「頭陀袋」ってなんと読む?「とうだぶくろ」ではありませんよ!
明日、10月10日は『トートバッグの日』です。日付の語呂合わせで制定された記念日で、トートバッグの魅力をアピールするのが目的。ちなみに「トート」の意味は「運ぶ・背負う」で、「背負って運ぶ、荷物の入れ物(バッグ)」というような意味ですね。日本では古来、「バッグ」にあたるものとして「袋」が多く使われてきましたので、本日は「袋」に関連した日本語クイズをお送りします。
【問題1】「頭陀袋」ってなんと読む?
「頭陀袋」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「托鉢ほか、仏道の修行をする僧が、もの入れにするため首にかける袋」「死人を葬るとき、その首にかける袋」「だぶだぶにして、なんでも入るような袋」などを意味する言葉です。
<使用例>
「荷物が増えそうな気がしたから、大きめの頭陀袋を持ってきたわ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 頭陀袋(ずだぶくろ) です。
「ズタぶくろ」という言い方は俗語のように感じますが、「ズタ」は、もとは仏道の修行のひとつである「頭陀(ずだ)」…衣食住に対する欲望を払いのけること、また、托鉢の修行に出ることなどを意味します。このときに使う袋を「頭陀袋(ずだぶくろ)」と言い、僧が、旅先で使ういろいろなものをこの中に入れてあることから一般に転じ「(だぶだぶにして)なんでも入るような袋」という意味でも使うようになりました。「ズタズタにする」の「ズタ」ではありません。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「合切袋」ってなんと読む?
「合切袋」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「財布やティッシュなど、こまごました携帯品を入れる手提げ袋」のことで、昨今ではカジュアルな和装の際に持つ巾着などをこう呼びます。
<使用例>
「この小紋の着物に半幅帯の装いなら、バッグでなく合切袋をコーディネートしても大丈夫よ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 合切袋(がっさいぶくろ) です。
「一切合切(いっさいがっさい)」の「合切(がっさい)」です。「身の回りのなにもかもを入れた袋」というイメージの言葉です。
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本日は、10月10日『トートバッグの日』にちなんで、「袋」という字の入った日本語から、
・頭陀袋(ずだぶくろ)
・合切袋(がっさいぶくろ)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/日本気象協会ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱