日常の喧騒から離れた居心地のいい空間、優しく体を包み込む温泉、そしてその土地ならではの美食…。これらを兼ね備えた上質な湯宿は、多忙な現代人が心身にためこんだストレスや疲れをリセットするのに最適なスポットだといえます。

そこで温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに、心身共に整えて、新年を快調にスタートさせたい人におすすめの温泉宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは「ソキ アタミ(SOKI ATAMI)」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

「無為自然」を掲げる宿で漢方や温泉に癒される

JR熱海駅から車で10分ほど。緑に囲まれ海を一望できる高台に佇む「ソキ アタミ(SOKI ATAMI)」は、都会の喧騒から離れた隠れ家のような温泉宿。"SOKI”は「素の器」を意味し、「あるがままの自分を取り戻す、無為自然に過ごす宿」をコンセプトに掲げるこちらの宿は、多忙な現代人が養生するのにぴったりだと植竹さんは話します。

「ソキ アタミ」のレセプション
周囲の自然と調和するスタイリッシュなレセプション。 撮影:浅川敏

「『ソキ アタミ』でまず特筆すべき点は、最上階の8階にある茶寮。宿泊者は自由に利用できるオープンスペースで、ここだけを切り取ると温泉宿というのが信じられないような不思議な空間です。時間帯によってサービスは異なりますが、こちらでは養生茶や薬草酒、和漢茶など体を労わるドリンクの提供があります」(植竹さん)

「ソキ アタミ」の茶寮
ショールームのような雰囲気の茶寮。 撮影:砺波周平
茶寮の養生茶
茶寮の養生茶。
サシェ、香り袋
無料でオリジナルのサシェ(香り袋)作りも体験できる。 撮影:砺波周平

「こちらの温泉の泉質は、カルシウム・ナトリウム - 硫酸塩・塩化物温泉。各客室の浴槽に天然温泉を引いているので、好きな時間に好きなだけ、ゆったり浸かってリラックスすることが可能です。気が向けば大浴場にも足を運び、客室とはまた違った雰囲気での湯浴みを楽しむことができます。

さらに、女性用スペースではスチームサウナもあり、まさしく至れり尽くせり! ただ温泉に浸かるだけでなく養生に徹底的にこだわった宿で、心も体も整うこと請け合いです」(植竹さん)

「ソキ アタミ」の大浴場
天井から自然光が差し込む開放的な大浴場。 撮影:森田大貴
女性用スチームサウナ
アロマの香りが漂うスチームサウナ。 撮影:砺波周平
プレミアムツインの半露天風呂
客室の温泉で至福の湯浴みを…。 撮影:砺波周平

和漢を取り入れた御膳で体の内側から健やかに!

「ソキ アタミ」では、ヘルシーな食事で体の内側からも癒されると植竹さん。

「ソキ アタミ」の夕食の一例
夕食メニューの一例「原始焼き」。素材をじっくりと炭火で炙ることで旨味が凝縮。

「夕食はオープンキッチンのダイニングで、伊豆の山海の幸やこだわりの野菜などを取り入れたコース料理を楽しめます。たまたま私が訪れたタイミングではキノコや野菜など具沢山の薬膳鍋の提供があり、数種類の和漢をブレンドした鍋が五臓六腑にしみわたるようで最後の一滴まで飲み干したくなるおいしさでした」(植竹さん)

「ソキ アタミ」の和食膳
「酸・苦・甘・辛・鹹(塩辛い)」の五味をバランスよく取り入れた和食膳。 撮影:砺波周平

「朝食は、東洋の自然哲学・五行説を取り入れた和食膳がメイン。副菜などは自分で好きなものを選ぶハーフビュッフェの形式です。和食膳だけでも満足度が高いですが、ビュッフェのコーナーは小鉢料理や薬膳カレーなど、つい何度も往復したくなります。人気だった薬膳カレーは、見た目や味はオーソドックスで、言われなければ薬膳とわからないほどなので、薬膳になじみのない人にもおすすめです」(植竹さん)


以上、「ソキ アタミ」をご紹介しました。温泉、サウナ、茶寮、そして薬膳を取り入れた食事など、とことん養生にこだわる宿で心身をリフレッシュしたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • ソキ アタミ
  • 住所/静岡県熱海市小嵐町4-36
    客室数/全54室
    料金/1泊2食付き1名 ¥56,485(税込)~
  • TEL:0557-82-6511

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)