19世紀フランスの科学技術の粋をアートピースに昇華したハイジュエリー

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左/『ヴィジョン』ネックレス(C)Laziz Hamani 右/イエローサファイア(C)Laziz Hamani

19世紀フランスのクラフツマンシップと科学の革新を表現した、「ルイ・ヴィトン」のハイジュエリーコレクション『Awakened Hands, Awakened Minds(アウェイクンド ハンズ アウェイクンド マインズ)』。メゾンのウォッチ&ファインジュエリー部門のアーティスティック・ディレクター、フランチェスカ・アムフィテアトロフが手がけた本コレクションの第2章として、新たな作品が発表されました。

自然科学や移動手段が大きく発達し、近代化を迎えたパリ。「ルイ・ヴィトン」が産声をあげた、この時代の飛躍的な進歩に着想を得た今回のコレクションでは、フランスを新たな時代へと駆り立て、職人の手仕事と精神に変化をもたらしたテーマを掘り下げて表現。7つの主題と50点のマスターピースが登場しました。

美しく希少な宝石と、卓越したサヴォアフェール(匠の技)によって、メゾンならではの魅力と芸術性が遺憾なく発揮されたハイジュエリーのなかから、7点をセレクトしてご紹介します。

■1:アイコンモチーフを華麗に再解釈した『スプランドゥール』

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『スプランドゥール』(C)Nathaniel Goldberg

フランス王宮の調度品の壮麗なフローラル・モチーフから着想を得て、メゾンを象徴する“モノグラム・フラワー”を再解釈した『スプランドゥール』。

ゴールドとプラチナのパターンを交互に配した透かし細工がアクセントのペンダントには、ダイヤモンドが散りばめられ、中央には8.69カラットの見事なモザンビーク産ルビーがあしらわれています。揃いのリングとイヤリング共々、精緻な手仕事の美しさが光るジュエリーです。

■2:装飾的なフランス磁器の技巧を宿す『フェノメナル』

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『フェノメナル』(C)Nathaniel Goldberg

フランス磁器から着想を得て、格子細工や華麗な装飾を取り入れた『フェノメナル』のネックレス。

大胆で幾何学的なロープのモチーフは、ダイヤモンドとゴールドを織物のように組み合わせ、メゾンのシグネチャーである「V」をあしらった複雑で技巧的なデザイン。ネックレスの中心には、“LV モノグラムスターカット”を施したダイヤモンドと、優美な7.44カラットのコロンビア産エメラルドが輝きます。

■3:幾何学的に連なるダイヤモンドが繊細に輝く『エレガンス』

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『エレガンス』(C)Nathaniel Goldberg

『エレガンス』のテーマからは、繊細なホワイトゴールドと“LV モノグラムスターカット”を施したダイヤモンドが織りなす、トランスフォーマブルなブレスレットが登場。ダイヤモンドをV字に連ねたチェーンは、完璧に身体の動きに沿いながら、幾何学的な格子模様を描き出します。

コレクションの主題である「発明へのオマージュ」と熟練の技を象徴する、遊び心あるフェミニンなデザインです。

■4:重力が描く軌道をサファイアの輝きで彩る『グラヴィテ』

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『グラヴィテ』(C)Nathaniel Goldberg

美しい軌道で目には見えない重力の存在を感じさせる「フーコーの振り子」のように、科学的な精密性や不可視の領域への視点にインスパイアされた『グラヴィテ』。

長方形、三角形、円形とさまざまなカットのダイヤモンドを精緻に連ねて、幾何学的な模様を描き出したチョーカーの中央を飾るのは、息をのむほどに美しい27.20カラットの希少なカシミール産サファイア。深遠な青い輝きは、この世界を支える物理法則の美しさに気づかせてくれます。

■5:革新の時代をダイナミックに描き出す『ディナミズム』

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『ディナミズム』(C)Nathaniel Goldberg

V字のモチーフを立体的に連ね、メゾンの卓越した技術を際立たせる構築的な美しさに仕上げられた『ディナミズム』のネックレス。19世紀モダニズムの力強く革新的なパワーを象徴しています。

プラチナとイエローゴールドが三角形のコントラストを描き出し、ダイナミックな視覚効果を発揮。ドミノのように視線が導かれた先には、2つの“LV モノグラムスターカットダイヤモンド”がまばゆい輝きを放ちます。

■6:産業革命がもたらした自由闊達な旅路を表現する『ヴィジョン』

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『ヴィジョン』(C)Nathaniel Goldberg

産業革命による驚異的な成長と鉄道の機械化がもたらした、より自由な旅への憧憬。ラグジュアリーに再解釈されたビス(鋲)や、プラチナ、ゴールド、ダイヤモンドで表現された線路が旅情をかきたて、メゾンの未来へと続くヴィジョンをも描き出すかのようです。

建築を思わせる複雑で緻密なネックレスの中央にセットされたのは、“LV モノグラムスターカット”を施したダイヤモンドと、50.01カラットにもなる稀少なスリランカ産イエローサファイア。太陽のような黄金の光で、発展した国のレガシーを讃えます。

■7:パリの象徴・エッフェル塔を燦然と照らす『ヴィクトワール』

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『ヴィクトワール』(C)Nathaniel Goldberg

19世紀フランスの発展を象徴する、パリのランドマーク「エッフェル塔」。この芸術的な建築にオマージュを捧げ、メゾンの比類なきサヴォアフェール(匠の技)によって創り上げられたネックレスは、コレクション全体を貫くテーマ『アウェイクンド ハンズ アウェイクンド マインズ』を体現しています。

塔の構造を思わせる幾何学的なグリッドには、ダイヤモンドとイエローダイヤモンドがふんだんに散りばめられ、光り輝く流線の先には、時代の栄光を象徴する驚異的なグレードの“LV モノグラムスターカットダイヤモンド”が。大胆かつ緻密な煌めきで、近代化の世紀を高らかに讃えます。


以上、「ルイ・ヴィトン」のハイジュエリー コレクションをご紹介しました。メゾンの原点に立ち返り、驚くべき科学的発展の母胎となった19世紀という時代性を、匠の技で見事に描ききった本コレクション。育まれた工芸と科学の関係性は、これからも美を追求するメゾンのインスピレーションを刺激し、私たちに限りない驚きをもたらしてくれることでしょう。

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