誤読注意!「慈救」ってなんと読む?「じきゅう」ではないのです!

明日、1月17日は『防災とボランティアの日』です。1995(平成7)年のこの日、阪神・淡路大震災が発生し、ボランティア活動が大きな力となったことから、災害への備えとともにボランティアの大切さを認識する日、とされています。折しも現在、能登地震による被害が生々しい状況ですよね。被災地の皆さまのご安全と、1日も早い復興をお祈り申し上げます。本日は日本語クイズにからめ、「ボランティア」や支援の在り方を、いま一度考えてみたいとおもいます。

【問題1】「無馳走」ってなんと読む?

「不馳走」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「粗末な料理でもてなすこと」という意味の言葉です。

<使用例>

「賞味期限切れの食品を被災地に送る…というのは、あまりにも無馳走ではないかしら?」

かな4文字です。
かな4文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 無馳走(ぶちそう/むちそう) です。

「不馳走」とも表記します。
「不馳走」とも表記します。

「無馳走(ぶちそう/むちそう)」の「馳走(ちそう)」は、「ごちそう」の「ちそう」です。「馳走(ちそう)」とはもともとは字の通り「馬を駆って走り回ること」を意味する言葉で、転じて「人の世話をすること」「(かけまわって準備をすることから)心を込めたもてなし」という意味でも使われるようになりました。これに当らないような、もてなしとも呼べないようなもてなしを「無馳走(ぶちそう/むちそう)」というわけです。
例文でも触れましたが、被災地に届く支援物資に、何年も前に賞味期限が切れた食品があったり、冷蔵庫の足りないところに生ものが送られてしまって難儀する…という現象も起きています。避難所で過ごす被災者の方々はインフラの不十分な環境で、通常よりも抵抗力の弱った状態だと思われますので、そうした物資送付は、「支援」はおろか、正反対の状況を招いてしまいます。支援やボランティアには、自治体や公的機関の告知を事前にしっかり確認の上、混乱のないようにする…という冷静さも大切でしょう。

【問題2】「慈救」って何と読む?

「慈救」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「慈愛の心で救うこと」などの意味をもつ言葉です。

<使用例>

「『ボランティア』の意味って、「慈善活動や慈救」ではなく「自発的行動」なのよね」

かな文字です。
かな文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 慈救(じく) です。

この熟語はもともと仏教用語で、「救」を「きゅう」ではなく「く」と読みます。

「ボランティア」という言葉の意味を「慈善」「慈救」ととらえている方もいらっしゃると思います。しかし、実際にはラテン語「voluntas(意志)」からできた言葉で、「自発的な意思による行動」を意味します。地震大国・日本で、いつわが身にふりかかるかもしれない災害…。いま、隣人が求めていることはなにか、その中で自分ができることは何か?をしっかりと考えて行動したいですね。

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本日は、1月17日『防災とボランティアの日』にちなんで、ボランティアや支援のありかたを考えつつ、

・無馳走(ぶちそう/むちそう)

・慈救(じく)

などの日本語の読み方をおさらいいたしました。

この記事の執筆者
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Precious.jp編集部 
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参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/内閣府ウェブサイト/社会福祉法人全国社会福祉協議会ウェブサイト2024年能登半島地震特設ページ/PLAN internationalウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱