「めっちゃかわいい!」「めっちゃおいしい!」「めっちゃ映える!」など、あなたも日常会話で「めっちゃ」というワードを頻繁に使っていませんか? シーンや年代を問わず浸透しているこの「めっちゃ」という言葉、漢字で書くと「滅茶」となりますが、これって正しい日本語? そもそも標準語? 方言のようにも感じますよね。ビジネスシーン、とくに目上の相手には使いにくいと感じたら、どう言い換えればいいのでしょうか。今回はこの「滅茶」についてさくっと解説します。

【目次】

「滅茶」は当て字です。
「滅茶」は当て字です。

【「滅茶」とは?「読み方」と「意味」「語源」】

■めちゃ? めっちゃ?「正しい読み方」 

「滅茶」あるいは「目茶」と書いて「めちゃ」と読みますが、熱く語るようなシーンで使われることが多いため、今では「めっちゃ」と強調して発音するほうが一般的でしょうか。もともと関西地域では「ものすごく」という意味で「めっちゃ」や「むっちゃ」を日常的に使っていました。それが全国区となり、関西弁という意識はなく「めっちゃ」は使用されるようになったと思われます。

■意味

「滅茶」は、程度が甚だしいさま、非常に、大変といったことを表します。また、混乱するほど道理に合わないという意味も。「滅茶」は名詞・毛尾容堂氏ですが、近ごろでは、「滅茶楽しい」のように、副詞的にも使われています。

■語源

「滅茶」「目茶」は「めちゃ」の当て字で、「めちゃ」は「無茶(むちゃ)」の音変化といわれています。ちなみに、「無茶」も当て字です。

「無茶」も「筋道が立たず、道理に合わないこと」や「程度が甚だしいこと、度を越していること」などを表す名詞・形容動詞。この「無茶」を強めたフレーズに「無茶苦茶(むちゃくちゃ)」がありますが、「無茶」が「滅茶」に変化したため、「無茶苦茶」も「滅茶苦茶」も同じように使用されるように。


【「使い方」がわかる「例文」5選】

■1:「今年の新人は滅茶仕事ができるという噂だ」

■2:「モノクロスイーツって見た目はちょっとムリ…って思ってたけど、この麻炭ロールケーキ、滅茶おいしい!」

■3:「滅茶簡単にできました」

■4:「Aさんの指示はいつも滅茶苦茶だから苦労する」

■5:「破茶滅茶な散らかりように、どこから手を付けていいかわからず途方に暮れた」

どうでしょうか。「滅茶」と書くより「めちゃ」「メチャ」としたほうが今に会っている感じがしますね。また、「破茶滅茶(はちゃめちゃ)」もなじみのあるワードだと思いますが、書き文字としてはこちらも「ハチャメチャ」とカタカナほうが一般的かもしれません。「破茶」も「滅茶」も同様の意味なので、ダブルで使用で相当な様子であることがわかります。


【「滅茶」が使いにくいシーンでは「類語」や「言い換え」で】

「程度が甚だしいこと、度を越していること」などを表す「滅茶」は、すでに一般的に使用されているとはいえかなりカジュアルな言い方。なので、改まった席や目上の人との会話では使いにくいもの。そんな時には類語や言い換え表現で熱く語りましょう。

・とても・大変に ・非常に ・ものすごく ・すこぶる ・とてつもなく

・甚だしく ・極めて ・計り知れないほど ・格段に ・著しく ・途方もなく

・この上なく ・並々ならぬ ・すこぶる ・実に ・桁違いに ・飛び切り ・圧倒的に

・底抜けに ・滅法 ・至極 


【「滅茶!」な様子を英語で言うと?】

「とても」や「大変」などを表す英単語として[very][so]はすぐに浮かぶと思います。ほかに[great][fantastic][wonderful][super][amazing]、ネガティブな意味では「ひどい」という意味の[awful]も使えます。「滅茶苦茶」は[extremely]という単語で表すことができますよ。

・very busy(滅茶忙しい) ・super delicious(滅茶おいしい) ・so beautiful(滅茶きれい)

ポイントとして、[very]より[so]のほうがカジュアルな表現であるということも覚えておきましょう。また、「このケーキ滅茶おいしい!」をスラングで表すと、「爆弾」という意味の[bomb]を使って[This cake is the bomb!]となりますよ。

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バラエティ番組などを見ていると、「滅茶」の使用回数が“めっちゃ多い”ことに気付くと思います。とはいえ、ビジネスシーンでの使用にはご注意を! 関西出身の方なら方言として自然と受け止められるケースもありますが、一般的には少し幼く、くだけた印象を与えてしまうかもしれません。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『角川類似新語辞典』(KADOKAWA)/『日本国語大辞典』(小学館)/『プログレッシブ和英中辞典』(小学館) :