アフターコロナで旅行の機運も高まってきた2023年。全国の温泉地では日本の伝統文化を受け継ぎながら新しいスタイルも取り入れた魅力的な宿が次々と誕生しています。

日本国内で3000スポット以上を巡っている温泉ジャーナリストの植竹深雪さんも、「行きたいところがありすぎてなかなか全部は回り切れない」と“宿題宿”をたくさん抱えているとのこと。そのなかでも特に注目しているホットな宿5軒をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、2023年8月にオープンした「別所温泉 緑屋」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

エリザベス女王も絶賛した庭園を愛でながら「美人の湯」を堪能

長野県上田市にある別所温泉は、1400年以上の歴史をもつ信州最古の温泉地。そこへ2023年8月にオープンした「別所温泉 緑屋」に注目する理由について、植竹さんはこう話します。

「別所温泉 緑屋」のエントランス
2023年8月にオープンした「別所温泉 緑屋」のエントランス。

「別所温泉は厄除のお寺『北向観音』の下から湧き出ている縁起のいい湯で、お寺の手水に温泉が使われているほど湯量が豊富。その地の利を生かして、『緑屋』では敷地内にある3つの貸切風呂が全て源泉かけ流しとのことです。また、源泉が飲める飲泉所があり、神様の癒しの湯とも呼ばれる名湯を体の内側にも取り込めるという点に期待を寄せています。

泉質は、単純硫黄泉。硫黄泉は美人の湯の一種で、メラニンを分解して美白に近づける効果が期待できます。また、こちらの湯は、肌の不要な角質を優しくオフする弱アルカリ性で、より硫黄泉の成分が肌に浸透しやすいと考えられることから、湯上りの肌がどんなふうになるのかも楽しみです」(植竹さん)

「別所温泉 緑屋」の貸切露天風呂
緑の中で湯浴みできる貸切露天風呂。
貸切風呂の内湯
シャワーやカランからも美人の湯が流れ出す。

「また、世界的庭園デザイナーの石原和幸氏がプロデュースしているという点も注目ポイント。石原氏が英国チェルシー・フラワーショーで金賞を獲得し、エリザベス女王から『緑の魔術師』と讃えられた庭園を再現しているとのことで、四季折々の美しい景観を愛でながら、どんな癒しのひとときを過ごせるのかと胸が躍ります」(植竹さん)

メインガーデン「緑風庭」
メインガーデン「緑風庭」。
庭園に備えられた飲泉所
庭園で別所温泉の飲泉もできる。

サービスはスマホ一台で完結!緑豊かな環境で心安らぐひとときを…

客室はホテルタイプのツインルームから、グランピングルームまで多彩なラインナップ。窓の外に石原氏プロデュースの庭園が広がるも非日常空間は、心身に安らぎを与えてくれるはず。

「別所温泉 緑屋」のデラックスルーム
ベッド3台のデラックスルーム。広くとられた窓から見える緑がまぶしい。

「自然豊かな環境でありつつ、最先端の『モバイルコンシェルジュ』を採用しているのも興味深いです。『モバイルコンシェルジュ』とは、チェックイン、チェックアウトの手続き、夕食時のドリンクの注文、貸切風呂の空き状況のチェックなどをスマホ一台でできるサービス。ビジネスホテルでは増えつつありますが、温泉宿としてはまだまだ珍しいシステムをいち早く取り入れているのは画期的だと思います」(植竹さん)

「別所温泉 緑屋」のグランピングルーム
専用庭付きのグランピングルーム。

「もちろん、昔ながらの対面サービスにも温泉旅館ならではの味わいがありますが、マイペースで自分の求めるサービスを享受できるのも新しいおもてなしの形。誰にも邪魔されず心静かに養生したい人にうってつけの環境です」(植竹さん)

「別所温泉 緑屋」のダイニング
ダイニングからの眺め。
「別所温泉 緑屋」の夕食
夕食は四季折々の旬をメニューに取り込んだ本格会席。

以上、「別所温泉 緑屋」をご紹介しました。緑の庭園が眼福な貸切風呂で美人の湯を堪能したい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • 別所温泉 緑屋
  • 住所/長野県上田市別所温泉225
    客室数/全11室
    料金/1泊2食付きプラン ツインルーム 2名合計 ¥52,800~(税込)
  • TEL:050-3091-0533

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)