「這裏」ってなんと読む?「はいうら」ではないですよ!
明日・3月5日から、令和7年の二十四節気は『啓蟄』に入ります。「冬眠していた地中の虫が、春の陽気に誘われて這い出てくるころ」という意味です。そろそろ冬物をしまう衣替えを考えてもよいかもしれませんね。本日は「這い出る」の「這」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「這般」ってなんと読む?
「這般」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「這」には「この」という意味があり、「這般」は「これら。この辺。このたび。今般」などの意味です。
<使用例>
「這般の事情を鑑(かんが)みると、イベント当日にはそうとう広いスタッフルームが必要かと」

…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 這般(しゃはん) です。

「這」という字は「這(は)う)」のほか「この。これ」という意味ももっています。「這般(しゃはん)」は「これら一般。これら全般」というような構成の熟語です。例文に出てきたような「這般の事情」という言い回しは、「諸般(しょはん)の事情」と併せて使用されますので、覚えておきましょう。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「這這の体」ってなんと読む?
「這這の体」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:慣用句で「今にも這い出さんばかりの様子」という意味で、ひどく恥をかいたり、さんざんな目にあったりして、あわててその場を逃げ出すような様子に使う言葉です。
<使用例>
「友人が昔、あのあたりでぼったくりバーに遭遇して、這う這うの体でなんとか帰宅した…という話があったのよ」

…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 這這の体(ほうほう-の-てい) です。

この慣用句は知っていても、漢字表記は知らなかった、という方、多いのでは?「這(は)う」は古典の時代には「ほう」と発音いました。「這這の体」の「ほいほう」の読み方は、その時代からの名残です。
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本日は、3月5日から令和7年の『啓蟄』に入ることにちなんで、「這」という字の入った日本語から、
・這般(しゃはん)
・這這の体(ほうほう-の-てい)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱