温泉旅行の目的地として真っ先に候補に挙がりやすい草津。2023年度には観光客数が過去最多の370万人を記録するなど、ますます活況を呈する草津について、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんはこう話します。

「草津の魅力を一言で表すならば、“進化し続ける温泉街”。自然湧出量日本一を誇り、古くからたくさんの人々の心と体を癒し続けてきましたが、2018年から再開発が進められ、より幅広い層が楽しめる魅力溢れるまちへと変わりつつあります。古き良き温泉街の風情は残しつつ、新しい観光スポットも次々と生まれており、新旧融合の多彩な表情をもつ草津。不動の人気も納得です」(植竹さん)

そんな注目度大の草津には、湯宿が約180軒もあるといわれます。そのなかからPrecious.jp読者におすすめの宿5軒を植竹さんにピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは2019年8月にオープンした「草津温泉 源泉一乃湯」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

唯一無二の自家源泉を備えた湯宿に「暮らすように泊まる」

草津の玄関口「草津バスターミナル」から徒歩3分。温泉街の中心・湯畑にも程近いロケーションにある「草津温泉 源泉一乃湯」は、“暮らすように泊まる”をコンセプトに掲げる素泊まり専用のカジュアルな宿です。

源泉一乃湯の正面玄関
格子造りが目を引く「源泉一乃湯」。

「築100年を超える旅館をリノベーションした重厚感ある外観とは裏腹に、館内は和モダンと北欧テイストが融合したおしゃれな空間。至るところにソファやチェアを配した休憩スペースもあります。

素泊まり専用宿なので、近隣の飲食店でご当地ならではのグルメを味わうもよし、テイクアウトするのもよし。また客室のなかにはミニキッチンの付いたタイプもあり、食材を用意して自炊することも可能です。宿の食事時間に縛られず自由なスケジュールで旅を楽しめるのもこのお宿の醍醐味だと思います」(植竹さん)

源泉一乃湯のロビーラウンジ
モダンな雰囲気のロビーラウンジ。

「こちらの宿では“湯畑源泉”と“新地蔵源泉”の2つの源泉を使用しており、私が特に惹かれたのは新地蔵源泉。というのも、新地蔵源泉は敷地内の地下から湧いており、『源泉一乃湯』でしか浸かれない貴重な湯なんです」(植竹さん)

源泉一乃湯の貸切風呂
宿独自の新地蔵源泉を引いた貸切風呂が館内に5つある。

「新地蔵源泉を引いているのは一部の客室と貸切風呂のみ。せっかくの機会なので、この宿独自の新地蔵源泉をぜひ堪能されることをおすすめします。実際に貸切風呂に入ってみたたところ、こぢんまりした浴槽にかけ流されるぬるめの湯が実に心地よく極楽気分に!

泉質は、酸性-含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉で、さまざまな成分がブレンドされたマルチビタミンのような湯が、肌と体にしみわたり程よく喝を入れてくれた感があります」(植竹さん)

源泉一乃湯の大浴場
「源泉一乃湯」の大浴場。

「大浴場の湯は湯畑源泉から引いており、酸性泉ながらマイルドな浴感に癒されます。こちらでは浴槽があつ湯とぬる湯の2層に分かれており、入り比べを楽しむこともできました」(植竹さん)

「源泉一乃湯」の休憩スペース
湯上りにリラックスできる休憩スペースも充実している。

客室は10タイプ!お好みの部屋で自由気ままなステイを満喫する

“暮らすように泊まる”をコンセプトに掲げる「源泉一乃湯」は、居心地のよさも抜群だと植竹さん。

「私はシンプルな和モダンダブルの客室に宿泊しましたが、ひとりで寛ぐには十分な広さでベッドもふかふか。ミニキッチン付きや露天風呂付きなど部屋は10タイプあり、思い思いの過ごし方が叶えられる環境です」(植竹さん)

「源泉一乃湯」の露天風呂付きデラックスツイン
客室の一例。露天風呂付きデラックスツイン。
客室の露天風呂
客室で草津の名湯を独占できるのは贅沢の極み。

「ロビーの一画にあるバーカウンターもスタイリッシュで寛げる雰囲気。草津をイメージしたカクテルなどメニューも豊富です。私は甘いお酒よりも辛口派なのでウイスキーとオリジナルの塩レモンラーメンをオーダーし、ロビーの足湯スペースでのんびりいただきました」(植竹さん)

源泉一乃湯のバーカウンター
バーカウンター。ロビーのソファ席で飲食することも可能。
カクテルと塩ラーメン
カクテルも塩ラーメンも本格的。 ※メニューは時期や仕入れ状況によって異なります。

以上、「源泉一乃湯」をご紹介しました。濃厚でまろやかな「新地蔵源泉」に浸かれるのはここだけ! 自由気ままなステイで心身をリフレッシュしたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか?

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)