【目次】

オーケストラの日とは?「由来」と「意味」

■「オーケストラの日」はいつ、誰が決めた?

3月31日は「オーケストラの日」です。日本全国のプロ・オーケストラが加盟する、公益社団法人日本オーケストラ連盟により2007年に制定されました。

■なぜ3月31日?日付の由来

「オーケストラの日」の目的は、「ひとりでも多くの人に、オーケストラを身近に、親しみを感じてもらう」こと。そこで「3(耳)」に「1(いちばん)」の語呂合わせから3月31日を「オーケストラの日」としました。

■何が行われる?2026年は特別な「オーケストラの日」

毎年この日には全国各地でコンサートが行われたり、工夫を凝らしたイベントが開催されています。首都圏では、全13楽団が特別なオーケストラを編成してのコンサートも。「オーケストラの日」は、オーケストラの演奏やクラシック音楽になじみがない人や、小さな子供から高齢者まで一緒に楽しめるよう、どこかで聞いたことがあるメロディや軽快なテンポ、壮大な響きなど、親しみやすい曲を中心に演奏されるのだとか。

2026年は日本オーケストラ連盟35周年を記念して、加盟している全国プロ・オーケストラ40楽団から奏者が大集結! 日本を代表する4名の指揮者がタクトを振るという特別なコンサートが開催されます。


オーケストラとは?基本をわかりやすく解説

そもそもオーケストラって?

『世界大百科事典』によると「オーケストラ」は「弦楽器、管楽器、打楽器、鍵盤楽器その他、さまざまな楽器を組み合わせた大規模な合奏および合奏団」を意味するとのこと。室内楽や特殊な編成のバンドとは区別して用いられます。日本オーケストラ連盟はそのホームページで「オーケストラとは、この世に存在する一番大きな楽器だと考えてください。ピアノやヴァイオリン、フルートやトランペットなどは、その楽器の持つ特徴的な音によりいろいろな音楽を創り出しますが、ひとつの楽器ではその表現に限りがあります。オーケストラはいろいろな楽器を揃えているので、その表現の可能性には限りがありません」と説明しています。素敵ですね!

■オーケストラの語源は?

「オーケストラ」の語源は、ギリシア語の[orkhēstra]。古代ギリシアの劇場で、舞台とそれを囲むように設置された観客席との間にできた円形または半円形の場所を指しています。このスペースで舞踊や器楽、合唱が行われたため、のちに近代の劇場の「平土間席」の呼称の元になりました。また、オペラの上演に見られるように、舞台と観客席の間で演奏する器楽奏者のグループにもこの言葉が適用され、のちにこの器楽奏者のグループがオペラから独立して演奏する場合にも、「オーケストラ」と称されるようになったといわれています。

日本では、明治時代に雅楽の用語を用いて「管弦楽」と訳されました。


オーケストラの編成と楽器の種類】

弦楽器であれば、ヴァイオリンからヴィオラ、チェロ、コントラバスなど、高い音から低い音まで幅の広い音を出せる楽器が揃っています。

管楽器なら、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットそしてホルン、トランペット、トロンボーン、テューバと、それぞれ特徴のある音の出る楽器が用意されています。

この弦楽器・管楽器に加え、大きな音が出せる打楽器、ティンパニやシンバル、銅鑼(どら)、大太鼓、小太鼓などが音に厚みを加え、さらにピアノやハープまで揃うのがオーケストラ。まさに音のデパートといえますね。


オーケストラの魅力と楽しみ方】

■魅力

オーケストラによる演奏の魅力は、なんといっても圧倒的な音の厚みと繊細さが同居しているところ。特に室内会場での生演奏は、空気が震えるような迫力や響きを感じることができます。

指揮者の振りに合わせ、何十人、ときには100人を超える奏者が息を合わせる共同作業。同じメンバーで同じ曲でも、二度と同じ演奏はない――これがオーケストラによる生演奏の醍醐味なのです。

■楽しみ方

コンサートやイベントなどでオーケストラの生演奏を聴く機会があったら、下記のような点にも注目して楽しんでみてはいかがでしょう。

・予習する:オーケストラのコンサートは、事前に演奏される曲目がわかることも多いもの。作曲者や曲の背景などほんの少しでも知っておくと、演奏がぐっと身近に感じられるかもしれません。オーケストラの演奏の中心となるクラシック音楽には、交響詩などストーリーがあるものも。シーンを想像しながら聞くと、長い曲でも没入することができるかもしれません。

・指揮者を観察する:大きく全身を使って情熱的に振る指揮者がいたり、とても細やかに奏者に指示を出す人も。指揮者がどのように演奏をコントロールしているのか、その後ろ姿を観察するのも面白いものです。

・楽器に注目:ヴァイオリンやフルートなどメロディを奏でることの多い楽器だけでなく、合いの手的に重低音を響かせるチューバやコントラバス、ここぞという場面で打ち鳴らされるティンパニなど、奏者の動きと音が一致する瞬間を探してみてください。「今だ!」と探し当てられたら楽しいですよ。



【初心者におすすめのクラシック音楽】

「クラシック音楽は聴かない…」と思っている人でも、実はテレビコマーシャルや番組のBGMなどで耳にしているはず。初心者ほどなじみのある曲から入りたいクラシック音楽の、おすすめをご紹介します。

■ホルスト作曲:組曲『惑星』より「木星(ジュピター)」

平原綾香さんのデビュー曲『Jupiter』の原曲として知られるのが、ホルスト作曲の『木星』。2003年当時の日本の著作権法では没後50年で著作権が切れたため(現在は没後70年)、この曲に日本語の歌詞をのせたオリジナル楽曲として発売されました。壮大で美しい旋律が親しみやすく、初心者にも入りやすい名曲です。

■ヴィヴァルディ作曲:協奏曲『四季』より「春」

誰もが知る名曲! 春の訪れだけでなく、何かが始まりそうなわくわく感を高めてくれる明るい曲調。そのなかに、小鳥のさえずり、そよ風、突然の嵐など、自然の情景が見事に表現されています。花の甘い香りまで漂ってくるような楽曲です。

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日本におけるオーケストラ文化】

■オーケストラって、いつからあるの?

現在のような近代オーケストラの形が整っていったのは、18世紀のヨーロッパだとされています。すでに250年以上の歴史があるのですね。その間、ベートーべンやモーツァルトなどによる「音で描いた世界観、人生観」ともいえる交響曲をはじめ、チャイコフスキーやラヴェル、ストラヴィンスキーの自然や民族の心を映した管弦楽曲や、舞踊のためのオーケストラ曲など、数え切れないほど多くのオーケストラ曲が生まれてきました。

■日本三大オーケストラとは?

公益社団法人日本オーケストラ連盟の発足は1990年7月。現在では全国40のプロフェッショナル・オーケストラの加盟を得て、日本におけるオーケストラ音楽の振興と普及のための活動を行っています。なかでも、東京を拠点とするNHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京都交響楽団はビッグ・スリー、御三家といわれ、首都圏の主要団体として広く知られています。また、日本でいちばん歴史のあるオーケストラは東京フィルハーモニー交響楽団で、1911(明治44)年の創立。

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音楽はどんなジャンルのものでも、暮らしを彩り豊かにしてくれるもの。いつもはKポップをイヤホンで聴いている人も、「オーケストラの日」をきっかけにクラシック音楽に触れてみては? 何万人も収容するドームやアリーナでの熱狂もいいですが、クラシック音楽に適したホールで味わうオーケストラの生演奏も、また格別です。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/『世界大百科事典』(平凡社)/『デジタル大辞泉』(小学館)/日本オーケストラ連盟( https://www.orchestra.or.jp/ ) :