仕事をするにも遊ぶにも、まず必要なのは健康です。心身の健康は、お金では買えません。年齢が上がるにつれ、「毎日を元気いっぱい意欲的に送りたい」という思いは強くなっていくものです。

そんな健康維持に関しても、大富豪と呼ばれる人々の習慣に見習うべきヒントがある、とアドバイスするのが、自ら執事として大富豪に仕える傍ら、企業向けの富裕層ビジネスや講演、研修を行う新井直之さん(日本バトラー&コンシェルジュ株式会社社長)。

「お金を持てば持つほど、やりたいことや選択肢も増えてくる。それを全部楽しもうとすると、人生の時間を伸ばす必要があるのです。大富豪ほど、健康の大切さをよくご存じです」と新井さんが語る通り、大富豪の健康習慣には生涯を通して続けられる、合理的で費用対効果の高いものがいくつもあるのだとか。

そこで、大富豪をお手本に、私たちも生活に取り入れられる「投資する価値が非常に高い、健康維持の習慣」を5つご紹介します。

■1:病気に「なる前に」お金をかける

逆転の発想で医療費を低く抑える!

健康関連への出費というと、病気になった“後”にかかるお金が思い当たる人も多いのでは? 治療費はもちろんのこと、医療保険、がん保険などの掛け金も、病気になったときのための備えという性格が強いものです。

一方、大富豪と呼ばれる人々は、人間ドックやがん検診といった、病気になる“前”にお金をかける傾向にある、と新井さんはいいます。

「メディカルサロンに通っている方も多くいらっしゃいますし、医療保険などの掛け金とさほど変わらない金額で、普通の健康診断よりも、もう少し詳しい健診を頻繁に受けている方もいらっしゃいます。病気を予防していく方がコストパフォーマンスが高く、健康で長生きできるとお考えなのです」(新井さん)

そうした健康診断を毎月受けている富豪も少なくないそう。新井さん自身も「3か月に1回は健康診断を受けることにしています」とのこと。こまめに自分の体の健康状態を把握し、病気を早期に発見できれば、そのぶん医療費も低く抑えることができ、健康寿命を延ばすことにつながります。とても合理的で、見習いたい習慣です。

■2:とくに「歯のホワイトニング」にお金をかける

美しい歯が印象をよくし、コミュニケーションにもよい効果が!

では、そんな大富豪が特にお金をかけてケアするのは、体のどの部分でしょうか? 共通しているのは「歯」なのだそう。

「虫歯予防という目的ももちろんあるのですが、それ以前に『歯は万病のもと』とも言われるくらい、全身病につながる可能性が指摘されています。また、歯は印象に大きな影響を与える部分でもあるので、歯科矯正や歯のホワイトニングにもお金をかける方が多くいらっしゃいます」と新井さん。中には、歯の健康維持に年間200~300万円ほどかける富豪もいるそうです。

「それだけでなく、歯磨きも朝昼晩しっかりされたり、水流や超音波で歯間の汚れを落とす家庭用器具をご自宅で使われている方も多いですね。歯をケアすることは、歯の健康、体全体の健康だけでなく、社交的な意味合いもありますから、費用対効果は大きいと思います」(新井さん)

ちなみに、日々のケアに使う歯ブラシは特注品などではなく、市販のものを使用している人が多いそう。日常のケアを大切にすることは、お金のあるなしに関わらず、健康の基本なのですね。

■3:こだわりの寝具で睡眠の質を上げる

健康の基本は、規則正しい生活を送ること。これはごく当たり前のように感じますが、そこは大富豪。スケールが違います。それが顕著に表れるのが「睡眠」です。例えば、睡眠の質を左右するベッドはオーダーメードで、フレームとマットレスだけで数百万円。シーツも肌ざわりにこだわった特注品で、1枚数十万円するものも珍しくないといいます。さらに、外出時の宿泊先にベッドやマットレスを持ち込むというリクエストも、よくあることなんだとか。

「睡眠の質を重視される方が多いのは、充分に休みを取らずに働くよりも、一度完全に脳を休めてリフレッシュさせるほうが、パフォーマンスが上がることを体感されているからでしょう」と新井さんは指摘します。私たちはそこまでお金をかけることはできませんが、睡眠を含めて規則正しい生活をすることは重要です。

「もともと規則正しい生活を送られてきた方が大富豪になられる、というケースが多いように感じますね。夜更かしはされませんし、夜9時頃に寝て朝4時に起きる方も珍しくありません。1日24時間はすべての人に平等に与えられていますから、その限られた時間を最大限に生かすには、寝不足や体調不良といったパフォーマンスの低下を避けることが第一です。睡眠の質を上げることは、パフォーマンス向上に直結しますから」(新井さん)

まずは、睡眠を削って仕事をしたり、長時間通勤で睡眠時間を圧迫する生活を見直す、といったところから始めてみてはいかがでしょうか?

■4:食材の産地にこだわる

調理法より素材にこだわった食事を!

数十~数百億円の資産を持つ大富豪の普段の食事は、どのようなものなのでしょう。毎日、フランス料理のフルコースでしょうか? すると新井さんは「意外と質素ですね。通常のご家庭で召し上がっているような焼き魚とご飯とお味噌汁といったメニューが多いですね」とのこと。これには驚きです!

とはいえ、食材ひとつひとつはこだわり抜いたもの。口に入れるものは「これは健康によいか悪いか」という視点で見極め、産地も指定します。卵ひとつとっても、信頼できる養鶏場の一画を購入し、そこで自分専用のニワトリを育てさせている富豪もいるのだとか。このケースでは、養鶏場への支払いやニワトリのえさ代、運送費などすべて含めると、卵1個あたりの金額は800円から1000円にもなるそう。美味しく、栄養価も高く、安全な食材にお金をかけているのです。

「普段質素なものを召し上がっているからこそ、どなたかと会食されたときに『おいしい』と心から感じることができますし、何より、豪華なフルコースを毎日食べていると、健康上の問題もあります。普段はごくシンプルなものを召し上がっている方が多いですね」と新井さん。”食べるものが体をつくる”という基本に立ち返ることが、将来の健康リスクを回避することにつながります。

■5:極端に室内の温度や湿度を変えない

四季の変化の大きい日本では、一日の寒暖差が10度以上ということも。温度が急激に上がれば、ついエアコンで温度を極端に下げようとしがちですが、富豪はそうした気温の変化にも気を配ります。「極端に暑くなった日にも、前日の温度と比べてゆるやかに気温を上げることを好まれる富豪が多いです」と新井さんは説明します。

「なるべく家の中で温度や湿度が極端に変わらないように、徐々に上がったり下がったりするように心がけていらっしゃいます。気温や湿度が急激に変化すると、頭痛やだるさなど体調を崩すこともありますから、それらを避けることも、お考えのひとつかもしれないですね」(新井さん)

健康を第一に考えると、おのずと小さな環境の変化にも敏感になっていくのです。

たくさんのお金を持つことで、そうでない人よりも高い視点から時間の流れやものごとを見ることができるようになる。そんな変化を新井さんは“富豪のエレベーター”と呼んでいます。

「お金があることで、直近の生活に惑わされず“数十年後の資産をつくるには、どうしたらいいか?”という長期的な視点が持てる。これは、健康についても言えることです。今週、今月、この1年、という視点ではなく、20年後や30年後の健康を見据えた行動を取ることができ、結果として健康で長生きすることができます。大富豪にとって、健康は維持するものではなく、“常に追求し続けるもの”なんです」(新井さん)

ごく基本的な健康習慣を続けることでパフォーマンスが上がり、結果的に仕事がうまくいき、お金も集まってくる――大富豪をお手本に、そんなポジティブなサイクルを手に入れたいですね。

新井直之さん
日本バトラー&コンシェルジュ株式会社代表取締役社長
(あらい なおゆき)フォーブス誌世界大富豪ランキングトップ10に入る大富豪や日本国内外の超富裕層を顧客に持つ同社の代表を務める傍ら、企業向けに富裕層ビジネス、顧客満足度向上、ホスピタリティに関する講演、研修、コンサルティング業務を行う。『執事だけが知っている世界の大富豪58の習慣』(幻冬舎)など著書多数。著書は海外でも翻訳出版され、累計発行部数は30万部を超える。近著『大富豪がお金を生み出す時間術』(青春出版社)では、大富豪のお金を生み出す習慣を「見極める技術」「好印象を生み出す技術」「投資の技術」「遊びの技術」など七つに分けて紹介。実践できる“時間錬金術”を明かしている。
日本バトラー&コンシェルジュ株式会社
この記事の執筆者
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WRITING :
よりみちこ
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