5月23日は「キスの日」です。その由来は…昭和の映画推しならピンとくるかも? 今回のテーマは「キスの日」。由来や世界の「キス・デー」やキスにまつわる雑学を紹介します。

【目次】

キスの日とは?日本では映画に由来する記念日です。
「キスの日」は、日本では映画に由来する記念日です。

【5月23日は「キスの日」。なぜ?いつから?「由来」】

■「キスの日」は「誰が」、「いつ」決めたの?

5月23日は「キスの日」。この日には、企業や団体などによる「キスの日」にまつわるイベントが開催されていますが、実は、誰がいつ、なんのために制定したのかについては不明です。日本で唯一の記念日認定登録機関である一般社団法人 日本記念日協会にも登録はありません。

■「キスの日」の由来は?

「キスの日」は、1946(昭和21)年5月23日に、日本で初めてキスシーンが撮られた映画『はたちの青春』(松竹 佐々木康監督)が公開されたことに由来しています。この映画のキスシーンは、ふたりの唇の間にオキシドールを染み込ませた小さなガーゼを挟んだうえで、実際に役者がキスをして見えるように、ガーゼがカメラに映らないよう注意深く撮影されたそうですが、映画館の大きなスクリーンに現れた、初めて見るキスシーンに劇場内の観客は騒然。連日映画館が満員となるほどの話題になったとか。


【7月6日の「世界・キスデー」とは?】

実は「キスの日」は日本だけでなく世界中に存在し、国によってさまざまです。そのため、5月23日が「キスの日」と聞いて違和感をもった人もいるかもしれません。それ以外の「キスの日」を見ていきましょう。

■7月6日は「世界キス・デー」

この記念日の起源はイギリスで、2006年に「インターナショナルキスデー」になりました。

■世界の「キス・デー」

インド:2月12日・13日
アメリカ:4月13日、9月8日​
ブラジル:4月13日
韓国:6月14日
オーストラリア:8月25日


【「キス」と「キスの日」にまつわる「雑学」5選】

■映画『はたちの青春』にキスシーンを導入したのはGHQだった?

『天皇と接吻 アメリカ占領下の日本映画検閲』(平野共余子著  草思社刊)には、「キスの日」の由来となった映画『はたちの青春』のキスシーンの描写は、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の指導によるものだったと書かれています。これは、感情表現を控えがちな日本人を、欧米流に意識改革するという思惑があったといわれています。

■キスシーンが最も印象に残る映画は?

フランス・イタリア合作映画『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989年公開 ジュゼッペ・トルナトーレ監督)は、「不朽の名作」といわれ、「美しいキスシーンといえば」で、必ず名前があがってくる作品です。映画好きの主人公が少年時代に出合い、仲良くしてもらっていた映写技師の訃報から、彼と、そして検閲が厳しかった当時の映画との思い出を振り返っていくというスタイルで物語が進み、ラストは…!という展開は号泣必須。美しいキスシーンの数々を堪能できるとともに、涙でデトックスも叶います。

■キスを研究する学問「フィレマトロジー」

キスを専門とする学問は「フィレマトロジー(philematology)」と呼ばれています。データによれば、カップルの間ではキスによって1000万個から10億個のバクテリアが受け渡しされるそうですよ!!

■「キスできれいになれる」のは証明済み

キスをすると「オキシトシン」という脳内物質が分泌されることが証明されています。「オキシトシン」は恋愛ホルモンや幸せホルモンと呼ばれ、分泌されることでストレスが軽減されたり、安心感が得られたりするもの。また、幸福感を高める「セロトニン」も分泌されます。感情が安定していて幸せ感溢れる人は、キラキラと輝いて見えます。「恋をすると女性はきれいになる」と言われますが、その理由のひとつは「キス」の効果なのかもしれませんね。

■花粉症にも効果あり! キスでアレルギー低減

2015年、ユーモアにあふれた科学研究などに贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式がアメリカマサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大で開かれ、大阪府のクリニック院長、木俣肇さんが医学賞を受賞しました。木俣さんが行った実験は、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎を患う被験者それぞれ数十人に、恋人や配偶者と30分間キスをしてもらうというもの。その結果、キスする前と比べ、ダニやスギ花粉に対する皮膚のアレルギー反応が大幅に抑えられたそうです。つまり「キスをすることで皮膚のアレルギー反応が低減する」ことが実証され、世界中の注目を集めました。

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この記事で「キスの日」の存在を初めて知った方も多かったのでは? しかも世界中に「キスの日」は数多く存在するのですね! この事実は、「キスは世界に平和をもたらす」ということの証明かもしれませんね。

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参考資料:『世界大百科事典』(平凡社) :
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