雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。

今回は、気象変動サービス「ClimatePartner」のミラノ支社商業サステナビリティ・マネージャーのフランチェスカ・ミラーニさんをご紹介します。

フランチェスカ・ミラーニさん
気象変動サービス「ClimatePartner」ミラノ支社商業サステナビリティ・マネージャー
ミラノ出身。26歳のときにドバイに移住し、スポーツ用品を扱う多国籍企業で働く。イタリアへ帰国後、ラグジュアリーブランドや企業などを対象に持続可能性を推進するコンサルタントとして活躍。'21年より現職。

気候変動対策に焦点を当てた支援でイタリア企業のSDGsを加速させる

26歳でドバイに移住し、スポーツ用品を製造販売する多国籍企業に13年勤めたフランチェスカさんが、「持続可能」に目覚めたのはドイツ人上司の影響だった。

「仕事で経験を積めば積むほど、循環型ビジネスへシフトしていく重要性を強く感じるようになりました。企業の気候変動対策に関わりたいと思い、故郷であるミラノに戻ってコンサルタントとして活動を開始。そして2年前、『クライメイト・パートナー』のミラノ支社ができたタイミングで、マネージャー職に就きました」

「クライメイト・パートナー」は、企業を対象に、地球温暖化防止のための持続可能な取り組みを支援する会社だ。’06年、気候変動への危機感もまだ低かった時代にドイツで設立された、この分野の先駆けとなった存在である。

「私たちの仕事はまず、企業が排出している温室効果ガスの量を追跡し、削減していくこと。そのために例えば、二次元コードを読み取ることで原材料や流通過程におけるCO2排出量を確認できる、国際基準のカーボン・ニュートラルラベル(※)の導入を提案します。これは、透明性の高い企業だということを消費者に公約することにもなります。サステイナビリティへの意識向上のために、すべてのサプライヤーと欠かさずミーティングを行っている企業もあります。気候変動対策のためのアクションが、結局は、働きやすい環境づくりや、生産性のアップにもつながっていくのです」

企業の長期的な成長の先に、SDGsの達成がある、と熱く語る。

「企業が社会と共に発展していくための活動を提案し、あらゆる角度からサポートすること。それこそが私のミッションです」

【SDGsの現場から】

●情熱でつながる!国際色豊かなミラノチーム

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前職は生物学者という人も。中東出身者も多く、バックグラウンドも多彩なチーム。

●気候変動対策のプロフェッショナル「ClimatePartner」

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創業者は両親からの5000ユーロの融資で会社を設立。クライアントには有名企業も。

※カーボン・ニュートラルラベルとは…二酸化炭素に関わる「カーボン・ニュートラル」のほか、メタンなど温室効果ガス全般が対象の「クライメイト・ニュートラル」ラベルもある。

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PHOTO :
Massimiliano Ninni
EDIT&WRITING :
剣持亜弥、喜多容子(Precious)
取材 :
Yuki Katagiri