連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People

明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する『Precious』連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、ジュエリーショップ「ISutti Gioielli」のオーナー・クリエイティブディレクターのラウラ サンタ マリア・スッティさんにインタビュー!

幼い頃からの夢だったジュエリーショップオープンを叶え、あることをきっかけに、医療の世界にも貢献しつづけるラウラさんに、詳しくお話しをうかがいました。

ラウラ サンタ マリア・スッティさん
「ISutti Gioielli」オーナー・クリエイティブディレクター
(Laura Santa Maria Sutti)ミラノ生まれ。経営・経済・データサイエンスなどを専門とする超難関のボッコーニ大学で経済学を学ぶ。卒業後、ミラノのジュエリーブランド「ポメラート」で15年、日本の老舗ジュエリーブランドのイタリア支社で11年間働く。’20年、歴史ある街モンツァに自身がデザイン・企画したジェエリーショップ「ISutti Gioielli」をオープン

【Milan】幼い頃からの夢を叶えたジュエリーショップで医療にも貢献

「ISutti Gioielli」オーナーであり、クリエイティブディレクターを務めるラウラ サンタ マリア・スッティさん
「ISutti Gioielli」オーナーであり、クリエイティブディレクターを務めるラウラ サンタ マリア・スッティさん

ジュエリー業界で26年にわたりキャリアを重ねてきたラウラさんは、ジュエリーショップ「ISutti Gioielli」をオープンすることで、ふたつの夢を叶えた。ひとつは幼い頃からの「祖母が持っていたアンティークジュエリーに魅せられ、いつか、こんな美しさと光に包まれたジュエリーをつくりたいと思っていた」夢。そしてもうひとつは、「息子が大病をしたことから、自分にも何かできないかと常々考えていた」こと。

「ふたり目の子供を妊娠中に、当時2歳だった長男が白血病と診断されました。幸いにも医療チームに恵まれ、彼は病を克服することができ、20歳を迎えることができたんです。どんな障害も困難も、必ず乗り越えられると私は信じている。だから私の大きな情熱であったジュエリーの仕事も、きっとうまくいくと決意して、お店をオープンさせました」

オープン初年度は、売り上げの一部をお世話になった病院の小児病棟に寄付。2年目は企業の協賛を得て、病院内に子供たちのリハビリを目的としたジムを設置した。3年目には、使われなくなった農家の納屋を買い取って改装、子供の治療のために地方から来る家族が宿泊するための簡易施設をつくった。

「今年は慈善団体と協力し、オニキスを使って、四つ葉のクローバーが付いたブレスレットをつくります。小さなことですが、今後も支援を続けていきたいと思っています」

ラウラさんのジュエリーは、半貴石の特性を生かした、凝ったデザインやカッティングが特徴。一般的に、工程の途中で化学物質を加えることが多い半貴石だが、ラウラさんはよけいな加工をいっさい行わず、「原石のままで美しく見せる」ことにこだわる。

「コンセプトは『ミックス&マッチ』です。洋服と同じように、ジュエリーでもハイブランドとのミックスを楽しんでほしい。女性がより美しく、自分らしさを心地よく感じられるように、手助けができたらと思っています」

◇ラウラ サンタ マリア・スッティさんに質問

Q.朝起きていちばんにやることは?
ベッドで一緒に寝ている動物たちを撫でながら、また新しい一日を送れることに感謝する。
Q.人から言われてうれしいほめ言葉は?
「あなたがそばにいると気分がいい」
Q.急にお休みがとれたらどう過ごす?
アフリカに旅行に行きたいですね。雄大な自然の中で、一瞬一瞬を楽しみ、味わうような時間を過ごす。そんな休暇が叶えられたら。
Q.仕事以外で新しく始めたいことは?
もっと旅をしたい。
Q.10年後の自分は何をやっている?
未来の私も仕事をし、旅をし、楽しみ、体験し、そして夢を見ていると思います。
Q.自分を動物にたとえると?
愛らしく独立心の強い猫。

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PHOTO :
Massimiliano Ninni
取材 :
Yuki Katagiri