

入手困難な選りすぐりの食材を生かした「山里懐石料理」に感動

「別邸 回」のレストラン棟
新設されたレストラン棟。

「那須別邸 回」では「山里懐石料理」で那須を表現。A5和牛や有機野菜、鮎など那須の地で育まれた食材のほか、全国から選りすぐりの旬を集め、素材を生かしたおもてなし料理を提供します。

「『那須別邸 回』では、食事の面でも『ここに来てよかった!』とお客様を満足させられるように、食材に一切の妥協を許さず、例えば魚も銀座の一流店レベルのものを使用しているのだそうです。高級食材というのは、ただお金を出せば買えるものではなく、そもそも流通量が少ないことから、生産者と信頼関係を大切に築いてきた料理人だからこそ入手できるともいわれています。

こちらの宿では、ほかでは味わえないワンランク上の食体験が叶えられのではないでしょうか。さらに、お酒の種類が豊富な上、ワインと日本酒のソムリエもいると聞いており、ペアリングも注目ポイントです」(植竹さん)

那須黒毛和牛
那須黒毛和牛はとろけるおいしさ。
「山里懐石料理」で使用する魚
魚も新鮮で上質なものだけを厳選。

以上、「那須別邸 回」をご紹介しました。御用邸にほど近いリゾート宿で、客室の温泉に癒され、原点に返る体験を叶えたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか?

問い合わせ先

  • 那須別邸 回
  • 住所/栃木県那須郡那須町湯本206
    客室数/全10室
    料金/2名1室1名 ¥52,950~(税込)
  • TEL:0287-76-3180

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)