「韜晦」を読めたらすごい! この単語は漢検(日本漢字能力検定)1級レベルの難解漢字です。「とうかい」と読みますが…それでも意味不明ですね。今回は、この見慣れない聞き慣れない「韜晦」について、使い方や言い換え表現も含めて解説します。

【目次】

なんだかおいしそうなイメージがありますね。
文字の中にまるでヒントが見つかりませんね。

【「韜晦」とは?「読み方」「意味」「語源」など基礎知識】

■読み方

改めて…「韜晦」は「とうかい」と読みます。

■意味

自分の本心や才能、地位などを包み隠すこと。また、身を隠すことや姿をくらますことも「韜晦」といいます。

■語源

「韜」は見慣れない漢字ですね。この字には「剣や弓を入れる袋」「包む、納める」「隠す」などの意味があります。「晦」のほうは「大晦日(おおみそか)」でなじみがあると思いますが、陰暦で月の最後の日のことを言います。また、「日月の光がなく、空が暗いこと」「闇」「暗がり」や、「物事がはっきりしないこと」も言い表します。このふたつの漢字による「韜晦」は、本心や身分を隠すことや、身を隠す、いなくなることを表すのです。


【使い慣れない言葉こそ学習!「使い方」がわかる「例文」4選】

■1:「優秀なスキルをもっているなら、韜晦せず大いに発揮してほしい」

■2:「自分のことを話したがらず韜晦であることが、必ずしも謙遜とは限らない」

「韜晦」には「自己韜晦(じことうかい)」「韜晦趣味(とうかいしゅみ)」という四字熟語も。これらの例文もチェックしておきましょう。

■3:「人付き合いが苦手な彼は、自己韜晦することでストレス軽減を図っているのだろう」

■4:「韜晦趣味のある人とは、なかなか本音で会話ができない」


【難しい「韜晦」は「言い換え表現」も活用!】

■「本心や才能などを包み隠す」という意味での言い換え

・能ある鷹は爪を隠す:本当に力のある者、実力のある者ほど、それを表面に現さないということのたとえ。「上手の猫が爪を隠す」や「鼠を捕る猫は爪を隠す」なども同様です。

■「身を隠す」という意味での言い換え

・雲隠れ:月が雲に隠れるように逃げて姿をくらますこと。

「韜晦」も「能ある鷹は爪を隠す」も「雲隠れ」も、文学的要素のある表現ですね。日常会話では使わなくても、小説などで見る機会があるかもしれません。


【「韜晦」とは反対の意味のことわざ】

・犬の遠吠え:臆病な人が陰で威張り、陰口をたたくことのたとえ。

・能なしの口たたき:役立たずな者ほど余計なことをよく喋る、口先ばかりで実力が伴わない者のことを指します。

・空き樽は音が高い:空の樽をたたくとカンカンと高い音を立てるけれど、中身が充実した樽は大きな音は立てません。内容のない軽薄な人に限って、大げさな表現や言動が多いものであるというたとえです。


【韜晦」を英語ではどう言う?】

「韜晦」にぴったり当てはまる英単語は見当たりませんが、自分の才能を隠すことは[hide one's light under a bushel]で言い表せますよ。

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「韜晦」は難しい言葉ですが、控え目を美徳のひとつとする日本人らしい言葉でもありますね。使う機会がめったになくても、知識として覚えておけば“大人の語彙力”アップに繋がります!

この記事の執筆者
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