「世界気象デー

【目次】

「世界気象機関(WMO)」により制定された国際デーです。
「世界気象機関(WMO)」により制定された国際デーです。

【「世界気象デー」とは?】

■「世界気象デー」ってどんな日?

「世界気象デー」は、「世界気象機関(WMO)」により制定された国際デーです。「国際デー」とは、毎年定められた日に、特定の事案に対して特に重点的な問題解決を全世界の団体・個人に呼びかけるために、国際機関によって定められた記念日。「WMO」は1951年より、国連の専門機関として、気象や気候、水に関する権威のある科学情報を提供しています。そして「世界気象デー」は、気象業務への国際的な理解促進を目的に定められました。

現在、WMOの加盟国は191か国。日本は1953年に加盟しました。そして、気象庁が気象衛星ひまわりの運用や観測、通信、熱帯低気圧、気候などのさまざまな分野に関するWMOの地区センターの運用を通じて、各国の気象業務を支援するための情報提供や技術協力などを行っています。

■「国際気象デー」の英語表記は?

[World Meteorological Day]です。

■2024年のテーマは?

地球の気候変動は、今や私たちの文明全体にとってリアルな脅威となっています。その影響はすでに現実として現れており、私たちが今、行動しない限り、取り返しのつかない事態になってしまう…WMOはこう訴えています。危機感の表れは、今年のテーマ「気候変動対策の最前線」にもWMOは3月21日(木)にスイス・ジュネーブの本部で記念セレモニーを開催しました。

■「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標13

2015年9月に採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の17の目標のひとつである目標13「気候変動とその影響と戦うために緊急の行動を取る」ことの達成には、WMOコミュニティーの活動が不可欠です。WMOに加盟する世界各国の国家気象機関は、警報・注意報をはじめとした気象・気候情報を提供することにより、防災や飢餓・貧困の削減、健康の増進に貢献し、各国での気候変動対策の最前線を担うことが期待されています。


【日にちが決まった「理由」は?】

■日にちの由来は?

WMOは、「世界気象機関条約」が1950年3月23日に発効されたことを記念して、発足から10周年を迎えた1960年に、毎年3月23日を「世界気象デー(World Meteorological Day)と定めました。「世界気象機関条約」はWMOの前身となる政府間組織、国際気象機関(International Meteorological Organization: IMO)が発展的に解消し、新たにWMOとして設立された際に採択されました。いわば、WMOの誕生日です。

■2024年の世界気象デーは「いつ」?

「世界気象デー」は毎年、3月23日で、変動はありません。


【日本でいちばん「寒かった日」と「暑かった日」は?】

気象庁は、日本全国の各地点における観測史上1位の値を使って、ランキングを作成しています。

■いちばん「寒かった日」は?

「日本でいちばん寒い日」を観測したのは……皆さんの予想通り、北海道です。1902年1月25日に、旭川で「-41.0℃」が観測されています。次点に帯広の「 38.2」(1902年1月26日観測)、江丹別(えたんべつ)の「 -38.1℃」(1978年2月17日観測)と続きます。ちなみに、一般的な冷凍庫は、-20℃から-18℃。そして南極の冬の平均気温は-20℃。冷凍庫よりはるかに低く、一時的には南極をしのぐほどの寒さです。

■いちばん「暑かった日」は?

日本で「暑い地域」というと、沖縄を思い浮かべる人は多いのでは? 確かに、日本列島はそのほとんどが温帯に属していますが、沖縄は亜熱帯気候。でも実は、沖縄は35℃以上の猛暑日になることは珍しいのです。「日本でいちばん暑い日」が観測されたのは、静岡・浜松で 2020年8月17日の「41.1℃」と、埼玉・熊谷の「41.1℃」( 2018年7月23日観測)が同率1位です。3位には岐阜・美濃の「41.0℃」(2018年8月8日観測)が続きます。人によっては体温を5度以上も上回る、すさまじい暑さですね!


【「世界でいちばん」寒かった日と暑かった日は?】

では、「世界でいちばん寒い日」「世界でいちばん暑い日」は、それぞれ何度だったのでしょう。

■「寒かった日」は?

「世界でいちばん寒かった日」は、なんと日本が南極につくった基地で記録されています。2010年8月10日、南極東部のヴァルキリー・ドーム[Valkyrie Dome]、別名ドームふじ基地の近くの尾根が-93.2℃まで下がっていたことがわかり、NASAとアメリカ地質調査所(USGS)が2013年には発表しました。この記録は、USGSの地球観測衛星ランドサット8号の最新データと、ほかの宇宙の各種気象観測機器で蓄積した過去32年間の情報を解析して判明したもの。それまでの世界の最低気温記録は「-89.2 °C」。 1983年7月21日に南極東部にあるソビエト連邦(当時)のボストーク基地で記録したものとされていましたが、さらに低い数字です。-30度にもなると、吐いた息が凍ってしまうそうですから、想像をはるかに超えた寒さ(?)ですね!

■「暑かった日」は?​

地球上での観測史上最高気温は、1913年7月10日にアメリカ・カリフォルニア州の砂漠地帯にあるデスバレー(死の谷)で記録された「56.7 °C」です。 今から約110年前に観測された数値のため、正確な気温かどうかの議論もありますが、目下のところWMOにより承認された世界最高気温です。

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毎年3月の23日は「世界気象デー」です。地球温暖化の影響で地球全体の気温が上昇していると言われ久しいですが、今後もますます、干ばつや極端な大雨など、気候変動が激しくなると予想されています。今年のテーマは「気候変動対策の最前線」。私たちひとりひとりが地球の将来を考えていく必要があります。

この記事の執筆者
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参考資料:国土交通省 気象庁「世界気象デーについて」https://www.jma.go.jp/jma/kokusai/kokusai_wmd.html「歴代全国ランキング」https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/rankall.php /国際連合広報センターhttps://www.unic.or.jp/info/un/unsystem/specialized_agencies/wmo/ /World Meteorological Day 2024https://wmo.int/site/world-meteorological-day-2024 :