【目次】

【「小満」とは?「読み方」「意味」「由来」「いつ」「なぜ」を簡潔に解説】

■読み方

「小満」で「しょうまん」と読みます。

■何を表す?

「小満」は二十四節気のひとつで、「立夏(りっか)」の15日後、陽暦の5月22日ごろにあたります。この連載でたびたび出てくる二十四節気とは、中国・日本の太陰太陽暦で季節を調節していくために設けられた、太陽の通り道である黄道を24等分した季節の区分のことでしたね。1年の長さを冬至から始めて24等分し、各分点に太陽が通過するときの時候を表す名称を付けています。

■由来

「小満」は「万物が次第に長じて満つる」という意味。また、「草木が茂って天地に満ち始める」という意味もあります。

この時期は秋に蒔(ま)いた麦などの穂がつくころであるため、「小満」にはひと安心する(少し満足する)という気持ちが込められているのです。日本では古来より田畑を耕し生活の糧としており、特に昔は農作物の出来や収穫の有無は生死にかかわる大問題でした。そのため、順調に生育していることがわかる「穂」がつくということは、現代の私たちが想像する以上に喜ばしいことだったのでしょう。

「今のところは満足である」という意味から「小満」という名称が付いたようです。

■2026年の「小満」はいつ?

2026年の「小満」は5月21日(木曜日)です。正確には5月21日9時37分から、次の二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」を迎える6月6日0時48分前までが「小満」の期間になります。現在では、二十四節気はその初日を指して言うことが多いようです。


【 「小満」には何をする?「行事」「食べ物」「花」をわかりやすく紹介】

■行事

「小満」には節句のような全国的な伝統行事はありませんが、この時期にやるべき家事はズバリ衣替え! 洗濯業界では6月1日と10月1日を「衣替えの日」としてキャンペーンを行うことも。からりとした晴れが続いて気持ちがいい梅雨前の「小満」の期間中に、衣類の点検をしつつ衣替えを行うのがいいでしょう。なお、かつて養蚕が盛んだった長野県の佐久市では、五穀豊穣と商売繁盛を祈願する稲荷神社の「臼田小満祭(うすだこまんさい)」が開催されることでも知られています。

■食べ物

「小満」の時期に旬を迎える果物といえばさくらんぼです。さくらんぼは収穫後は追熟しないので、購入したら新鮮でおいしいうちにいただきましょう。そら豆やえんどう豆、らっきょうに青梅などもこの時期のもの。青梅と氷砂糖で手軽にできる梅シロップづくりに挑戦してみては? 魚では脂がのった鯵(あじ)がおいしい! 高たんぱくで低脂肪、代謝アップに効果的なビタミンB群も豊富です。全体的に丸みがあって、表面が銀色に輝いているものが鮮度がいいようです。鮎のシーズンも「小満」のうちに到来します。

■花

凛々しい杜若(かきつばた)や、愛らしいスズランがこの時期の花。バラやカーネーション、芍薬(しゃくやく)も、店頭で咲き誇っていますね。


【「小満」にまつわるあれこれ、雑談に役立つ豆知識】

二十四節気でよく知られているのは、「春分」「夏至」「秋分」「冬至」、さらには「立春」や「立夏」「立秋」「立冬」あたりでしょうか。今回の「小満」は「立夏」の次で、日に日に夏めく時期にあたります。「小満」にまつわる豆知識をご紹介しましょう。

■薄暑(はくしょ)

「小満」のころの暑さを表す言葉。早足で歩くとわずかに汗ばむぐらいの暑さを指します。

■走り梅雨

5月も下旬となれば、南の方から梅雨入りの声も聞こえてくるものです。ゴールデンウィークのころから気持ちのいい気候が続きますが、そんななかでもぐずついた天気が続くことも。本格的な梅雨に入る前に振る雨を「走り梅雨」と言います。

■麦秋(ばくしゅう/むぎあき)

「小満」の時期を表す季語に「麦秋」があります。穂をつけた麦の収穫を始める時期が「小満」と重なることから、「麦秋」は秋の季語ではなく「小満」と重なる初夏の季語なのです。漢字から受けるイメージとは違うので覚えておいてくださいね。


【「小満」が入る有名な俳句】

最後に、初夏の季語「小満」を使用した俳句と、「小満」の季節を詠んだ句として知られる一句を紹介しましょう。

■小満や後れし麦の山畑

明治に生まれ、大正・昭和と活躍した俳人・岡本圭岳の作。

■小満の月へ開けおく納屋の窓

俳人・黛執(まゆずみしゅう)氏の作品。長女は俳人の黛まどかさん。

■あらたふと青葉若葉の日の光

俳聖・松尾芭蕉が日光東照宮を訪れた際に詠んだ句。初夏のまばゆい太陽にきらめく青々とした緑と澄んだ空の光が連想され、生命の輝きの尊さを詠んだ句だと伝わりますね。

■麦嵐(むぎあらし)かならず暮るる一日かな

江戸時代を代表する俳人・与謝蕪村の作。「麦嵐」は麦の穂を揺らす初夏の激しい風を指します。

■あをあをと夜をあつめたる薄荷(はっか)かな

2020年に「俳壇の芥川賞」と呼ばれる角川俳句賞を、21歳という史上最年少で受賞した俳人・岩田奎さんによる現代俳句。

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梅雨前の「小満」の時期が、1年でいちばん好きだという人も多いのではないでしょうか。「しょうまん」という読み方は、ぜひ覚えておいてくださいね。1年を24等分した二十四節気にふさわしい風物に気を留めると、その1年をとても豊かに過ごせるのではないでしょうか。

この記事の執筆者
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参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/『デジタル大辞泉』(小学館)/『12か月のきまりごと歳時記(現代用語の基礎知識2008年版付録)』(自由国民社)/『日本文化いろは事典』(シナジーマーケティング) :