「領脚」ってなんと読む?「領」の意外な読み方は?
明日、2月7日は『北方領土の日』です。1855(安政2)年のこの日に、日ロ通好条約が調印されたことにちなんで、1981(昭和56)年に定めされた記念日です。毎年この日を中心に、領土問題の解決に向けたロシアとの外交交渉を後押しするためのさまざまな行事が、日本の各地で展開されています。本日は「北」「領」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「北叟笑む」ってなんと読む?
慣用句「北叟笑む」の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「満足して密かに笑う。ひとり、悦に入って笑う」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「まんまと思い通りの結果になって、あの人は今ごろ、北叟笑んでいるでしょうね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 北叟笑む(ほくそえむ) です。
「人間万事塞翁が馬」ということわざがございますね。「人生には良いとき、悪いときが交互にやって来る」という意味の言葉です。これは中国の故事から来ており、塞翁(さいおう)は、「北の辺境の砦(とりで)のほとりに住む老人」という意味で、同じ人物を「北叟(ほくそう)」とも呼びます。「叟」は「翁。男性の老人」を意味する字です。「北叟笑む」は、この辺境の老人が、良いことがあったときに密かにニヤニヤと笑う様子をピックアップした言い回しです。表記が難しいので、昨今では「ほくそ笑む」と表記される例が多く、語源が故事にちなんでいるとは、ご存知ない方も多かったのでは?
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「領脚」ってなんと読む?
「領脚」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「首筋の髪の毛の生え際」のことです。
<使用例>
「私は領脚が長いから、ショートカットにするときは、お手入れしすいデザインが限られるのよね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 領脚(えりあし) です。
「領」という字には「えり」という読み方もあるのです。このほか、「領」1文字で単語として成立する読み方に「かなめ」「かしら」「うなじ」がございます。「領」という字は「大事なところ」という意味も内包しているので、身体の部位の中でも「要(かなめ)」となる部分も表現するわけです。「えりあし」という言葉に関しては、昨今は「襟足」という表記がポピュラーですが、「領脚(えりあし)」という表記や、「領」という字の特徴を知っておくと、おもしいですね。
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本日は、2月7日『北方領土の日』にちなんで、「北」「領」という字の入った日本語から、
・北叟笑む(ほくそえ-む)
・領脚(えりあし)
の読み方をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/政府広報オンラインウェブサイト/『語源由来辞典』(株式会社ルックバイス)/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱