「雪洞(〇〇〇り)」…なんと読む?女の子は幼いころからおなじみです!
明日・6月14日は、文豪・川端康成の生誕日です。川端康成は、1899(明治32)年のこの日に生まれ、1972(昭和47)年に72歳で亡くなる直前まで、作品にたずさわり続け、日本の文学賞や勲章のみならず、ノーベル文学賞を受章したことでも名高い偉人です。代表作の『雪国』や『伊豆の踊子』など、国語の教科書で親しんだ、という方も多いでしょう。…ということで本日は川端康成の作品名にちなんで、「雪」「踊」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「雪洞(〇〇〇り)」…なんと読む?
「雪洞」という日本語の読み方として正しくなるよう「〇〇〇り」の○にそれぞれ、かな1文字ずつ入れて完成させてください。
ヒント:明かりをともすための灯火具の一種の名称で、灯をともす部分には、紙や絹張りのおおいが付いています。
<使用例>
「子どものころ、雛人形セットの雪洞(〇〇〇り)をおままごとに使って、母に叱られたことがあるわ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 雪洞(ぼんぼり) です。
「雪洞(ぼんぼり)」…柄と台座の付いた小さな行灯(あんどん)のことで、女の子には、雛人形のしつらえとして、幼いころからおなじみですね。「ぼんぼり」という言葉は「ほんのり」から転化したものといわれており、はじめは、広い意味での灯火や、茶炉に付けたおおいなど、「紙や布に、火がほんのり透けて見える道具」を指した言葉だったようです。
さて、2問目は「踊」という字の入ったクイズです。
【問題2】「孑孑踊」ってなんと読む?
「孑孑踊」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「歌舞伎舞踊や歌舞伎狂言のなかで行われる踊りの振りの一種」の呼び名で、棒のように伸ばした体をくねくねとくねらせる踊りです。「孑孑」は、日本に昔からよく発生した、害虫の幼生の呼び名です。
<使用例>
「歌舞伎の『三社祭』に、孑孑踊が出てくるわよ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 孑孑踊(ぼうふらおどり) です。
「子ども」の「子」という字に似ていますが、3画目は、横棒ではなく、斜め上にはらう書き方の字です。字の意味に「ひとり」「ちいさい」などがあり、ぽつんと短く水に浮いている蚊の幼虫のイメージになぞらえてこの字があてられたのかもしれませんね。
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本日は、6月14日、文豪・川端康成の生誕日にちなんで、代表作のタイトルに入っている「雪」「踊」という字をピックアップし、
・雪洞(ぼんぼり)
・孑孑踊(ぼうふらおどり)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/『改訂新版世界大百科事典』(平凡社)/日本記念日協会ホームページ/歌舞伎座公式総合サイト歌舞伎美人ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱