あの“ロイヤル オーク”が、こんなにフェミニンに、エレガントに! 「オーデマ ピゲ」を象徴する名品が大胆にダウンサイジングを施し、「ラグジュアリースポーツウォッチ」から「ジュエリーウォッチ」へ ── しなやかに、そしてクールに、美の転生を果たしました。

23mmのミニサイズによって、「ラグスポ」から「ジュエリーウォッチ」へ

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3色のゴールドのバリエーションで展開する新作、“ロイヤル オーク ミニ フロステッドゴールド クォーツ”。

日本時間の2024年5月31日(金)20時に発表された“ロイヤル オーク ミニ フロステッドゴールド クォーツ”ですが、光栄なことにいち早く実物を取材する機会をいただきました。

現在販売されている“ロイヤル オーク”コレクションの最小モデルは、“ロイヤル オーク クォーツ”の33mm。対して新作は23mmと大胆にダウンサイジングされ、これには大変驚きました。きっと今、これを読んでくださっている時計好きな女性たちも同様の思いではないでしょうか。

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八角形のケースやベゼルに配したビスといった“ロイヤル オーク”のデザインコードはそのまま継承しながら、23mmというサイズによってまったく異なるエレガントな雰囲気を纏う。

かれこれ20年以上“ロイヤル オーク”を取材してきましたが、この新作の第一印象を率直に言うと、「どこかで会ったことがある気もするし、初めて会った気もする」── つまりは「どちらさまでしたっけ?」

というくらい、醸し出される雰囲気が変わり、私自身はこれまでの“ロイヤル オーク”とはまったく異なるタイムピースとして捉えました。そのドラマティックな変貌は、既存のサイズのモデルと比較してみると伝わりやすいかもしれません。

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同じイエローゴールドでも、上(34mm)と下(23mm)では、漂うムードがこんなにも異なる。
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右は同時に発表された34mm径の新作“ロイヤル オーク フロステッドゴールド オートマティック”。

こうしてセンセーショナルなデビューを飾った…かのように映る“ロイヤル オーク ミニ フロステッドゴールド クォーツ”ですが、正確には「デビュー」ではなく「カムバック」。

“ロイヤル オーク”の名品伝説をさかのぼると、かつて存在していた小さいサイズのジュエリーライクなモデルと邂逅することができます。それは1997年に発表された“ミニ ロイヤル オーク”。

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“ロイヤル オーク”コレクション誕生25周年を記念して、1254本製作された“ミニ ロイヤル オーク”。

“ロイヤル オーク”コレクションがあまりにも成功し、「ラグジュアリースポーツウォッチ」というジャンルを確立し、そして超複雑機構を搭載したコンプリケーションウォッチを製作することができる希少なマニュファクチュールであるため、現在ではどちらかというと男性的なイメージが強い「オーデマ ピゲ」ですが、実は19世紀から女性のためのジュエリーウォッチを手がけてきたという歴史があります。

新作の“ロイヤル オーク ミニ フロステッドゴールド クォーツ”は、大人気のラグジュアリースポーツウォッチを今、ただ小さくしたモデルではなく、メゾンの至宝といえるアーカイブから命を継承した稀有なタイムピースなのです。

宝石を必要としない「フロステッドゴールド」の気高い輝き

“ロイヤル オーク ミニ フロステッドゴールド クォーツ”が纏うジュエリーウォッチのエレガンス。それはケースの小ささからだけではなく、モデル名にも冠された「フロステッドゴールド」の輝きから醸し出されています。

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アイコニックな八角形のベゼルとブレスレットにダイヤモンドダストのような輝きを与える「フロステッドゴールド」。

「フロステッドゴールド」というのは、「オーデマ ピゲ」が得意とする非常に高度な鍛金仕上げを施したゴールドで、宝飾の都・イタリアのフィレンツェに伝わる伝統的な宝飾技法。

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「フロステッドゴールド」のラグジュアリーなテクスチャーが、ベゼルやブレスレットを縁取るポリッシュ加工部分と美しい対比を見せる。

ゴールドの表面に、硬いダイヤモンドチップツールがついた工具で、極めて微細な凹凸を無数につけることから生まれる輝きは繊細でいながらグラマラス。私は初めてこのウォッチを見たとき、一瞬、フルパヴェダイヤモンドかと思ったほど、キラキラ眩い光を放っていました。

このモデルに採用されたムーブメントはクオーツ。世界的に女性の間でも機械式ムーブメントに対する意識は年々高まっていますが、一方でクオーツのニーズは依然高く、このケースサイズを実現させるためにもベストな選択ではないかと私も思います。

しかし、そこは世界最高峰のマニュファクチュール。搭載されているのは、このサイズでは最高級のクオーツムーブメントのひとつで、電池寿命はなんと7年以上! 美しいだけではなく、多忙な毎日を送る現代女性のライフスタイルに寄り添うジュエリーウォッチが、この“ロイヤル オーク ミニ フロステッドゴールド クオーツ”なのです。

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「ロイヤル オーク ミニ フロステッドゴールド クォーツ」各¥4,730,000 ●ケース:左/イエローゴールド・中央/ホワイトゴールド・右/ピンクゴールド ●ケース径:23mm ●ブレスレット:左/イエローゴールド・中央/ホワイトゴールド・右/ピンクゴールド ●ムーブメント:クオーツ

ラグジュアリーウォッチ界でもジェエンダーニュートラルという概念はすっかり定着。各メゾンが打ち出すレディイスモデルも30mm径以上のものが圧倒的に多く、グラマラスなサイズの時計を楽しむ女性は増え続けています。だからこそ“ロイヤル オーク”を思い切り小さくしたこの新作はとびきり新鮮に映り、今後、新たなトレンドとなっていくポテンシャルを秘めています。

問い合わせ先

オーデマ ピゲ ジャパン

TEL:03-6830-0000

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この記事の執筆者
東京都出身。大学在学中から雑誌『JJ』などで執筆活動を開始。女性向け本格時計のムックに携わったことから、機械式時計に開眼。『Precious』などの女性誌において、本格時計の魅力を啓蒙した第一人者として知られる。SIHHとバーゼルワールドの取材歴は、女性ジャーナリストとしては屈指のキャリアの持ち主。好きなもの:海、ハワイ(特にハワイ島)、伊豆(特に下田)、桑田佳佑様、白い花、シャンパン、純米大吟醸酒、炊きたてのご飯、たまご、“芽乃舎”の野菜だし、“エルメス”のバッグと“シャネル”の靴、グレーのパーカー、温泉、スパ、素敵旅館、村上春樹、宇野千代先生、神社、日本の陶器(特に唐津焼)、朝ドラ、ドラミちゃん、長文のインタビュー原稿