「御鉢(おはち)が回る」ってどういう意味?正確にわかりますか?
明日、12月15日は『観光バスの日』です。日付は1925(大正14)年のこの日、当時のバス運行会社「東京遊覧乗合自動車」が、日本初の定期観光バスの運行を開始したことにちなんでいます。このバスは『ユーランバス』という名で、皇居前から銀座、上野のコースを走る定期観光バスでした。観光に特化した周回型のバス、という形ですね。ということで、本日は「周」「回」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「周章てる」ってなんと読む?
「周章てる」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「思いがけないものごとに出会って、普段の落ち着きを失う」「急いでする」などの意味です。
<使用例>
「バスに乗り遅れてから周章ててもしかたないわよ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 周章てる(あわ-てる) です。
「慌てふためく」という意味の「周章狼狽(しゅうしょうろうばい)」という四字熟語がございますね。あの「周章(しゅうしょう)」に送り仮名をつけた塾字訓の言葉です。似たような使い方の塾字訓の言葉に「美味(おい)しい」「彷徨(さまよ)う」などがございます。
さて、2問目は「回」という字の入ったクイズです。
【問題2】「御鉢が回る」ってどういう意味?
「御鉢が回る」という慣用句の意味として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。
1:悪い運気がめぐってくる
2:厄介ごとを押し付けられる
3:順番が回ってくる
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 3:順番が回ってくる です。
「御鉢が回る」とは、人の多い食事の席で、銘々(めいめい)でご飯をよそって食べる際に「ごはんの入ったおひつ(御鉢)が自分の順番に回ってくる」ことから来た慣用句です。大勢だと、自分の順番が来るまでに時間がかかるものですが、その人にとって都合の悪い当番についてなどを言うケースで「とうとう御鉢が回ってきた」という使われ方もします。ここから、ネガティブなものが巡ってくることを言うような印象をもつ方もいらっしゃるようですが、もともとの慣用句そのものにはネガティブな意味はありません。
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本日は、12月15日『観光バスの日』にちなんで、「周」「回」という字の入った日本語から、
・周章てる(あわ-てる)
の読み方と、
・御鉢が回る
という慣用句の正しい意味、言葉の背景などをおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/東京新聞ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱