3月31日は「オーケストラの日」。これは日本全国の36のプロ・オーケストラが加盟する、公益社団法人日本オーケストラ連盟により制定されました。そして、毎年3月31日には、全国各地、それぞれの地域で工夫を凝らした 「オーケストラの日」のイベントが開催されています。なぜ3月31日なのでしょう。今回は「オーケストラの日」について。オーケストラにまつわる雑学も解説。最後まで読んでいただければ、オーケストラに関する基礎知識はバッチリです!

【目次】

オーケストラは一般に「管弦楽団」と訳されます。
オーケストラは一般に「管弦楽団」と訳されます。

【「オーケストラの日」ってどんな日?】

■「オーケストラの日」はいつ、誰が決めたの?

毎年3月31日は「オーケストラの日」です。2007年に、公益社団法人日本オーケストラ連盟によって制定されました。

■どんな日?

「オーケストラの日」制定の目的は、「ひとりでも多くの方々に、オーケストラを身近に、親しみを感じてもらうこと」。そのため、各地でコンサートが行われているほか、日本オーケストラ連盟主催の「オーケストラの日」という音楽祭が東京・上ので開催されています。2024年のコンサートでは、首都圏のプロ・オーケストラ13楽団より集まった楽員による演奏が行われました。チケットは完売の大盛況。また、0歳児から鑑賞可能なミニコンサートも企画されています。


【「日にち」が3月31日なのはなぜ?「理由」はあるの?】

■日にちの決定は語呂合わせから!

「オーケストラの日」の日にちは、語呂合わせからきています。全国のオーケストラが数年にわたり検討した結果、「ミミにイチばん、3月31日」にたどり着いたそうです! この時期は春休み期間中でもあるため、親子揃ってイベントに参加しやすいことも理由のひとつであるようです。


【オーケストラにまつわる「雑学」5選】

そもそもオーケストラって?

『世界大百科事典』によれば、「オーケストラ」の定義は「弦楽器、管楽器、打楽器、鍵盤楽器そのほか、さまざまな楽器を組み合わせた大規模な合奏および合奏団」、「管弦楽団」です。室内楽や特殊な編成のバンドとは区別して用いられます。日本オーケストラ連盟はそのホームページで「オーケストラとは、この世に存在する一番大きな楽器だと考えてください。ピアノやヴァイオリン、フルートやトランペットなどは、その楽器の持つ特徴的な音によりいろいろな音楽を創り出しますが、ひとつの楽器ではその表現に限りがあります。オーケストラはいろいろな楽器を揃えているので、その表現の可能性には限りがありません」と説明しています。素敵ですね!

■オーケストラの主要な楽器

オーケストラには、例えば弦楽器であれば、ヴァイオリンからヴィオラ、チェロ、コントラバスまで、高い音から低い音まで幅の広い音を出せる楽器が揃っています。管楽器なら、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットそしてホルン、トランペット、トロンボーン、テューバと、それぞれ特徴のある音の出る楽器が用意されています。弦楽器・管楽器に加え、大きな音の出せる打楽器、ティンパニー、シンバル、銅鑼(どら)、大太鼓、小太鼓など、さらにピアノやハープまでが揃う、まさに音のデパートといえますね。

■オーケストラって、いつからあるの?

オーケストラが誕生したのは、18世紀半ばのヨーロッパです。すでに250年以上の歴史があるのですね。その間、ベートーべンやモーツァルトなどによる「音で描いた世界観、人生観」ともいえる交響曲をはじめ、チャイコフスキーやラヴェル、ストラヴィンスキーの自然や民族の心を映した管弦楽曲や、舞踊のためのオーケストラ曲など、数え切れないほど多くのオーケストラ曲が生まれてきました。

■オーケストラの語源は?

「オーケストラ」の語源は、ギリシア語の[orkhēstra]。古代ギリシアの劇場で、舞台とそれを囲むように設置された観客席との間にできた円形または半円形の場所を指しています。このスペースで舞踊や器楽、合唱が行われたため、のちに近代の劇場の「平土間席」の呼称の元になりました。また、オペラの上演に見られるように、舞台と観客席の間で演奏する器楽奏者のグループにもこの言葉が適用され、のちにこの器楽奏者のグループがオペラから独立して演奏する場合にも、「オーケストラ」と称されるようになったといわれています。日本では明治時代に雅楽の用語を用いて、「管弦楽」と訳されました。

■日本三大オーケストラとは?

公益社団法人日本オーケストラ連盟の発足は1990年7月。現在では全国の36のプロフェッショナル・オーケストラの加盟を得て、日本におけるオーケストラ音楽の振興と普及のための活動を行っています。なかでも、東京を拠点とするNHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京都交響楽団がビッグ・スリー、御三家といわれるオーケストラです。また、日本でいちばん歴史のあるオーケストラは東京フィルハーモニー交響楽団で、1911(明治14)年の創立です。

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音楽は私たちの暮らしを彩り豊かにしてくれます。いつもはイヤホン越しに聞くことが多い音楽ですが、たまには大きなホールにオーケストラによる演奏を聴きにいってみてはいかがでしょうか。五感が冴えわたり、新たなインスピレーションを得ることができるかもしれません!

この記事の執筆者
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参考資料:『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /『世界大百科事典』(平凡社) 公益社団法人日本オーケストラhttps://www.orchestra.or.jp 「オーケストラの日」https://www.orchestra.or.jp/orchestraday2024/ :