高橋リタさんのスタイルに根付く「シンボリック・ブラック」の奥義とは?

打ち合わせや撮影現場、パーティなど、どんな場面にも多彩な黒の装いで現れるリタさん。その着こなしにはブレないスタイルの軸がありながらも、いつもどこか新しさを感じます。それは、彼女が手掛ける本誌のコーディネートも同様。高橋リタ流「シンボリック・ブラック」についてうかがいました。

“「タイムレス」で「シーンレス」。奥深い黒の魅力を等身大で伝えていきたい”

リタさんが本誌で提案してきたコーディネートのなかから、印象的な黒の着こなしをピックアップしてみました。

高橋リタさんスタイリングによる『Precious』バックナンバー
1.Precious 2018年12月号「『黒タートル』の洗練ワザ8」 撮影/長山一樹(S-14)、2.Precious 2018年3月号「『美栄えベーシック』を極めるなら、やっぱり春も『黒』」 撮影/生田昌士(hannah)、3.Precious 2021年6月号「贅沢な午後に『アペリティフ・スタイル』」 撮影/長山一樹(S-14)

「今回選んだコーディネートは、今も変わらず自分のスタイルの軸にある、シンボリックなもの。昔から大切にしている “シーンレス” というおしゃれのこだわりが、今見ても色褪せない理由なのではないでしょうか。私は黒を、究極のシーンレスカラーだと考えています。それは黒が、さまざまな表情を秘めた色だから。エレガント、モード、カジュアル、スポーティ。どんな場面にも溶け込み、日常とドレスアップをシームレスにつないでくれるのです」(リタさん)

高橋リタさんスタイリングによる『Precious』バックナンバー
4.Precious 2018年3月号「『美栄えベーシック』を極めるなら、やっぱり春も『黒』」 撮影/生田昌士(hannah)、5.Precious 2019年12月号「かっこいい女は『黒のスティックパンツ!』の法則」撮影/長山一樹(S-14)、6.Precious 2018年12月号「『黒タートル』の洗練ワザ8」 撮影/長山一樹(S-14) 

黒の二大ベーシックアイテム、「タートルネックニット」(写真1・6)と「スティックパンツ」(写真5)を深掘りしたテーマが、特にリタさんのお気に入り。王道の黒アイテムで表現できる、女性像の幅広さを実証しました。

「魅せ方しだいでは地味にも転ぶ色なので、選びの見極め方や素材合わせ、小物使いなど、細部にいたるまで丁寧な提案を心掛けるようにしています」(リタさん)

“多面的な「黒小物」の掛け合わせで着こなしを仕上げるのが私流”

リタさんのシンボリックなスタイルを彩るのが、三種の神器ともいえる黒小物。

「クラシカルなワンハンドルバッグは、品格を司る存在。カジュアルな装いでもエレガンスを失わない秘訣です。ローファーには、程よいトレンド感を託します。シルエットや金具使いなど、旬のデザインに随時アップデートすることで今っぽさが表現可能に。そしてリッチ感を担うのがサングラス。黒のまじめさを打ち消して、華やぎを足したいときに活躍します。私のスタイルにおいて、この3つは必要不可欠です」(リタさん)

◇Sunglasses

プロポデザインのサングラス『JOJO』
サングラス『JOJO』¥49,500(プロポデザイン〈プロポ〉) 

◇Loafers

J.M. WESTONの靴『トリプルソールローファー #170』
靴『トリプルソールローファー #170』¥181,500(J.M. WESTON 青山店〈J.M. WESTON〉)

◇One Handle Bag

デルヴォーのバッグ『ルーモア MM』
バッグ『ルーモア MM』[縦21.5×横29×マチ16cm]¥1,537,800(デルヴォー〈デルヴォー〉)

“「黒のスティックパンツ」を使ったコーディネートは無限につくれる気がします”

ファビアナフィリッピのニットとロエフのパンツ
ニット¥176,000/店舗限定(アオイ〈ファビアナフィリッピ〉)、パンツ¥41,800(エイチ ビューティー&ユース〈ロエフ〉) 

仕事でもプライベートでも、「黒のスティックパンツ」はリタさんの制服。

「春夏秋冬、365日、黒のスティックパンツスタイルでもいいかもしれないと思うほど。究極にシンプルだから、靴もトップスもアウターも選ばないうえ、合わせるものしだいで印象が一変するんです。そんな無限の可能性を秘めたパンツで、いかに新鮮で素敵な着こなしを見せられるか。スタイリングの技量を試されているようでわくわくします」(リタさん)

ひとつのものを突き詰めて、深く掘り下げるのが好きだと言うリタさん。「黒のスティックパンツ」という、限定された世界のなかでこそ模索できる着こなしバリエーションの追求に、このうえない楽しさを見出すのだと言います。

「ベーシックなアイテムも、更新を忘れないことで常に新しい気分で着続けられる。基本の自分軸に、時代に即したマイナーチェンジを重ねていくのが、自分らしい『シンボリック・ブラック』を貫く秘訣だと思います」(リタさん)

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
※高橋リタさんの【高】は「はしごだか」が正式表記です。

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問い合わせ先

PHOTO :
池田 敦(CASK)
STYLIST :
高橋リタ
EDIT&WRITING :
奥山碧子(Precious)