夏旅といえばリゾートが定番ですが、新たな体験を求めている人におすすめなのが、温泉付きのオーベルジュ。オーベルジュとは、宿泊施設を備えたレストランのこと。温泉付きのオーベルジュでは、シェフがその土地の食材を使って腕を振るう美食に感動しつつ、心と体を解きほぐす名湯も満喫できてしまいます。

いわゆる温泉旅館とは一線を画す、夢のような滞在を叶えてくれる名宿を、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんにピックアップしてもらいました。

今回ご紹介するのは、静岡・伊豆にある「arcana izu(アルカナ イズ)」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

唯一無二のエモーショナルフレンチでサプライズ&感動の食体験を!

「アルカナイズ」のエントランス
伊豆の森に包まれるように佇む「アルカナ イズ」。

東京から車で約3時間。中伊豆の山々に抱かれ、清流・狩野川に面した自然豊かなロケーションの「アルカナ イズ」は、宿泊客のほぼ半数がリピーター。予約がとれないオーベルジュとして食通の間で知られる名宿です。

地産地消の四季の幸をふんだんに盛り込んだ独創的なコース料理は、“五感を刺激するエモーショナルフレンチ”として全国から訪れるゲストを魅了し続けており、さらに今年7月には、特に優れたエクスペリエンスを提供する宿泊施設の指標であるミシュランキーの1キーを授与され、よりいっそう注目度が高まっています。

「アルカナイズ」のレストラン
宿泊棟とは別棟のレストラン。夕食のスタートは18時~19時半の30分間隔で希望の時間を選べるスタイル。

「レストランは、窓いっぱいに広がる森の景色と全長13メートルのカウンターが目を引く素敵な空間。カウンターに面したオープンキッチンから繰り出されるエモーショナルフレンチは、一言で表現するならば“サプライズと感動の連続”です」(植竹さん)

「アルカナイズ」のフェレノアール
まるでオブジェのような「フェレノアール(フランス語で〝黒い森”を意味する伝統菓子)」。

「まず、最初のタパスからまるでアート作品のオブジェのような見た目でインパクト大。どこで採れた素材が使われているのか手書きイラスト付きの説明書が添えられており、食材に対するシェフの深い愛情とリスペクトが伝わります。その後も運ばれてくる料理はどれもこれもプレートの魅せ方が素晴らしく、あちこちのテーブルから歓声が上がるほど。写真撮影しているゲストの姿も多く見られました」(植竹さん)

アカザエビと焦がし葱
「アカザエビと焦がし葱」。

「シェフはただ調理するだけでなく、生産者と直接話し合ったり、自ら畑に採取に出かけたりなど、食材選びの段階から格別のこだわりがあるとのこと。そんな作り手の情熱の込められた料理は見た目もさることながら味も感動的で、トマトやナス、ズッキーニといった夏野菜、タコや天然の鮎といった旬の素材のみずみずしさが引き出されています。

伊豆ならではの食材とシェフの技・インスピレーションがコラボしたエモーショナルフレンチはまさしくここでし体験できない唯一無二の味わいです」(植竹さん)

「アルカナイズ」の夕食メニューの一例
「伊豆鹿のロースト柿と根セロリ」と「真蛸のカルパッチョと瓜」。

「朝食のテーマは“森のピクニック”。8時~11時の時間帯に30分間隔で入店可能で、朝はゆっくり起きたい…という人にもうれしい設定です。アート作品のような、シェフの哲学も感じられるような夕食とはまた一味違って、朝食はさわやかで柔らかな雰囲気。とはいえ、朝食も夕食同様にシェフのこだわりが細部にまで行き届いており、数種類から選べる玉子料理は、ゲストひとりひとりの好みの焼き加減で仕上げてくれます」(植竹さん)

「アルカナイズ」の朝食
「森のピクニック」をテーマとしたさわやかな朝食も絶品。

「私はマッシュルーム入りのオムレツをチョイスし多幸感でいっぱいに! また、サラダのドレッシングも生みたての卵で作られたこだわりの逸品で、朝から本当に豊かで贅沢な時間を過ごすことができました」(植竹さん)

チェックアウトは13時!天然温泉付きの客室で至福のステイを叶える

ゲストルームは全16室。どの部屋からも森を眺めることができ、しかも源泉掛け流しの露天風呂付きという最高にリラックスできる環境です。

「アルカナイズ」のスイートルーム
客室からの眺望にも癒される。

「テラスの露天風呂でスタイリッシュな浴槽に身を沈めると、目の前には鮮やかな森の緑。夏以外の時期に訪れても、秋の紅葉や春の花々など季節ごとの景観を満喫できそうです。

泉質は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉。オーベルジュとして名高い宿ですが、源泉かけ流しの湯も素晴らしく、硫酸塩泉ならではの肌のハリアップやうるおいも実感できました」(植竹さん)

客室「ザ スイート」の露天風呂
客室「ザ スイート」の露天風呂。
客室「リバーウィングスイート」の露天風呂
客室「リバーウィングスイート」の露天風呂。

「客室は自然との一体感を得られる造りで、壁一面の窓に映し出される絵画のような森の眺めが眼福。テレビはありませんが希望者にはプロジェクターの貸出もあり、ソファやベッドで寛ぎながら映画などを楽しむことも可能です。ちなみに、備品の貸出等のきめ細やかなリクエストに応じてくれるのは、客室専用のバトラーさん。まるで海外の高級ホテルのように至れり尽くせりのステイを叶えることができます。

しかもチェックアウトがなんと13時! 朝食をいただいてから、さらに客室の温泉に入ったり、ソファやベッドでごろごろしたり、思う存分寛いでエネルギーを十二分にチャージしてから出発することができます。普段がんばっている自分へのご褒美として、料理も温泉もサービスも何もかも一流の空間で非日常な時間を過ごしたい…。そんな人にぴったりの宿だと思います」(植竹さん)


以上、「アルカナ イズ」をご紹介しました。地元の旬の食材からインスピレーションを得て、シェフが丹精込めて作り上げるエモーショナルフレンチは、それを味わうためだけに伊豆を訪れる価値のある逸品。唯一無二の美食体験を叶えたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • アルカナ イズ
  • 住所/静岡県伊豆市湯ヶ島1662
    客室数/全16室
    料金/朝夕2食付 1名 ¥63,500(税込)~
  • TEL:0558-85-2700

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)