温泉のさまざまな効能のなかでも、特に寒い季節に注目したいのはスキンケア効果。名湯で体の芯から温まりつつ、乾燥によるダメージを蓄積した肌を労りたいと考えている人は多いのではないでしょうか。

そこで、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに、数ある湯宿のなかでも実際に浸かってみて「つるつるしっとり肌がご機嫌になった!」と太鼓判を押す、冬こそ訪れたい美肌温泉宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、大分県「別府おぐら」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

天然保湿成分の含有量は国内随一!神秘的なブルーの湯を貸切風呂で満喫

日本有数の源泉数と湧出量を誇る温泉のまち・別府。その別府八湯のひとつ鉄輪(かんなわ)温泉の高台にある一軒宿が今回ご紹介する「別府おぐら」です。総部屋数5室と小規模ながら、趣が異なる源泉かけ流しの貸切風呂が6つもあり、その美肌効果について植竹さんはこう話します。

「別府おぐら」の外観
「別府おぐら」の外観。

「『別府おぐら』の温泉は、天然保湿成分メタケイ酸の数値が日本トップクラス。メタケイ酸は温泉1kgあたり100mgを超えていたら美肌効果があるとされますが、なんとこちらの宿の含有量は723mgと驚異的な数値です」(植竹さん)

「別府おぐら」の「照湯」
貸切風呂「照湯」。季節や天候によってブルーに変化する湯が美しい。

「湯の見た目にも特徴があり、複数の自然条件が揃うと青く変化する湯が神秘的。温泉は自然の産物であるため、その日の天候などによって、青みが濃かったり薄かったり、あるいは無色透明に見えたりすることもありますが、だからこそ浴室に入った瞬間、きれいなブルーが目に飛びこんでくると感無量です」(植竹さん)

貸切風呂「ヘビん湯」
貸切風呂「ヘビん湯」では泡風呂と寝湯で別府の名湯を堪能。
貸切風呂「新湯」
貸切風呂「新湯」は、レトロな雰囲気。

「館内の6つの貸切風呂のうち、一番人気は『照湯』。私自身の体験や友人などから聞いた話によれば、ここが青湯に出合える確率が最も高いように思います。

『別府おぐら』には何度かリピートしているのですが、直近の訪問の際には、『照湯』が運よくコバルトブルーに色付いており眼福。自然の恵みに惚れ惚れしながら湯浴みしていると、メタケイ酸豊富な湯が肌にしみこんでくるようで、湯上りにはしっとりうるおい張りもアップしたように感じられました」(植竹さん)

貸切風呂「山吹」
貸切風呂「山吹」の五右衛門風呂。

「泉質はナトリウム-塩化物温泉。源泉の温度が高めのうえ、体の表面が塩のヴェールに包まれてポカポカが持続しやすいという点でも冬場にぴったりです。また、『照湯』以外の貸切風呂もそれぞれ趣がありますし、誰にも気兼ねすることなく肌にうるおいをチャージするのに理想的な環境だと思います」(植竹さん)

「別府おぐら」の2階の客室
2階の客室。窓から別府の町並みや別府湾が見渡せる。
離れの客室「和蒼庵」の専用温泉
離れの客室「和蒼庵」には、客室専用の内湯・露天風呂も…。

地獄蒸し釜を利用した料理が絶品!ミシュラン星付き宿で郷土の味を堪能

「別府おぐら」は食事の評判もよく、その実力はミシュラン一つ星を獲得するほど。関あじ・関さば・城下かれい・豊後ふぐ・豊後牛など、地元産の旬の食材を生かした、目にも美しいコース料理を味わうことができます。

「別府おぐら」の料理の一例
「別府おぐら」の料理の一例。

「私のイチ押しは、“地獄蒸し”を活用した季節料理。地獄蒸しとは、天然温泉の蒸気を活用した高温釜で食材を蒸す調理法で、食材に温泉の自然の塩味が加わり、旨味がぎゅっと引き出されます。別府鉄輪エリアという高温の湯が湧く土地ならではの味わいは格別で、ちりめんじゃこの地獄蒸しご飯や地獄蒸しプリンなど忘れられないおいしさです」(植竹さん)

※メニューは季節や仕入れ状況により異なります。

別府おぐらの筍料理
朝採れの筍を地獄蒸しにして軽く焼き目をつけた料理。
別府おぐらの先付けの一例
器や盛り付けの美しさも必見!

以上、「別府おぐら」をご紹介しました。天然保湿成分たっぷりのブルーの湯に見惚れつつ、貸切風呂で思う存分うるおいをチャージしたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

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