夏旅といえばリゾートが定番ですが、新たな体験を求めている人におすすめなのが、温泉付きのオーベルジュ。オーベルジュとは、宿泊施設を備えたレストランのこと。温泉付きのオーベルジュでは、シェフがその土地の食材を使って腕を振るう美食に感動しつつ、心と体を解きほぐす名湯も満喫できてしまいます。

いわゆる温泉旅館とは一線を画す、夢のような滞在を叶えてくれる名宿を、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんにピックアップしてもらいました。

今回ご紹介するのは、北海道・支笏湖温泉にある「レイクサイドヴィラ翠明閣(すいめいかく)」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

夏野菜も雲丹も絶品!支笏湖を目の前に至福のイタリアンを味わう

札幌市内から車で約1時間。支笏洞爺国立公園内にある「レイクサイドヴィラ翠明閣」は、湖の目の前に佇むスモールラグジュアリーな湯宿。中学生未満は宿泊不可。全8室がレイクビューでしかも客室専用の天然温泉付きという、まさに大人の隠れ家的ホテルです。

レイクサイドヴィラ翠明閣の正面玄関
支笏湖温泉の中で湖に最も近いロケーションの「レイクサイドヴィラ翠明閣」。

レストラン「azzurro(アズーロ)」では、窓越しに支笏湖を眺めながら、四季折々の素材を生かした至高のイタリアンを堪能できると植竹さんは話します。

レストラン「アズーロ」
支笏湖を眺めながらディナーを堪能できるレストラン。

「こちらは、『ミシュランガイド北海道』で“ビブグルマン”を獲得した経歴を誇る実力派レストラン。おすすめは?…と聞かれると逆に困ってしまうほど、どの料理も感動の連続で、とりわけ夏野菜のおいしさが際立っていたのが印象的です」(植竹さん)

「レイクサイドヴィラ翠明閣」のディナーの一例
ディナーの一例。

「例えば、トマトソースはコクと甘みが凝縮されており、肉料理の下に添えた野菜なども、脇役ながら驚くほど奥深い旨味が。もちろん主役の肉とのハーモニーも絶妙なのですが、それ単体で食べても、しみじみと北の大地の恵みを感じられました」(植竹さん)

レイクサイドヴィラ翠明閣の料理の一例
メインの肉だけでなく、それを引き立てるソースや野菜の味わいが格別。
雲丹のカッペリーニ
雲丹を贅沢にあしらったカペッリーニは夏のごちそう。

「また、夏らしさを感じたメニューとしては、冷製ポタージュや積丹産・雲丹たっぷりのカペッリーニ、富良野メロンのソルベなど。選りすぐりの食材にシェフがひと手間もふた手間もかけて紡ぎ出す珠玉のイタリアンを、雄大な支笏湖を眺めながらいただくというのは、まさしくオーベルジュならではの非日常な食体験! 胃袋だけでなく心まで満たされると思います」(植竹さん)

レイクサイドヴィラ翠明閣のデザート
デザートも余韻の残るおいしさ。

息を呑む絶景をひとり占めしながら至福の湯浴み時間を過ごす

「レイクサイドヴィラ翠明閣」では、各部屋に温泉が付いているほか、貸切露天風呂が2か所。誰にも邪魔されないプライベートな空間で、支笏湖温泉の湯を満喫できます。

貸切露天風呂「瑠璃」
檜造りの貸切露天風呂「瑠璃」。
貸切露天風呂「翡翠」
石造りの貸切露天風呂「翡翠」。

「貸切露天風呂は石造りと檜造りの2種類で、どちらも景観が抜群。何と言っても、目の前に支笏湖が広がる開放感がたまりません。青空と湖のコントラストが見事で、夏は白樺の緑も目に鮮やか。少しとろみのあるぬるめの湯に心地よく癒されながら、唯一無二の絶景をひとり占めできるのは贅沢の極みです。

1日8組限定とゲスト数が少ないこともあって、貸切風呂はのんびり浸かることができますし、さらに客室でも湯浴み三昧。私が宿泊した客室にはワーケーションにちょうどよさそうなデスクもあり、そこから眺める支笏湖の景色にも心が洗われる思いがしました」(植竹さん)

レイクサイドヴィラ翠明閣の客室
客室もレイクビュー。

以上、支笏湖温泉「レイクサイドヴィラ翠明閣」をご紹介しました。レストランや客室、温泉など館内の至るところでレイクビューに癒され、北海道ガストロノミーなイタリアンに心も胃袋も満たされる旅時間を過ごしたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)