極端な話、メールだけで完結する仕事もある昨今。だからこそ形式的になりすぎず、こちらの意向や思いを、どうメールで的確に伝えるかが、大切になってきています。
そこで、雑誌『Precious』9月号の特集【Precious世代の「美しい」メール術】では、丁寧だけど親しみもある、今の時代にふさわしい「美しい」メールについて、考えてみました。
今回は、ビジネスコミュニケーション関連の著述・講演活動を行っている、中川路亜紀さんにお話とともに、Precious世代が、最近、心に響いたメールをご紹介しました。
オンラインだからこそ、気持ちや温度が伝わるように…。簡潔でいて相手の心に響く言葉や表現が、人間関係を豊かにします。
礼儀正しさを保ちつつ自分らしい素直な表現を
毎日、膨大なメールのやりとりをするなかで、「あの人からのメールは、どこか印象に残る」と思うことはありませんか?
「メールの基本を守りすぎて、雛形になってしまうと、思いが十分に伝わらない可能性が。印象的なメールには、どこかにその人らしさが表れているものです。手紙ほどかしこまらず、軽やかに送れるのがメールですし、今ではショートメールなど手段も多様なので、形式は守りつつ、より相手の心に届く表現を目指したいものです」と、メール関連の著書を多数執筆される、中川路亜紀さんも語ります。
大切なのは、相手との距離感を意識すること。程よく礼儀正しく、だけど気持ちは素直に伝えて。
「ビジネス上でも親しい間柄なら、例えば『肝心なところで抜けていて、申し訳ありません!』といったマイナス面ですら、気持ちのよいコミュニケーションに転じることも。さらになぜそう思ったのか、何をどうしてほしいのかなど、内容に具体性をもたせると、本気度が高まり、メールが濃厚なものになります」
自分らしい表現が、オンライン上でも、よい人間関係をもたらす効果に。端的かつ率直なメールのやりとりで、お互い心地よく仕事ができるというものです。
【Precious世代に聞いてみました|最近、心に響いたメール、ありましたか?】
本企画のために、読者の方々に事前アンケートを実施。日々やりとりする数多くのメールから、心に響いたエピソードを教えていただきました。
■実例1:「切羽詰まっていた私に力をくれた激励のP.S.」K子さん(イラストレーター)
「レギュラー出演しているテレビ番組の制作ディレクターからもらったメールです。当時、私は書籍の執筆中で、精神的に追いつめられていた時期。彼女もまた仕事で大きな山場を迎えていました。本当の大変さは本人にしかわからないけれど、しんどい思いは理解できますという気遣いに、思わず涙が…。温かい言葉が追伸で添えられていたことにも、グッときました」
■実例2:「思わず気持ちが溢れ出たような温かい言葉に感激しました」Rさん(病院勤務)
「勤めている病院が20周年を迎えた際に、副院長の先生からいただいたものです。仕事に対しては厳しい方ですが、とても気さくな一面があり、そのお人柄が、形式的でない文面に表れていて心に響きました。スタッフがいてこそ日々の診察が成り立つという気持ちを、記念すべき日に、きちんと文章にして送ってくださったことが、先生の素敵なところです」
■実例3:「プレッシャーにならない表現に優しさが感じられて」S美さん(メーカー広報)
「昨年末に婦人科系の病にかかり、入院・手術。今年退院できたのですが、職場復帰するまでに時間がかかってしまいました。このメールは、私が会社に戻って間もなくお会いした取引先の方からのものです。友人ではないけれど、ビジネスパートナーよりも親しい間柄という距離感ならではの、優しい言葉に気持ちが軽くなりました」
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
※メールの実例は、編集部で実施したアンケートの回答を基に、一部変更を加えています。
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- PHOTO :
- 宗髙聡子
- STYLIST :
- 望月律子(KIND)
- NAIL :
- 中島綾香(uka)
- MODEL :
- 三田村 澪
- EDIT :
- 湯口かおり、福本絵里香(Precious)