『Precious』本誌をはじめ、テレビや広告など幅広く活躍する人気スタイリストの犬走比佐乃さんに、大人の女性に必要なファッションについて教えていただく連載。
今回のテーマは、「大人のTシャツスタイル」。猛暑が毎日のように続くことが当たり前となった日本の夏、トップスはTシャツ1枚でしのぎたいけれど、シンプルなだけではつまらないし野暮ったく見えてしまう可能性も。犬走さんが実践している「1枚で絵になる」Tシャツスタイルから、洗練の着こなしのヒントを授けていただきましょう。
袖は少し太めで、どこかに遊び心を感じさせるデザインを
時代やトレンドが変わっても、サマーカジュアルの主役はなんといってもTシャツ! しかし年齢を重ねるにつれ、おしゃれに見える着こなしのハードルがどんどん上がっていく難アイテムという側面も。
「若い頃はそれこそ、シンプルな白Tシャツ1枚そのままでもサマになっていたかもしれませんね。でも、厳しいことを言うようですが、大人の女性ではなかなか難しいのが現実です。ある程度の年齢になったらTシャツはインナーとして捉えた方がいいと思うし、私自身もレイヤードコーディネートのベースにすることが多いけれど、この暑さではやはり1枚で着たいですよね」(犬走さん)
では、1枚で着ることを前提にした場合、どのようなものを選べばいいのでしょうか?
「私がまずチェックするのは、袖の長さと太さ。ある程度の長さがあって、太い方が視覚効果で腕が細く見えるから。そしてどこかにデザインが加えられていたり、ロゴが施されていたりと何かの遊びがあること。そしてやっぱり素材の質感は重要ですね」(犬走さん)
そんな犬走さんの現在の1軍Tシャツはこの3着。
それぞれ異なる個性が光るこの3着のTシャツ、犬走さんはどのように着こなしているのでしょうか? この夏のお気に入りコーディネートを見せていただきましょう!
■1:大人のロゴTスタイルは、モノトーンでシンプル&シックに
モダンなフォントの大きなロゴが前面にあしらわれたブラックのTシャツは、ちょっとヴィンテージライクなアメカジテイストのアイテムが得意なカットソーブランド「グッド ロック スピード」のもの。犬走さんが偶然立ち寄った東京・青山の骨董通りのセレクトショップで購入したそう。
「モノトーンの色使いやロゴの入り方によって、スポーティになりすぎないデザインが気に入りました。でも、実はこのTシャツ、裾を自分でカットしているんです! Tシャツの形によって裾の長さのベストバランスは変わってくるけれど、パンツにインしなくてもいい感じの長さの丈を探って。私は端をまつらず切りっぱなしにしているのですが、多くのTシャツは切りっぱなしでも大丈夫なんですよ!」(犬走さん)
■2:これ1着だけでドラマティックに映える、異素材切り替えトップス
個性的なネックラインや異素材ミックスのアシメトリーなデザインがいかにも「ドリス ヴァン ノッテン」らしいコットンニットトップスは、今季早々に購入したもの。
「たまたま立ち寄ったエストネーションでひと目惚れしました。少しお値段は張りましたが、これだけ手が込んだデザインだしと納得して」(犬走さん)
「少し秋の香りがする色合いとひとクセあるモードなデザインで、これは本当に1枚でサマになるトップス。こういう異素材切り替えのトップスは季節の変わり目に活躍してくれるし、幅広いタイプのボトムスに合いそうなので、いろいろなコーディネートに応用してみようと思います」(犬走さん)
■3:ストイックなシンプルTは、ジレを重ねて秋を先取り
今回ピックアップした3枚のTシャツのなかで、唯一の無地でシンプルなタイプ。暑さが一段落したらジレを重ねて、夏から秋へのブリッジコーディネートに。
「このスローンのTシャツはコットン100%で着心地もいいし、少し光沢があってスポーティになり過ぎないシックな佇まいが気に入っています。実は色違いでホワイトとネイビーも持っているんです(笑)。素材感や形が自分の理想に近いTシャツに出合ったら、色違いで購入するといいと思います」(犬走さん)
年齢を重ねるにつれ、クールにおしゃれに着こなすことが難しくなっていくTシャツ。犬走さんのセレクトと着こなしを参考にTシャツスタイルをアップデートさせて、残暑のコーディネートをもっと楽しみませんか?
※私物に関するブランドへのお問い合わせはご遠慮ください。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- 田中麻衣(小学館)
- WRITING :
- 岡村佳代
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)