キャリアを積み重ねるほどに、知らない世界や若い世代が、ときに怖くなってしまうPrecious世代。しかしながら鈴木保奈美さんは「そういったことは考えたことがない」と、語ります。いつでも新しいことにチャレンジしたいと思う、前向きな気持ちは、どのようにもち続けているのでしょうか。
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「自分が想像できる範囲で何かをしたいとは、いつも考えないようにしています」
――演劇に限らずですが、今回の舞台を手がける脚本家・演出家の冨坂 友さんのような、若い世代に対する嫉妬やライバル心といったようなものを持つことはありませんか？
「もう、嫉妬の塊ですよ（笑）。現場でもほかの俳優さんを見ながら、すごいな、いいな、なんであんなことできるんだろう、かっこいいな、きれいだな、と、一方的にライバル心がバチバチです。相手からは、何も思われていない気がしますが、勝手に燃やしてます（笑）」
―――そういった若い感性を保つのも、大変ではないですか？大人になると「若い子のことはわからないし、もういいわ」みたいことになりがちといいますか。
「いや、わからないことはわからないですよ。スマホの機能とか（笑）。でも若い感性……あまり感性で年齢差を感じたことはないです」
―――世の中で流行っているものに、積極的に近づくことはしていますか？たとえばSNS界隈だったり。
「必要以上に取りに行くことはしないですが、何かそれが、お芝居に使えそうだとかいうことがあったら覗きますね」
――――お忙しい中で、いつインプットされているんだろうと思うんです。読書家でもいらっしゃいますし。
「読書については今、本当にちょっと大変なんですよ」
―――ご自身がMCをされている、本の番組ですよね。
「はい、作品を読まないと失礼になるので、なるべくたくさん読みたいと思っているのですが、本当に時間がなくて…。忙しいときは『ちょっと今は作家さんを呼ばないでください』ってお願いするくらいなんです。お会いするとなったら、なるべく多くの作品を読んでおきたいですからね。
だいたい本を読むのはお風呂の中か、あと寝る前か、あと移動の時間とか。だから新幹線で地方へ行く仕事なんかは、すごくうれしいです。本が読める時間が取れる！って（笑）」
―――今は課題図書みたいなのものが多いですか？
「課題図書は常に積み上がっていて、とりあえず収録する順番で読まなくては、となっているのですが、本屋さんに行くと、さらにこれも読みたいって買っちゃうので、自宅がすごいことに」
―――番組のMCというのも、新しいチャレンジですよね。
「そうですね。こういう仕事をすることになるとは思っていなかったのですが、なりゆきで、ひとりでいっぱいしゃべることになっちゃいました（笑）。MC業は、本当に模索中です。オンエアを見て、ちょっと違ったかなと、ひとりで反省会をしています」
―――ちなみに、体力や集中力は、どうキープされているんですか？
「集中力をどうキープするかはよくわからなくて、今のところは火事場の馬鹿力で切り抜けています（笑）。体力が落ちているのはひしひしと感じていて、力を出しきったあとは、もうバタリと……。そして回復が遅い！ これはもう日々愚痴っています。ただ、どうしようもないですね。ちゃんと食べて、ちゃんと寝るということを心がけて、あとはマッサージなど、人の手も借りながらやっていくしかないでしょうか」
―――セリフ覚えは早い方ですか？
「はい、割と。作品によるかな。作家さんのクセがあるので、覚えやすいものと覚えづらいものがありますね」
―――冨坂 友さんの脚本はいかがでしょう？
「冨坂さんの脚本は覚えやすいです。セリフの分量が多くて大変なんですが、意外と。ご一緒したドラマ『生ドラ! 東京は24時－Starting Over－』 も、撮影する場所がどんどん移動していく形だったので、今何が起きているかが、自分で把握しやすかったんです。この場所に着いたらこのセリフ、というのが、自然と出てくるんですね」
―――今回の舞台は、そのドラマの後日譚となるお話ですよね。そういう意味では、すでに役者陣のチームワークは万全なのでは。
「そうですね、ある程度チームワークは固まっている……とはいえ、今回初めて参加される俳優さんもいらっしゃいますし、『アガリスクエンターテイメント』という、ずっと一緒にやってきている劇団チームの中に、外様から入っていく私たちは、まだちょっと緊張しています」
―――やはり保奈美さんは、自分のキャリアにこだわらず、新しいことに果敢に挑戦されているという気がしてなりません。この先、何かやってみたいことはありますか？
「私が思いつく程度のものは、大したものじゃないと思ってるので、あまり自分が想像できる範囲内で『これをやりたい』などは考えないようにしています。それよりも、新しい出会いとか、私の知らない未知の世界の方がもってきてくださるもののほうが、楽しいことができるのではないかと。だからどんな依頼があっても、面白そうだなって思ったらすぐに乗っかることができるよう、その体力とメンタルの準備は、常にしておきたいなと思っています」
■舞台『逃奔政走-嘘つきは政治家のはじまり？-』7月5日開幕！
公演日程／
【東京公演】2024年7月5日(金)～16日(火) 会場／三越劇場
【京都公演】2024年7月20日(土)・21日(日) 会場／京都劇場
脚本・演出／冨坂 友
出演／鈴木保奈美、寺西拓人、相島一之、佐藤B作ほか
公式サイト／公式 X
制作／アガリスクエンターテイメント
主催／フジテレビジョン
問い合わせ先
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- TEXT ：
- Precious.jp編集部
- PHOTO ：
- 黒沼 諭（aosora）
- STYLIST ：
- 犬走比佐乃
- HAIR MAKE ：
- 福沢京子
- WRITING ：
- 湯口かおり
- EDIT ：
- 福本絵里香
