L’art de vivre de Junko Shimada ── 仲間と共にある暮らしの美学【島田順子さんの「美しい暮らし」】
パリをベースに活躍するファッションデザイナー、島田順子さんの家には来客が絶えることがありません。16世紀にフランス王・フランソワ1世が建立したフォンテーヌブロー宮殿の近くにあるブーロンマーロット村の別宅が、最近島田さんが多くの時間を過ごす場所になっています。
その家に集まる愉快な仲間たちとの過ごし方を通して見えてくる、島田さん流の「アールドヴィーヴル」をご紹介します。
L’art de vivre de Junko Shimada ──好きなものに囲まれる幸せ
家の前でポーズをとる愉快な仲間たちは、それぞれの個性で24年春夏の “JUNKO SHIMADA” を着こなす。真ん中にはマリー=アニエスさんの家族タロの姿も。
幼少期の原風景が着想源に
島田順子さんが今季のコレクションを制作している最中、ブーロンマーロットの庭にはバラが咲き誇っていました。「それが、とにかく綺麗だったから、バラでコレクションをつくろうと思ったの。バラのなかで暮らしていたいから」。
春と夏は、島田さんが好きな季節。「春はお花が咲いて、爽やかな気持ちになりたいとき。でも、ときどきシャープにもなりたい。スカッと、キリッとしたいでしょ」。このシャープになりたい気持ちを今季のコレクションでは海の波しぶきやヒトデで表現しました。
「私は、館山の海で育ったので、コレクションにはたびたび登場するの。特にヨットで遠出するときに見える海の色は、本当にブルーなのよね。海はやっぱり好きよ」。
ほかにも、1981年のデビューコレクションで印象的だったメンズシャツ地のストライプも多く登場します。
「それとデニム。デニムって、おじいさんでも若い子でも関係なく誰にでも似合うじゃない。こんなアイテムはほかにはないと思うの」。
自分の原点に戻って、幼児体験の記憶に出てくる光景を基に構成した『24年春夏コレクション』には、島田さんが昔も今も変わらない、ずっと好きなものが詰まっているのです。
24年春夏コレクションで制作工程に最も時間がかかったと語るストライプのスカートをはく島田さん。細くカットしたグログラン生地をパッチワークのようにして組み合わせたもの。
[Bourron Marlottte]ブーロンマーロットの家
島田さんのクリエイションの泉となっているブーロンマーロットの家は、18世紀に建てられ、作曲家のジュール・マスネも所有していたことがある、アカデミックなストーリーのある館。
島田さんが大好きな作家オスカー・ワイルドが投宿したこともある風格のある家の外観。
庭の真ん中に鎮座する、この家のシンボルツリー・マロニエ。
庭のあちらこちらに点在する椅子。
マリー=アニエスさんの家族、大型犬のナナも大喜び。
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