ゴルフと並び、フォルクスワーゲンの主力モデルとして40年以上愛されてきたポロが、8年ぶりにモデルチェンジ。ボディが大きくなり、初めて日本における3ナンバーサイズとなった。その出来栄えをいち早く確かめたモータリングライターの金子浩久氏によれば、「もはやコンパクトカーとは呼べない」レベルに達しているとのこと。金子氏の言葉はサイズのことだけを指しているのではない。必要十分な機能を飽きのこないデザインでまとめたフォルクスワーゲンの伝統が、円熟の域に達したという意味だ。ゴルフにも劣らぬ「ベーシック名品」の味を堪能できるのは、この春からだ。

方向性を維持しながら内容を確実に進化させた!

6代目となった新型ポロ。シャープなデザインは、まさに「小さなゴルフ」!
近年、急速に進んでいる車内のデジタル化にも対応。「Discover Pro」のモニターは8インチの大画面だ。

 フルモデルチェンジしたフォルクスワーゲンのコンパクトカー「ポロ」の完成度の高さに驚かされた。

 シットリとした乗り心地、静かな車内、1.0リッター3気筒とは思えないほどチカラを出しているエンジン、臨機応変に賢く変速するツインクラッチタイプの7速オートマチックトランスミッションなど、コンパクトカーの域をはるかに凌駕している走りっぷりだ。

 また、走行性能以外のところでも抜かりない。運転支援デバイスやアクティブボンネットの標準装備化など安全装備などもアップデイトされている。

 また、上級のゴルフなどと変わらないインフォテインメントシステム「Discover Pro」やモバイルオンラインサービス「Volkswagen Car-Net」などもオプション設定されている。

 これまでポロに乗ってきたような人たちやゴルフから乗り換えようとしている人たちには、今回のポロのモデルチェンジの価値を最大限に認められることだろう。

 方向性をキチッと維持しながら、内容を確実に進化させているからだ。だから、確実に売れるに違いない。

購入の際はゴルフを含めて比較検討すべし!

先代までは、ほどよくかわいいデザインで女性層の支持を集めたが、新型は精悍な印象を強め、紳士が乗ってもとても似合う。
「ハイライン」グレードの前席は、ホールド性を高めたスポーツコンフォートシートだ。

 ボディサイズは全長が65ミリ伸び、全幅が65ミリ広がり、ホイールベースも80ミリ伸びた。何世代か前のゴルフと同じくらいのサイズ感覚がある。

 車内にもそれは反映されていて、十分な空間と立派な仕上げがなされている。「コンパクトカー」という言葉から連想されるチープさは微塵も漂っていない。

 ホイールベースを延長したことによって、後席自体のスペースも増えたのに加え、後席への乗り降りも少し楽になった。

 完成度の高さしか感じられず、ウィークポイントが見当たらなかった。何かが犠牲になっていたり、どこかを我慢しなければならないようなコンパクトカーの類とは一線を画している。

 もうコンパクトカーとは呼べないというのが率直な結論だ。「ゴルフの弟分」という例え方以外に思い浮かばない。

 ゴルフとの大きな違いは、選べる運転支援デバイスの違いやパワートレインのバリエーションだ。ゴルフは複数のガソリンエンジンに加え、PHEV(プラグインハイブリッド)も選べるが、ポロは今のところこの1.0リッター3気筒エンジンしか設定されていない。ポロを購入する際には、ポロのグレード違いだけを較べるのではなく、価格面も含めてゴルフも交えて比較検討することを勧めたい。

〈フォルクスワーゲン・ポロ TSIハイライン〉
全長×全幅×全高:4,060×1,750×1,450㎜
車両重量:1,160kg
排気量:999cc
エンジン:直列3気筒DOHCターボ
最高出力:95PS/5,000〜5,500rpm
最大トルク:175Nm/2,000〜3,500rpm
駆動方式:2WD
トランスミッション:7AT(DSG)
価格:265万円(税込み)
■問い合わせ先 フォルクスワーゲン カスタマセンター
TEL:0120-993-199
https://www.volkswagen.co.jp

この記事の執筆者
1961年東京生まれ。新車の試乗のみならず、一台のクルマに乗り続けることで得られる心の豊かさ、旅を共にすることの素晴らしさを情感溢れる文章で伝える。ファッションへの造詣も深い。主な著書に「ユーラシア横断1万5000km 練馬ナンバーで目指した西の果て」、「10年10万kmストーリー」などがある。
TAGS: