「洒ぐ」ってなんと読む?「さけぐ」ではないですよ!
明日・7月31日は『クールジャパンの日』です。「クールジャパン」…海外でかっこいい(クール)と捉えられている日本の商品、サービス・文化の総称として、2000年代初期ごろから使われ始めた言葉で、現在、広く浸透しておりますね。最初は、主にアニメや漫画、ゲームなど、クリエイティブなソフトパワーを表現する言葉として使われていましたが、しだいに、食や観光、高機能製品やファッションなどを包括する言葉に変化したようです。さて「かっこいい」という意味での「クール」を完全に和訳するとしたら「お洒落(おしゃれ)」に相当しそうですので、本日は「洒」という字を深掘りする日本語クイズをお送りします。
【問題1】「洒ぐ」ってなんと読む?
「洒ぐ」という日本語の正しい読み方をお答えください。答えは2つあります。
ヒント:ひとつは「水で清める」という意味の言葉、もうひとつは「清めるために、水をふりかける」という意味の言葉です。
<使用例1>※「水で清める」という意味で
「おまいりをする前に、手と口を水で洒ぐようにね」
<使用例2>※「清めるために、水をふりかける」という意味で
「この場所を清める為に、少しお酒を洒ぎましょう」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 洒ぐ(すす-ぐ) と 洒ぐ(そそ-ぐ) です。
「洒」という字には「洗う」「さっぱりとしている」「つつしむ」「驚く」などの意味があります。ですので「お洒落」とはもともと「洗ったようにさっぱりしている」という構成の熟語で、そこから発展し「洗練されていること」という意味で使われるのです。
ちなみに「洒」、「酒(さけ)」と形が似ていますが、つくりが「西(にし)」と「酉(とり)」と、意味はまったく別々の字です。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「洒洒」ってなんと読む?
「厚かましくて、けろりとしたさま」という意味の「洒洒」という熟語の読み方をお答えください。
<使用例>
「不倫関係なのに、いけ洒洒と、正妻のようにふるまう女だったわ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 洒洒(しゃあしゃあ) です。
「酒酒」はふたつの読み方があって、「しゃしゃ」と読むと「あっさりしてわだかまりのないさま」という意味の言葉になります。もうひとつ、「そんそん」と読むと「冷え込む」という意味になります。そして、「洒洒(しゃあしゃあ)」は、「洒洒(しゃしゃ)」が悪いほうに行き過ぎた状態を表す熟語です。読みこなす難易度が高いですが、「しゃあしゃあ」は会話によく登場する表現で、この字を使うことがちょっとおもしろかったので、クイズでご紹介しました。
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本日は、7月31日『クールジャパンの日』にちなんで、「洒」という字にスポットをあて、
・洒ぐ(すす-ぐ/そそ-ぐ)
・洒洒(しゃあしゃあ)
の読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱