毎年、3月22日は「世界水の日(World Water Day)」です。世界人口の半数の家には安全に管理された衛生設備がなく、4分の1は安全な飲料水を利用できず、3分の1近くは水とせっけんを備えた手洗い場が自宅にないと言います。「世界水の日」はそういった事実を踏まえ、淡水資源管理の促進への人々の意識を啓発し、各国の行動につなげるため、1992年に国連総会で制定されました。今回は「世界水の日」について、また、日本の「水の日」について解説します。

【目次】

「国際デー」のひとつです。
「国際デー」のひとつです。

【「世界水の日」とは?押さえておきたい「基礎知識」】

■「何の日」なの?

「世界水の日」は「国際デー」のひとつ。「国際デー」とは、毎年定められた日に、特定の事案に対して特に重点的な問題解決を全世界の団体・個人に呼びかけるために、国際機関によって定められた記念日です。「世界水の日」は、深刻な水不足や水質汚濁の問題など、水資源の重要性についての理解と関心を深め、各国の行動につなげるため、1992年12月の国連総会で制定された「国際デー」です。

■いつ?

「世界水の日」は毎年3月22日です。

■英語表記は?

英文表記は〔World Water Day〕です。


【何をする日?】

現在、「世界水の日」は、2015年9月に採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標6――「2030年までに誰もが安全に管理された『水と衛生』を手に入れる」ことの達成に向け、アクションを取るための日でもあります。1992年の制定以降、世界中で毎年3月22日やその前後に、さまざまな催しやキャンペーンなどが行われています。「安心・安全な水と衛生へのアクセス」の実現は、水問題を解決するだけでなく、貧困や健康、福祉、ジェンダー平等、教育、食糧生産など、さまざまな問題の解決につながるのです。では具体的に、どのような取り組みがされているのでしょうか。

■世界のさまざまな国や地域では…

水の大切さを多くの人に知ってもらうための会議やセミナー、展示会などが開催されています。世界では、およそ21億人の人々が必要なときに自宅できれいな水を飲むことができず、また、およそ45億人もの人が安全に管理されたトイレを利用することができません。「世界水の日」はこうした水不足に悩む人々へ、どうしたら安全できれいな水を届けることができるのかを考えるきっかけとなる日なのです。

■国連が『洪水による被害の軽減ガイドライン(Guidelines for reducing flood losses)』を刊行

このガイドラインは国連経済社会局(DESA)、米国海洋大気庁(NOAA)、国連国際防災戦略(UNISDR)、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)および世界気象機関(WMO)による共同の取り組みとして、2004年にスイス開発協力庁の協力を得て作成されました。政策決定者にとってのマニュアルとして、一連の選択肢を提示しています。


【「水の日」「水の週間」って知ってる?】

■「水の日」「水の週間」って何?

「水の日」は、日本の法律である「水循環基本法(平成26年法律第16号)」により、水資源の有限性、水の貴重さ及び水資源開発の重要性について国民の関心を高め、理解を深めるため、昭和52年5月31日閣議了解によって制定されました。 毎年8月1日を「水の日」とし、この日を初日とする一週間を「水の週間」として、ポスターの掲示や講演会の開催等のイベントを全国的に実施します。

■なぜ8月1日?

日本において、夏のこの時期は年間を通じて水の使用量が最も多く、渇水時には水不足が生じることも少なくありません。そのため、この週間において水資源の有限性、水の貴重さ及び水資源開発の重要性に対する関心を高めることで、水不足をはじめとした、さまざまな水問題の解決を目指しているのです。

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世界的に見て、日本は水に恵まれた国土とされています。レストランで「無料の水」がグラスに注がれ提供されていることに、多くの外国人が驚くのもその表れです。私たちにとって「水」はあまりにも身近なもの過ぎて、普段はなかなか意識が及ばないかもしれませんが、世界では非衛生的な水と衛生に起因する疾病で、一日あたり1,000人もの5歳未満児が命を落としています。また、安全な水・衛生設備が整備されていないと、子どもたちも病気にかかりやすくなります。「世界水の日」そして8月1日の「水の日」を、改めて「水」について思いを巡らせる機会にしてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉プラス』(小学館) /unicef https://www.unicef.or.jp/news/2023/0048.html /水の週間実行委員会http://www.mizunohi.jp/intro/index.html :