アフターコロナで旅行の機運も高まってきた2023年。全国の温泉地では日本の伝統文化を受け継ぎながら新しいスタイルも取り入れた魅力的な宿が次々と誕生しています。
日本国内で3000スポット以上を巡っている温泉ジャーナリストの植竹深雪さんも、「行きたいところがありすぎてなかなか全部は回り切れない」と“宿題宿”をたくさん抱えているとのこと。そのなかでも特に注目しているホットな宿5軒をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、今年6月に大分・由布院にオープンした「エノワ ユフイン(ENOWA YUFUIN)」です。
公式サイト
新感覚のボタニカル・リトリートが大分・由布院に誕生
日本国内のみならず海外からも多くの観光客が訪れる大分県由布院。日本を代表する“湯のまち”の山手に2023年6月ラグジュアリーオーベルジュ「エノワ ユフイン(ENOWA YUFUIN)」が誕生しました。
「私が『エノワ ユフイン』で興味を惹かれたのは、“ボタニカル・リトリート(BOTANICAL RETREAT)”というコンセプト。リトリートとは、“避難”、“逃避”、“隠れ家”などを意味する言葉で、仕事や家庭など日常から離れたリラックスした環境下で自分を見つめ直すこと。ここ数年、温泉界でも注目を集めているキーワードです。
そうした“リトリート”に“ボタニカル(=植物、植物由来)”をかけ合わせた“ボタニカル・リトリート”を掲げるお宿ではどんな癒し時間が待ち受けているのか…。これまでにない独特の世界観に興味津々です」(植竹さん)
「森に抱かれるように建てられたこちらの宿では、広大な敷地内にいくつものガーデンを有し、ただ温泉を満喫するだけでなく、さまざまなアプローチから自然に浸り癒される体験が叶えられるそう。
まず、宿に到着して最初に案内されるのは季節のハーブなどを育てている『インドアガーデン』。その傍らにある『ファームバー』で、収穫したばかりのハーブを使ったウェルカムドリンクをいただくというのも実にユニークです。『エノワ フユイン』は、緑溢れる由布院の環境を生かしつつ、新たな湯宿の魅力を提供してくれるのではないかと大いに期待を寄せています」(植竹さん)
「エノワ フユイン」は、4万4千平方メートルの敷地内にさまざまな施設を備えた複合施設。客室は、独立したヴィラタイプ(10棟)とホテルタイプ(9室)の2種に分かれます。ヴィラタイプの客室は、全棟に温泉露天風呂と温水プールを完備。由布院の雄大な自然に囲まれた温泉露天風呂や温水プールでは身も心も解放することができ、まさしくリトリートに最適な環境です。
さらに、緑の森の中にあるサウナも格別。身体の内側からしっかり汗をかいた後は、立ったまま入れる水風呂に入り、その後はウッドデッキの椅子でリラックス。森の息吹きを感じたり、鳥の声に耳を傾けたり、緑の海の向こうに見える由布院を眺めたり…。至福のヒーリングタイムは、体に蓄積したストレスや疲労を一掃し、エネルギーを十二分にチャージしてくれることでしょう。
土づくりから徹底的にこだわった素材で感動の食体験を!
ただ温泉による癒しを提供するだけでなく、オーベルジュとしての側面もある「エノワ ユフイン」。"ファームドリブン(FARM-DRIVEN)”を謳う同宿の食事にも、植竹さんは熱視線を送ります。
「“ファームドリブン”とは農場主導という意味。メニューに合わせて食材を仕入れるのではなく、シェフが毎朝ファームへ出かけて、その日いちばんの食材からメニューを考えるというコンセプトです。
しかも、『エノワ ユフイン』がすごいのは、京野菜の匠と称される石割照久氏をお迎えして、その指導のもと生産の土づくりから取り組んでいるという点。契約農家と提携して仕入れからこだわっている宿は数多くありますが、さらに一歩進んで、自家農園で旬の野菜やハーブ、果物を100種類以上、育てているのだそうです」(植竹さん)
「シェフのタシ・ジャムツォ氏はチベットの出身で、"世界のベストレストラン50”に何度もランクインしたニューヨークの二つ星レストランで修業を重ねたという経歴の持ち主。極限までこだわりぬいて生産された新鮮な野菜が、凄腕シェフのインスピレーションでどのように洗練された美食に仕立てあげられるのか楽しみでなりません」(植竹さん)
以上、「エノワ ユフイン」をご紹介しました。湯のまちに誕生した"ボタニカル・リトリート”で自然に癒され、美食に感動したい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- ENOWA YUFUIN
- 住所/大分県由布市湯布院町川上 丸尾544
客室数/全19室
料金/大人2名1泊 ¥145,200~(税込) - TEL:0120-770-655
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)