夏旅といえばリゾートが定番ですが、新たな体験を求めている人におすすめなのが、温泉付きのオーベルジュ。オーベルジュとは、宿泊施設を備えたレストランのこと。温泉付きのオーベルジュでは、シェフがその土地の食材を使って腕を振るう美食に感動しつつ、心と体を解きほぐす名湯も満喫できてしまいます。

いわゆる温泉旅館とは一線を画す、夢のような滞在を叶えてくれる名宿を、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんにピックアップしてもらいました。

今回ご紹介するのは、三重県鳥羽市にある「伊勢志摩 TEPPANオーベルジュ CaroCaro 鳥羽浦別邸(いせしま てっぱん おーべるじゅ かろかろ とばうらべってい)」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

ジューシー&クリーミーな岩牡蠣をオーベルジュで満喫!

伊勢神宮から車で約30分。鳥羽十景「麻生(おう)の浦大橋」のたもとに佇む「伊勢志摩 テッパン オーベルジュ カロカロ 鳥羽浦別邸」は、総部屋数わずか6室の静かな温泉旅館。中学生未満は宿泊不可で、伊勢志摩の海の幸をふんだんに使用した美食を堪能できる大人のためのオーベルジュです。なかでも強く印象に残っているのは、4月~8月限定の夏の味覚“岩牡蠣”だと植竹さんは話します。

岩牡蠣
プリっとしてジューシーな岩牡蠣は悶絶級のおいしさだと評判。現在の鉄板焼きコースでは牡蠣料理は一品。事前予約で追加も可能。

「新鮮な岩牡蠣にレモンを添えて頬張ると口の中でぷりっと弾けるかのような食感で、みずみずしい味わいがたまりません。これを食べるためだけでもわざわざ来た甲斐があったと感動ものでした」(植竹さん)

鉄板焼き
目の前で伊勢海老や鮑、黒毛和牛などを焼き上がるライブ感も食欲をそそる。
伊勢海老
伊勢海老の鉄板焼き。 ※提供メニューは季節や仕入れ状況により異なります。

「鉄板焼きがメインのオーベルジュですが、私が訪問した際にはお造りも出て新鮮そのもの。地の利を生かした夏のごちそうを十二分に満喫できた感があります。

もともと料理の評判が高い宿ということでディナーを楽しみにしていたのですが、地元産の旬の素材がシェフの腕で絶妙に旨味が引き出されており、期待を超える非日常な食体験を叶えることができました。夏の岩牡蠣にも大満足ですが、冬の真牡蠣もさぞ…。季節ごとのグルメを求めて訪れたくなるのはオーベルジュならではだと思います」(植竹さん)

「伊勢志摩テッパンオーベルジュ カロカロ 鳥羽浦別邸」料理の一例
伊勢志摩ならではのお造りや目にも鮮やかなデザートも…。 ※提供メニューは季節や仕入れ状況により異なります。

全客室に温泉付き!プライベートな湯浴みで心身共にリフレッシュ

こちらの宿は、2024年3月にリニューアルしたばかり。リニューアル後は、6つの客室全てに温泉が付き、よりプライベートな空間で湯浴みを楽しめるようになりました。

客室の露天風呂
302号室のデッキ付き温泉露天風呂。

客室はそれぞれ造りが異なる個性溢れる空間。例えば、海が望めるテラス付きの部屋、窓から麻生ノ浦湾を眺められる部屋、檜の浴槽がゆったりサイズの部屋など、ゲストのこだわりポイントを押さえた客室で心を解きほぐす旅時間を満喫することができます。

客室から海を眺める。
客室から海を眺める。

また、客室の温泉以外に、館内に2か所の貸切温泉露天風呂「風雅の湯」「花野の湯」も。1回50分の予約制で宿泊客は無料で利用できます。

貸切温泉露天風呂「風雅の湯」
貸切温泉露天風呂「風雅の湯」。
貸切温泉露天風呂「花野の湯」
貸切温泉露天風呂「花野の湯」。

「貸切温泉露天風呂では、浴槽の傍らに小さな日本庭園のようなスペースがあり、季節の緑に目を楽しませながらゆっくり温泉に浸かれるのが風流。Ph値9.5のとろみのある優しい浴感の湯に包まれてリラックスでき、心なしか肌もツルっとした気がします。やや熱めの湯で、さっぱりと心地よい汗を流し、湯上りには爽快感がありました」(植竹さん)


以上、「伊勢志摩 テッパン オーベルジュ カロカロ 鳥羽浦別邸」をご紹介しました。新鮮な岩牡蠣をはじめとする旬の海の幸に舌鼓を打ち、客室や貸切の温泉で心身を癒したい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)