日常の喧騒から離れた居心地のいい空間、優しく体を包み込む温泉、そしてその土地ならではの美食…。これらを兼ね備えた上質な湯宿は、多忙な現代人が心身にためこんだストレスや疲れをリセットするのに最適なスポットだといえます。
そこで温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに、心身共に整えて、新年を快調にスタートさせたい人におすすめの温泉宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、富山市にある「リバーリトリート雅樂倶」です。
公式サイト
ゆっくりと時間が流れるアートな空間で心身の凝りをほぐす
富山の市街地から車で40分ほど。神通川のほとりに佇むスモールラグジュアリーホテル「リバーリトリート雅樂倶」。“隠れ家”を意味するリトリートを標榜するこちらの宿は、その名のとおり河畔の隠れ家のような環境で、心身の凝りをほぐすのにぴったりだと植竹さんは話します。
「リバーリトリート雅樂倶の魅力といえば、まずは自然とアートとの融合です。緑と水に囲まれたのどかな自然の中に立つ建物を設計したのは内藤廣氏。温泉宿というより美術館のような洗練された空間で、館内に足を踏み入れた瞬間から非日常的な世界に引き込まれます」(植竹さん)
「天井が高くコンクリート壁が重厚感あるロビーは雑誌に頻繁に取り上げられるほど有名なスポット。こちらではチェックイン時にウェルカムドリンクをいただけるほか、滞在中に利用できるコーヒー・紅茶のセルフサービスコーナーもあります。宿のオリジナルだというおしゃれなソファに寛ぎ、窓の外に広がる自然を眺めるだけでもなんだか優雅な気分に!」(植竹さん)
「大浴場にはガラス張りの内湯と野趣溢れる露天風呂があり、露天風呂の目の前には神通川が。川のせせらぎに耳を傾けながらの湯浴みは、まさに至福のひとときです。また、大浴場のほかに宿泊者専用のスパ施設も。私自身は客室の居心地がよすぎてずっとお部屋にこもってしまい利用しなかったのですが、広々としたジャグジーバス、冷水炭酸泉、サウナ(女性浴にはミストサウナも)、露天風呂があり、お好みに応じてさまざまなアプローチから癒しを叶えることができます」(植竹さん)
部屋から出たくない!極上のリバービューやこだわりの寝具にも癒される
客室は大きく分けるとスタンダード(約33平米)、デラックス(約50~55平米)、スイート(約72~150平米)の3タイプ。23室すべてがデザインやコンセプトが異なるというところにも、建築家の遊び心が感じられます。
「私は115平米の新館プレミアスイートに宿泊。テラスからのリバービューも清々しく、もうお部屋から出たくない…という気分で、滞在中はひたすらうだうだのんびりと過ごしました。ベッドの敷布団は金沢の老舗店の馬毛マットレスが使用されており、寝心地も抜群。睡眠の質にもとことんこだわったリトリートで、疲れをリセットして心身を整えたい人にぴったりだと思います」(植竹さん)
体が喜ぶおいしさ!地元富山の食材を和洋の料理に昇華
食事処はフランス料理の「トレゾニエ(Trésonnier)」と和食の「樂味」の2つ。「トレゾニエ」は、シェフが自然と対話し選りすぐった食材とそれを彩るこだわりの器が、かけがえのないひと皿を創ります。
一方、「樂味」は、神通川の畔を借景に贅を感じる和の空間。地元の旬の食材を駆使し、移ろいゆく季節を表現する滋味豊かな日本料理が絶品と評判です。
「夕食は『トレゾニエ』でいただきました。富山・新湊のイカなど、その土地の食材を知り尽くし、魅力を最大限に引き出したモダンなフレンチに感動しきり!
朝食は『樂味』の和朝食を。ご飯は近隣の里山で無農薬栽培されたお米を土鍋の炊きたてで。そして、せいろで蒸したての熱々のかまぼこ、出汁がしみわたるような味噌汁など、奇をてらわない基本に忠実な朝ごはんは奥深く、体が喜ぶものをとりいれた余韻に浸りつつチェックアウトすることができました」(植竹さん)
以上、「リバーリトリート雅樂倶」をご紹介しました。自然とアートの融合した非日常空間で思う存分、羽を伸ばしたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- リバーリトリート雅樂倶
- 住所/富山県富山市春日56-2
客室数/全23室
料金/1泊2食付・2名1室1名あたり ¥38,500~(消費税・サービス料込/入湯税150円別) - TEL:076-467-5550
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- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)