東京・竹芝にあるモダンラグジュアリーホテル「メズム東京、オートグラフ コレクション」。16Fには「芸術家のアトリエ(工房)」をテーマとした、ユニークなバー&ラウンジ「ウィスク」があります。
「ウィスク」では、絵画をモチーフにした五感をくすぐるコンセプチュアルなオリジナルミクソロジーカクテル、スイーツなどを提供。中でも、アートをテーマにしたオリジナルのアフタヌーンティー「“TOKYO WAVES”アフタヌーン・エキシビション」は多くのファンを魅了し、今回で12回目を迎えます。
「アフタヌーン・エキシビション チャプター12」は、ポスト印象派を代表するフランスの画家で近代絵画の父と呼ばれるポール・セザンヌの作品『砂糖壺、梨とテーブルクロス』がテーマ。アフタヌーンティーは、2025年1月10日(金)までの期間限定で提供されています。
前回のアフタヌーン・エキシビションに引き続き、今回も神奈川・箱根にあるポーラ美術館とコラボレーション。訪れるゲストに唯一無二の体験を提供する「未来に向けた新たな挑戦」に取り組んでいるポーラ美術館とメズム東京。その一環として、ポーラ美術館が所蔵する作品とコラボレーションするアフタヌーンティーがスタートした背景があります。
本プログラムは、作品に描かれている梨、りんごやテーブルクロスの世界観をテーブル上にそのまま再現したメインプレートと、セザンヌの生涯とフランスの歴史を辿る8種類のセイボリー&スイーツを、ポーラ美術館特製ポストカード付きで提供。
今回はPrecious.jpライターが実際にアフタヌーンティーを体験。実食レポートを通して、アフタヌーンティーの詳細をご紹介します。
アフタヌーン・エキシビション チャプター12『砂糖壺、梨とテーブルクロス』実食レポート
窓の外に美しい浜離宮庭園の緑が広がる16Fのバー&ラウンジ。館内では時折ピアノの生演奏などが行われ、ゆったりとした至福のひとときを過ごすことができます。
「アフタヌーン・エキシビション チャプター12『砂糖壺、梨とテーブルクロス』」は、8種類のセイボリー&スイーツと、メインプレート、ペアリングモクテル&ティーで構成されています。
はじめに提供されるのは8種類のセイボリー&スイーツとペアリングモクテル。そのあと、メインプレート&ペアリングティーが提供されます。ひとつひとつ美術館の絵画を鑑賞しながら楽しむようなコース仕立てのアフタヌーンティーに、心が躍ります。
セザンヌの生涯とフランスの歴史を辿る8種類のセイボリー&スイーツ
大きな横長のプレートに盛り付けられた8種類のセイボリー&スイーツは、プレートの左側からセザンヌの人生の歩みを辿るようにプレゼンテーションされているそう。もちろん食べる順番はお好みですが、左から順に食べるのをおすすめしているそうです。
一番左端にあるのは「フーガス」。セザンヌの生まれた土地でもある、南フランス・プロヴァンス地方の伝統的なパンで、小麦粉にオリーブオイルと塩を練りこんだシンプルなもの。今回のフーガスには、少量のセミドライトマトを隠し味で入れているそう。
パウンドケーキのようなこちらは、小麦粉、バター、砂糖、卵の4つの材料を同量ずつ使用して作る「カトルカール(=フランス語で“4同割”)」。18世紀からあるフランスの代表的な焼き菓子です。メズム東京ではドライフルーツを混ぜ込むことで味わいのアクセントにしているそう。
19世紀に生きたセザンヌも、もしかしたら食べていたかもしれませんね。そんな当時に想いを馳せながらいただきます。
フランスの星付きレストランの定番デザートとしても有名な、メレンゲとアイスクリームでできたお菓子「バシュラン」。起源をたどれば14世紀までさかのぼるこのお菓子、19世紀にフランス・リオンで冷たいお菓子としてのレシピが完成したそうです。
メズム東京のアイデアを加え、かわいらしいメレンゲがのったアイスクリームに仕上げられています。メレンゲのサクサクとした食感が楽しいひと品です。
17世紀に誕生し、19世紀にパリの人気パティシエ、アドルフ・セニョのスペシャリテとして人気を博した「ミルフィーユ」。パイ生地を何層にも重ねてクリームを挟んだお菓子です。クリームの間にいちごも挟まれていて、とっても美味でした。
ナスやトマトなどの野菜とオリーブオイルを使った煮込み料理「ラタトゥイユ」。日本でも最近ではおなじみの洋食ですが、実はフランス・プロヴァンス地方の伝統的な郷土料理なんです。ごろごろとナスやズッキーニが入っていて食べ応えがありました。
「パリブレスト」は、1891年から開催されているパリ・ブレスト・パリという世界最古の自転車レースを記念して作られた、シュー生地を自転車の車輪の形にしたお菓子です。ふわふわのシュー生地にアーモンドクリームがたっぷりと挟まれていました。
パリにあるオペラ座近くのカフェで提供されていて人気となり、マルセル・プルーストの小説にも登場する、ハムとチーズのホットサンドウィッチ「クロックムッシュ」。とろけるチーズがたまらないおいしさです。外側はサクサク、内側はふわふわのトーストも焼き加減がバッチリ!
セザンヌの出身地、エクス=サン=プロヴァンスの伝統菓子である「カリソン」。現在でも、9月の第一日曜日に、カリソンに感謝するお祭りがエクス=サン=プロヴァンスの教会で行われているのだとか。
メレンゲで作られた飾りがかわいいお菓子です。ベースの生地にはオレンジピールが練り込まれていて、ふんわりと柑橘が香ります。
8種類のセイボリー&スイーツと一緒にいただくのはペアリングモクテル「ラベンダー香るオレンジスカッシュ」。オレンジベースで、自家製のコーディアルシロップをプラスしたスカッシュです。プロヴァンス地方をイメージし、ラベンダーの香りを効かせているそう。さっぱりとした味わいは、セイボリー&スイーツとの相性もぴったりでした。
まるで絵画のようなメインプレートが登場!
まるで絵画から抜け出してきたかのようなメインプレートがお目見え。
砂糖壺は、レモングラスのシロップをベースに、フランスで最も愛されるシャンパン「モエ・エ・シャンドン」を使用したグラニテで表現されています。シャンパンがしっかりと感じられるシャーベットが贅沢で美味! すっきりとした味わいです。
今にも倒れそうな絶妙な角度を保っている洋梨は、フランスのスイーツ「ポワール・ベル・エレーヌ」をアレンジした逸品。チョコソースと白ワインの洋梨コンポート、洋梨のピューレが生クリームで包まれたひと品です。とろけるチョコレートの味わいと、洋梨の果実感がたまりません。
青りんごは、南フランス発祥の冷製デザート「ヌガー・グラッセ」をアレンジ。アイス仕立てで提供しています。中にりんごをベースとしたドライフルーツが入っていて、食感も楽しいスイーツです。
『砂糖壺、梨とテーブルクロス』に描かれている洋梨や青りんごを再現するための色付けは、今回の大きなポイントのひとつ。カカオバターにオリジナルの色を付けてスプレーガンで3~4度吹き付けることで明暗を出し、さらに影の色をスプレーガンで吹き付けることで、絵画らしさを実現しているそう。
ポーラ美術館特製の『砂糖壺、梨とテーブルクロス』のポストカードがいただけるので、実物と絵画を見比べながら堪能してみるのも楽しいかもしれませんね。
ペアリングティーには、ノンアルコールのサングリアシロップをいれたチャイティーにシナモンスティックを添えた「りんご風味のスパイスチャイティー」を。冷たいメインプレートアイテムとのペアリングとしていただける温かなドリンクは、ほっとするおいしさです。
メインプレートは、テーブルクロスに見立てたナプキンを添えて提供し、テーブルの上に絵画の世界観を作り上げています。まさに五感で楽しめる素晴らしいアフタヌーンティーでした。
クリエイティブディレクターが制作段階からシェフチームとともに構想し、キュリナリーアーティストとともに作り上げる「アフタヌーン・エキシビション」。美術作品の作者の人生観や作品のストーリーが、スタッフ陣のユニークな発想やクリエイティブな視覚を通して、アフタヌーンティーに仕立てられています。
お菓子の味覚や香り、見た目、食感。そして美しい音楽と景色、まさに五感で楽しめるアフタヌーンティー体験。美術館にいるかのような、心穏やかなひとときを過ごすことができました。
ちなみに同じ16Fにあるレストラン「シェフズ・シアター」では、2024年9月より、1日数量限定で「カヌレ」を発売開始。厳選された素材のおいしさを最大限に引き出すプレーン味の「カヌレ」は、パッケージにもこだわり、シンプルでありながら高級感のあるデザインです。
手土産におすすめなので、ぜひ、お食事のあとに立ち寄ってみてくださいね。
「アフタヌーン・エキシビション チャプター12『砂糖壺、梨とテーブルクロス』」の提供期間は2025年1月10日(金)までと長く、リピートすれば、窓から見える移り変わる景色の違いもまた楽しめそうです。メズム東京で、素敵なアート&グルメ体験をしてみませんか?
問い合わせ先
- メズム東京、オートグラフ コレクション「ウィスク」
- 「アフタヌーン・エキシビジョン チャプター12『砂糖壺、梨とテーブルクロス』」
- 提供時間/平日 14:00~、14:30~、15:00~、18:00~、土日祝 14:00~、14:30~、15:00~ ※前日21:00までの要予約
- TEL:03-5777-1112
- 住所/東京都港区海岸1-10-30 メズム東京、オートグラフコレクション16F
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- 伊東ししゃも 編集者・ライター
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