冬は念入りにしていた乾燥対策が「もう暖かくなったし…」と、つい乾燥に対してのケアが緩くなりがちな4月。ところが、4月はまだまだ空気が乾燥しています。冬に比べて自覚症状が少ないだけに、知らずうちに体調やお肌が乾燥の影響を受けていた…なんてことも。

そこで4月も引き続き、乾燥対策で使いたいのが加湿器。ひとえに加湿器といっても、その種類は「気化式」「スチーム式」「超音波式」「ハイブリッド式」の4種類に大きく分けられます。では、自分の生活スタイルに一番合うのはどのタイプなのでしょうか?

今回は、加湿器のタイプと選び方を徹底解説。定期的なメンテナンスとオフシーズンのしまい方についてもご紹介します。そんな加湿器の知識を、家電ライターの藤山哲人さんに聞きました。

 4タイプの加湿器、そのメリット・デメリットは?

あなたのニーズに合うのは4つのうち、どれ?

加湿器は、加湿の仕組みによって以下の4タイプに分けられます。

■1:気化式
■2:スチーム式
■3:超音波式
■4:ハイブリッド式

早速、それぞれの特徴をチェックしていきましょう。

■1:部屋全体を均一に加湿できる「気化式」

気化式加湿器のメリットとデメリットとは?

水を含ませたフィルターにファンで風をあて、蒸発させ加湿する仕組み。部屋に洗濯物を干すと加湿できるのと似た原理です。空気清浄機との複合でよく使われており、「空気清浄加湿機」として量販店で見られるのは、大概がこちらのタイプ。

メリット
・確実に部屋全体を均一に加湿できる。
・熱い蒸気が出ることもないのでヤケドの心配もなく、安全。
・比較的消費電力が少なく、ランニングコストは低め。

デメリット
・加湿までに時間がかかり、部屋を十分加湿するためには24時間つけっぱなしの状態にしておかなければならない。

■2:コンパクトでスピーディーな「超音波式」

超音波式の加湿器はバリエーションが豊富?

水を超音波で霧状にし、噴霧して加湿する仕組み。目で湯気が見えるほどなので、加湿のスピードが早いのが特徴です。

メリット
・部品が小さくて済むため、コンパクトなものやアロマを入れられるタイプなど、デザインや用途が豊富に選べる。
・消費電力が少なく、ランニングコストも低め

デメリット
・加湿器の周りが噴霧した水蒸気で濡れてしまいがち。
・雑菌がたまりやすくこまめなお手入れが必要。そのため、きちんとケアできていないと、カビや雑菌を放出しやすいので注意。

■3:加湿能力の高さは抜群の「スチーム式」

スチーム式の加湿器で気をつけるべきこととは?

ヒーターで水を温めて熱湯にし、その蒸気を放出して加湿する仕組み。やかんでお湯を沸かしたときにその湯気で空気を加湿するのと同様の原理です。

メリット
・なんといってもその加湿能力の高さと加湿の即効性。
・水を沸騰させることで菌を殺すため、カビや雑菌が空気中に放出されず衛生的。

デメリット
・製品によっては熱い湯気が出たりお湯がこぼれたりしやすいものがあり、小さな子どもやお年寄り、ペットがいる家庭では注意が必要(最近では安全面を考慮したものもあります)。
・消費する電力が大きいため、ランニングコストは比較的高い。

■4:「ハイブリッド式」は1〜3のいいとこ取り!

ハイブリッド式はお値段が高い?

上記いずれかのタイプのいいとこ取りをした「ハイブリッド式」。最近の主流は、「気化式」を発展させたタイプ。気化式の加湿器に温風を当てる仕組みにより、気化式のメリットはそのままに、急速加湿が可能です。また、「超音波式」で雑菌対策に特化した機種なども出ています。

メリット
・確実に部屋全体を均一に加湿できる。
・熱い蒸気が出ることもないのでヤケドの心配もなく、安全。
・加湿能力が高く、短い時間で部屋を加湿できる。

デメリット
・ 機能性が高いため、値段が高くなりがち。
・「気化式」「超音波式」「スチーム式」、それぞれのデメリットを併せもってしまう場合がある。

理想の加湿器を見つけるには「どこで、誰と使うか」がポイント

加湿器は、使う用途を具体的に想定すると選びやすくなります

どのタイプにもそれぞれにメリットとデメリットがあるので、自分の生活スタイルと合わせて検討してみたいもの。それでもいろいろあって、迷ってしまう…という人は、「どこで、誰と使うか」を考えてみると、理想のものが絞り込まれてくるはずです。

・「リビングは、1日中安定して加湿させたい」
→それなら、つけっぱなしにできる「気化式」

・「寝室などでインテリアになじませたい」
→それなら、デザイン重視の「超音波式」

・「大人しか入らない書斎で使いたい」
→それなら、手入れがラクな「スチーム式」

・「子ども部屋や玄関などのスポットで使いたい」
→それなら、安全かつ加湿速度の速い「ハイブリッド式」

このように、加湿器の設置場所と誰が使うのかを考えると、自然と適切なタイプが見えてきます。


加湿器の定期メンテナンスで大切なこと

加湿器の3タイプで一番メンテナンスを必要とするのは「超音波式」。

ほとんどの機種が毎日水を替えて、水の経路やタンクを洗う必要があります。機種によっては紫外線や特殊なフィルターを用いて消毒、カビ菌の発生抑止をしている場合もあるので、説明書に表記があるインターバルで掃除をしましょう。

このようなカビの生えたフィルタは水蒸気とともに雑菌を放出しているので、必ず掃除してください

一方で、「スチーム式」は熱湯により菌を死滅させているので、基本的には日々のメンテナンスは不要。「メンテナンスになかなか時間がかけられない…」という人は、ぜひこのタイプを選んでみてはいかがでしょうか。

なおどの機種も水蒸気が噴出す経路や吹き出し口などに黒いブツブツとしたシミができていないかどうかを、都度目視で確認することが大切です。このシミの正体は、たいていは黒カビのコロニー。カビの温床なので、見つけたらすぐ中性洗剤で拭き取りましょう。

定期メンテナンスのインターバルは機種によってさまざまです。必ず説明書をチェックしておきましょう。

オフシーズンの収納前に必要なこと

清掃するパーツを分解するとこのようになります(写真は気化式のもの)

オフシーズンには、説明書に従って取り外せる部品はすべて外し、水の経路や湿っている部分を洗った後にしっかり乾かしてから、本体にセットし直してしまっておきましょう。カビや菌を抑制するフィルターは経年劣化する場合があるので、しまう際には必ずチェック。フィルターは、耐用年数を超えたら交換することも忘れずにしてください。

現在ご自宅で使っている加湿器は、ちゃんとそのメリットを発揮できる場所で使われていますか? 今一度、手持ちの加湿器を見直してみてはいかがでしょうか。また、これから購入を検討されている方は、ぜひ選び方の参考にしてみてください。

藤山哲人さん
家電ライター
(ふじやま てつひと)あらゆる家電を使い込んで比較し、性能を数値やグラフにする技術系ライター。「家電おじさん」や「体当たり家電ライター」の異名をもち、絶対ソンしない家電を紹介。数値化のためにプロ用の測定器やアイディアを駆使し、測定器がなければ自作し制御ソフトも開発する電子工作マニアでもある。
Facebook(藤山哲人
この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
2018.12.12 更新
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
松崎愛香
EDIT :
高橋優海(東京通信社)