「敬老の日」は9月の第3月曜日。今年(2024年)は9月16日ですよ。プレゼントを贈るなら、準備を急いで! 今回は「敬老の日」をテーマに、その趣旨や由来、「敬老の日」にまつわる雑学をご紹介します。

【目次】

2024年の敬老の日は9月16日です。
2024年の敬老の日は9月16日です。

【「敬老の日」とは?2024年の日にちや由来など「基礎知識」】

■「敬老の日」とはどういう日?

日本では「国民の祝日に関する法律」(「祝日法」)により、「国民の祝日」が設けられ、これを「休日とする」と定められています。現在、「国民の祝日」は年間で16日あり、「敬老の日」は1966(昭和41)年の「祝日法」改正により追加制定された祝日です。政府広報オンラインによれば、その趣旨は「多年にわたり社会に尽くしてこられたお年寄りの方々に感謝するとともに、老後の精神的な安定を願うため」と説明されています

■2024年の「敬老の日」はいつ?

2024年の「敬老の日」は、9月16日です。制定当時は9月15日でしたが、2001(平成13)年の「祝日法」改正により、2003年から9月の第3月曜日に変更になりました。

何歳からお祝いする?「対象者」「年齢」は?

「敬老の日」って、「何歳くらいの人を対象にお祝いすればいいの?」と、迷ったことはありませんか? バスや電車など、交通機関で席を譲る際に「相手に気を悪くされないかな?」と気遣ってしまう気持ちとよく似ていますね! 「敬老の日」で祝う対象者の年齢は特に定められてはいませんが、 一般的には、対象者に孫が生まれ、その孫がある程度成長したころに、「孫から祖父母へ」お祝いをするケースが多いようです。


【孫から祖父母へ、ふさわしいギフト・プレゼントは?】

子どものころは、「敬老の日」におじいちゃん・おばあちゃんの似顔絵や手書きの手紙などを贈っていた人であっても、大人になってからは案外、「敬老の日」は忘れがちになっていませんか? 社会人として成長した孫からのプレゼントは、私たちの想像以上に喜んでいただけるもの。「敬老の日」におすすめのプレゼントをご紹介しましょう。

■やっぱり、スイーツやお酒は鉄板

「おじいちゃん、おばあちゃんの好きなものがわからない」人でも、外れがないのがクッキーの詰め合わせや和菓子、アルコールなど。また、お肉や鰻、海鮮など、日常よりワンランク上のグルメな食材をプレゼントするのもいいですね。ポイントは、焼くだけ、温めるだけ、あるいはそのままで食せるイージークッキングのセットものをセレクトすること。もちろん、「量より質」を重視して。

■プレゼントは「物」だけとは限りません

まだまだアクティブなおじいちゃん、おばあちゃんなら、日帰り温泉や「はとバス」的な日帰りツアーに連れていってあげるのもおすすめです。とはいえ、外に連れ出すだけがプレゼントだとは限りません。可能であれば、久しぶりにゆっくり話す時間を取ってみたり、「随分、声も聞いていない」という人ならば、電話をかけてあげるだけでも喜んでもらえますよ。まずは、お互いに負担にならない小さなことから始めてみてはいかがでしょうか。


【「敬老の日」にまつわる「雑学」3選】

■「敬老の日」の由来は?

「敬老の日」は、飛鳥時代に聖徳太子が四天王寺に悲田院 (ひでんいん) という救護施設を設立したと伝えられる日に由来する、という説がありますが、直接の起源は、1947(昭和22)年、兵庫県多可郡野間谷村(現在の多可町)の村長が提唱した「としよりの日」だとされています。「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村づくりをしよう」と、農閑期の9月15日に敬老会を開いたことが評判となって全国に広まり、1964年からは「老人の日」と呼ばれ、全国各地で敬老行事が行われてきました。1966年には、9月15日が「敬老の日」として「国民の祝日」に定められましたが、「祝日法」の改正により、2003年から9月の第3月曜日に変更されています。

■「敬老の日」と「老人の日」の違いは?

「老人の日」とは、老人福祉法によって定められた記念日です。「敬老の日」とは違い、「老人の日」は日にちが9月15日と決まっています。また、9月15日から9月21日までは「老人週間」と定められています。「老人の日」の趣旨は、「老人が自らの生活の向上に努める意欲を促す」というもの。お年寄りに元気で長生きしてもらうという考え方は「敬老の日」と同じです。

■「長寿の祝い」には何がある?

敬老の日以外にも、年齢の節目に行う長寿のお祝いがあります。いくつかご紹介しましょう。

・還暦(かんれき)
数え年で「61歳」の別称、つまり満年齢60歳を指す言葉が「還暦」です。生まれてから60年で、十二支と、「甲・乙・丙・丁・戌・己・庚・辛・壬・癸」の十干を組み合わせた、60種類の干支が一巡し、生まれた年の干支に還ります。このことから、長寿を感謝し祝う行事となりました。赤いちゃんちゃんこを着る風習でおなじみですね。赤には魔除けの意味があり、生まれた年と同じ暦に還る(赤ちゃんに還る)意味から、ちゃんちゃんこを着るようになったそうです。

・古希(こき)
古希は70歳のことで、中国の唐時代の詩人、杜甫が詠んだ「曲江詩」の一節、「人生七十古来稀(じんせいしちじゅうこらいまれなり)」が由来となった言葉です。70歳まで生きる者は少ないという意味があり、「古稀」とも書きます。魔除けの意味をもつ紫色が祝いの色です。

・喜寿(きじゅ)
「喜寿」は77歳にあたります。「喜」という漢字の草書体「㐂」が、七十七に見えることからきた言葉で、「喜びの字の祝い」「喜の字の齢」とも呼ばれ、「古希」同様、紫色で祝います。地域によっては紫色のちゃんちゃんこや頭巾や扇子、座布団などをプレゼントすることもあるようです。

・米寿(べいじゅ)」
「米寿」も「喜寿」同様、漢字を由来とする言葉です。88歳、またその長寿の祝賀のことで、別名「米(よね)の祝い」。これは「八十八」の字画を詰めると「米」に通じることからきています。お米にちなみ、「金茶色」や「黄色」の贈りものがよいとされていますよ。

・白寿(白寿)
「白」の字は、百から一を取ったものであるところから、99歳、またそのお祝いを指して「白寿(はくじゅ)」と呼ぶようになりました。テーマカラーはもちろん「白」です。

・紀寿(きじゅ)または百寿(ひゃくじゅ)
100歳を迎える方へのお祝いが、「紀寿」と「百寿」です。1世紀が100年であることから「紀寿」、または100を漢字で書いて「百寿(ひゃくじゅ、ももじゅ)」とも呼ばれます。ちなみに2024 年に「紀寿」・「百寿」を迎える方は、1924年(大正13年)生まれの方です。「白色・桃色」の贈りものが縁起がよいとされています。

■「シルバーウイーク」が話題にならないのはなぜ?

「シルバーウィーク」とは、秋の大型連休のことですが、話題になる年とならない年があることに、気付いていましたか? 2024年も、9月には「敬老の日」と「秋分の日」があるため、3連休が2週続きますが、連休としては「大型」とは言えず、「シルバーウィーク」が話題になることはありませんでした。

ポイントは「秋分の日」にあります。敬老の日」は毎年「9月の第3月曜日」と決まっていますが、「秋分の日」はその年によって異なります。毎年2月に国立天文台の予測によって、翌年の「秋分の日」が正式に決定されるのです。

そして「祝日法」では「ふたつの祝日に挟まれた平日は休日とする」ことが規定されています。もうわかりましたね? その年の9月に「シルバーウィーク(大型連休)」が出現するためには、「秋分の日」が水曜日であることが条件。「秋分の日」が水曜日だと、「敬老の日」と挟まれた火曜日も休日となり、5連休になるのです。かつて2015年の9月は、「敬老の日」が21日(月)、「秋分の日」が23日(水)だったため3連休となり、前後の土日休みを加えた大型連休「シルバーウイーク」として話題になりました。次に5連休になるのは、同様に「敬老の日」が9月21日(月)、「秋分の日」が9月23日(水)と予測される、2026年の見込みです。

■「高齢者」の定義を知ってる?

「敬老の日」で祝う対象者の年齢は特に定められてはいませんが、法律上、「高齢者」の定義がどうなっているのか、ご存知ですか? 日本では行政上の目的により、「高齢者」の年齢は少しずつ異なっています。例えば、「改正道路交通法」では70歳以上が「高齢者」。運転免許証の更新期間満了日時点で70歳以上の方は、更新時に「高齢者講習」を受ける必要があります。また、75歳以上の運転者は認知機能検査も受ける必要があり、高齢者運転標識(もみじマーク)の表示が義務化されています。

一方で、「高齢者の医療の確保に関する法律」では、65歳以上を高齢者としたうえで、65~74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と分けて定義しています。「老人福祉法」でも、65歳以上からが「高齢者」です。公的年金の受給開始も、原則的には65歳から。さらに世界に目を向けると、「世界保健機関(WHO)」も65歳以上を高齢者としています。2023年4月の総務省統計局の発表では、日本の65歳以上の人口が総人口に占める割合(高齢化率)は、実に29%で過去最高。3〜4人にひとりは高齢者ということになります。驚きですね!

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今年の「敬老の日」は9月16日です。プレゼントを贈るなら、今すぐ準備しないと間に合いませんよ! それにしても、現在、「高齢者」の枠に入る65歳くらいの方々は、皆さん元気だし若々しいですよね。朝日新聞で1951年に連載が始まった、漫画「サザエさん」では、波平さんが54歳、フネさんは52歳(アニメ版)の設定なのだとか。ビジュアル的にはかなりのおじいちゃん、おばあちゃんです。とはいえ見た目年齢は変わっても、おじいちゃん、おばあちゃんに対する感謝の気持ちは変わりません。今年の「敬老の日」には、是非、会いに行ったり電話をかけtたりして、「いつまでも元気でいてね」という思いを伝えましょう!

この記事の執筆者
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参考資料: 『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /『12か月のきまりごと歳時記(現代用語の基礎知識2008年版付録)』(自由国民社) /政府広報オンライン(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202112/3.html) /総務省統計局(https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2022np/index.html) :