架空の存在?執事サービスは実在する!

ドラマやアニメでなら見たことがあるけど、実際は見たことがない。そんな、遠い世界の存在である「執事」。身の回りのことをなんでも頼める、お姫様のような暮らしは「VIP限定」だと思う方がほとんどではないでしょうか? 

そこで今回は、実際に執事として働く方にインタビュー。サービスにかかるお値段は? 実際はどんなお願いができるの? など。気になる執事の実態について伺います。

自らが現役の執事でもあり、日本で唯一「執事サービス」を提供する会社「日本バトラー&コンシェルジュ」の代表でもある、新井直之さんが教えてくださいました。

実は、誰もが執事のサービスを受けることは夢じゃないのです!

■どんな要望にも応えてくれる、それが「執事」

本物の執事のお仕事とは?
本物の執事のお仕事とは?

−執事はどんなことでも叶えてくれる…。そんなイメージがありますが、実際はどのようなお仕事をしているのでしょうか? 

「バトラー(執事)とは、いわゆるお客様のよきパートナー。必要であればお客様に成り代わり、どんなご要望でも可能な限りお応えいたします。

家事代行や資産管理、邸宅・別荘の維持管理など。生活に関わるサポートや不在時の対応をします。もちろん、メイドや秘書、コックや運転手、家庭教師、ほかにお客様のお世話をする方の管理監督も、執事の役目です」

−アニメやドラマのイメージのように、なんでもしてくださるのですね。

「基本的にはそうです。オーダーを受けたらできる限り対応をさせていただきます。

例えば、海辺にある別荘をお持ちの方から『家の目の前に森があって海が見えないから、海が見えるように木々を切っておいてくれ』というご依頼をいただいたことがあります。敷地内にある木でしたら、いくら切っても問題ないのですが、他者の敷地にある木や国有地にある木を勝手に切るわけにはいきません。

そこでお客様の本当のニーズを確認したところ、木を切ることで、その先にある海を眺めることでした。そうであれば、別荘を2階に増築することで、海が見えることを確認し、増築をお客様に提案、了承をいただき、お客様の本当の要望を実現しました」

−すごい! やっぱりイメージ通りです。

「ただ、タキシードは着ていないことも多いです(笑)。普段は黒・紺系のスーツが多いですが、TPOに応じて着替えます。特にVIPのプライベートの場合は目立ちすぎないように、あえてカジュアルな服装を纏う場合もあります」

■気になるそのお値段は月額750万!1日からの利用もOK

執事サービスをオーダーするのはVIPだけ?
執事サービスをオーダーするのはVIPだけ?

−執事サービスは、ずばり、おいくらですか?

「24時間365日、3交代で執事を雇うと、月額は750万円(税別)になります」

−やはり高額ですね…。実際にオーダーされるのは、どんな方ですか?

「みなさまがご想像される通り、企業の創業家の御一族、資産家、富裕層、海外の資産家などのVIPが多いですね。ただし、一般の方からのオーダーを受けることもあります」

ーどんなオーダーが、一般の方からあるのか気になります。

「パーティーやイベント、結婚式などでは、ホスト役としてオーダーいただくことが多いですね。そのほかにも、ご高齢のご両親の旅行同行や単身で暮らすご両親の家事代行、チャイルドシッターやベビーシッターのオーダーもございます。

プロポーズのアレンジやお子様のお受験の調査、予約が取りにくい店の予約などのオーダーも、過去にはありました」

—プロポーズのアレンジとは?

「まず依頼主様に変わり、突然、当日の待ち合わせに執事が現れるところから始まります。その後、相手の方をお迎えのリムジンにお乗せして、プロポーズをする予定のレストランへ向かいます。また、そのレストランでは、プロポーズに合わせて、さまざまな演出や仕掛けを用意しています」

—予約の取りにくい店の予約はなぜとれるのですか?

「今までお互いお店側と仕事を通じて助け合ってきた信頼関係などにより、融通を聞いていただくことも多いのです」

—では、長期契約ではない場合は、いくらかかるのでしょうか?

「ホームパーティーや来客対応、旅行同行など、1日5時間以内は10万円(税別)からオーダーいただけます」

ーオーダーの流れを教えてください。

「当社はフルオーダーメイドサービスです。事前に面会もしくは、お電話でご要望をお聞かせいただき、そのうえで、お客様一人ひとりにあったメニューを作成し、ご提案いたします。内容に納得をいただきましたら、ご契約となりサービス開始になります」

■執事であれば、家族のように主人に一生お仕えできる

新井さんが執事サービスを始めた理由とは?
新井さんが執事サービスを始めた理由とは?

—最後に、数ある職業のなかで執事を選んだ理由を教えていただきたいです。

「営業職で大企業のトップの方の接待を経験するうちに、『その方にとって最適なサービスを提供する会社をつくりたい』と思ったのが、執事サービスの会社を立ち上げたきっかけです。

企業の役員の方は、3年で異動される場合も多いので、せっかく築いた信頼関係がリセットされてしまうのは寂しいな、と思うこともありました。執事であればその方に一生お仕えし、家族のような信頼関係が築けると思ったのです。お客様の手となり足となり、ひとりの方に貢献していく仕事は、とてもやりがいがあります」

ドラマやアニメでのイメージのように、自宅に常駐してもらうのは難しいですが、5時間で10万円ほどなら、執事のサービスを経験できます。その卓越したサービスで、記念日が一生の思い出に残るものとなることでしょう。特別な日のために、執事サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか?

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WRITING :
松崎愛香
EDIT :
高橋優海(東京通信社)