雑誌『Precious』9月号の別冊付録では【やっぱり「鮨」が好き!】と題して、日本人のソウルフード・鮨を特集。北陸をはじめとする日本各地の名店から、注目の新潮流店まで、「おいしい鮨」をたっぷりとご紹介しました。

今回は、作家の山内マリコさんが推す、富山の名店「美乃鮨」についてお届けします。

山内 マリコさん
作家
(やまうち まりこ)1980年富山県生まれ。’12年に『ここは退屈迎えに来て』(幻冬舎)でデビュー。地方と女性をテーマにした著書多数。最新刊は『マリリン・トールド・ミー』(河出書房新社)。締切前の“自主的缶詰”期間には立ち食い鮨店に行くことも。

美乃鮨|江戸前×富山の地魚 愛され続ける老舗

寿司_1
美乃鮨

サクラマス、ノドグロ、ベニズワイガニ…ケースには富山湾で水揚げされたネタが整然と並べられ、そそられる。富山城そばの「美乃鮨」は、1963年に東京で創業。二代目の三島裕起さんは、先代が富山へ移住した後に店を継いだ。以来40年近く、地元で愛されている。

寿司_2
北陸では通年とれるノドグロ。軽くあぶった皮目の香ばしさ、しっとりとした脂と甘みが絶妙。¥550〜
寿司_3
富山名物「鱒寿し」でもおなじみのサクラマス。肉質は柔らかくてきめ細かく、脂は芳潤。品のよい甘さと香りがある。¥440
寿司_4
鮮度抜群の甘エビは¥385

「好きな鮨を好きなように楽しんでほしい」という思いから、1貫220円からオーダーでき、地元民をはじめ、観光客や出張中のビジネスマンで賑わう。コハダやハマグリなどは江戸前の技でひと手間かけ、鮮度抜群の地魚は手をかけすぎずに握る。

富山の美乃鮨で提供されるお鮨
「寿司といえば、富山」を掲げる富山県で、提供店舗で楽しめる「富山湾鮨」。富山湾産の地魚と県産米を使った握り10貫と汁物のセットを、美乃鮨では¥3,300で提供。

シャリは粒のしっかりとした県産のコシヒカリ。ジャズの流れる店内でつまむ鮨は、スラリと細めで食べやすく、エビの頭でだしをとった味噌汁の味がしみわたる。「日々ムラなく、変わらずに仕事をする」。そんな三島さんの言葉に、昼も夜も行きたくなる。 

【山内さんの推し】「気どらない王道の鮨。シンプル・イズ・ベストが信条の父とよく食べに行きました。長芋と梅の巻物も好き!」

富山の美乃鮨で提供される料理
手むきの白エビは形も美しい。生姜醤油と共に。¥880
富山の美乃鮨で提供される昆布締め
江戸時代、北前船が運んできた昆布と富山湾でとれる魚を合わせて昆布締めが発展。写真はキスを羅臼昆布で締めて2日間寝かせたもの。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
※掲載の情報は、2024年7月のものです。メニューは季節によって変わります。価格が変わる場合もあります。

〈DATA〉

  • 「美乃鮨」 
  • TEL:076-422-3034
  • 時間/11:30〜13:30(L.O.)、17:30〜20:30(L.O.)
    定休日/日曜、祝日の月曜
  • Instagram/@mino_zushi
  • おまかせは¥5,500~。カウンター11席、テーブル8席、個室2部屋
    住所:富山県富山市丸の内2-3-4

関連記事

PHOTO :
長谷川 潤
COOPERATION :
森脇慶子
EDIT&WRITING :
森田亜子、木村 晶(Precious)