「仲間意識」とも言い換えられる「連帯感」は、チームスポーツにとってはもちろん、数人がタッグを組んでプロジェクトを進めるビジネスにおいても、必要不可欠な要素です。今回は「連帯感」について、その意味や使い方がわかる例文、英語表現などを解説します。

【目次】

「連帯感」は仲間同士に生まれます。
「連帯感」は「仲間」同士に生まれます。

【「連帯感」はどういう「意味」?「一体感」との「違い」は?】

■意味

「連帯感」とは「仲間同士で同じ気持ちをもっているという感情」を指します。「同じ仲間であるという意識」のことですね。例えば、ラグビーやサッカー、バレーボールなど、チームで戦うスポーツにおいて、「連帯感」はなくてはならないもの。チームが一丸となることで得られる高揚感や安心感、そして「勝つ」という共通の目標に向かって切磋琢磨し、結果として得られる達成感は、格別なものと言えるでしょう。ビジネスにおける「連帯感」は、例えば「プロジェクトチーム」のように、メンバーが同じ目標を掲げ、その達成のために協力して業務を進めることを意味します。特に「プロジェクトチーム」の名称がなくとも、同じ部内や課内に所属する社員同士、「自分が所属する会社に利益をもたらす」という目標は共通。円滑に仕事を進めるうえで「連帯感」は欠かせません。

■「一体感」との違い

「一体感」とは「ひとつにまとまったと感じること。グループやその場にいる人々の気持ちや考えがひとつにまとまること」。『デジタル大辞泉』では「一体感」を使った例文として、「観客との間に一体感が生まれる」を挙げています。例文で略されているのは「舞台上の演じ手」であり、「一体感」は「演じ手と観客」の間に生まれています。演じ手と観客は同じ空間と時間を共有していますが、「仲間」ではありませんね。ここからもわかるように、「一体感」は仲間同士に限らず、その場にいる人々の気持ちやムードがひとつになっているという感覚のことです。一方の「連帯感」は、「仲間同士で同じ気持ちをもっている」という感覚や感情を表しています。


【「使い方」がわかる「例文」5選】

「連帯感」の意味がイメージとしてつかめましたか? より深く理解するために、例文をチェックしてみましょう。

■1:「彼らは共通の目標を日々確認し合うことで、連帯感を高めてきた」 

■2:「全員が目指すべき目標を明確にしないと、チームが連帯感をもつのは難しい」

■3:「ある調査では、“社内の連帯感が欠けることによる最大のデメリットは離職率の上昇である”という結果が出ている」

■4:「社員同士のコミュニケーションを意識して増やすことは、連帯感をつくり出すことに繋つながる」

■5:「連帯感のある職場は、社員のモチベーションが高いという特徴がある」


【「類語」「言い換え」表現】

「連帯感」をもっとわかりやすい表現に置き換えてみましょう。

■仲間意識

■帰属意識

■チームワーク

「連帯感がある」状態は「一丸となった」「まとまった」「統制が取れた」「一枚岩の」「固い結束の」などの言葉で言い換えが可能です。


【「英語」で言うと?】

「連帯」を表現する英単語は[solidarity]です。

・There is a sense of solidarity among them.(彼らの間には一種の連帯感がある)

また、[a feeling of  membership]や[a sense of togetherness][a sense of unity]なども使えます。

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多様性が尊重される現代においては、「考え方も働き方も、人それぞれ違って当然」と多くの人が受け止めています。そこには、ひとりひとりのあり方や考え方が尊重され、独創的なアイディアの誕生などメリットがある一方で、「連帯感」が生まれにくいという側面もあるようです。多様性を阻害する「連帯感」は問題ですが、仕事がしやすく風通しのよい職場環境に「連帯感」は不可欠。価値観の違いを尊重しつつ、よい意味で「連帯感のある」オフィスの雰囲気をつくっていきたいものです。

この記事の執筆者
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参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)) :