押田比呂美流「シグネチャー・スタイル」の奥義── 品格と迫力で描く、究極のエレガンス

これからのプレシャス世代の「シグネチャー・スタイル」とは──

今回共に考えたのは、創刊から『Precious』を手掛けるスタイリスト、押田比呂美さん。押田さんは、これまで一貫して提案してきた女性をいっそう美しく輝かせる「エレガンス」を、これからも追求したいと言います。

押田流スタイルの魅力に改めて迫り、その最新をお届けします。さらに今回は【押田流「シグネチャー・スタイル」の流儀】について、詳しくお話しをうかがいました。

押田比呂美さん
スタイリスト
(おしだ ひろみ)『Precious』創刊時からラグジュアリーで成熟した女性像を提案し続けるスタイリスト。本誌スタッフやエレガンス派の読者はもちろん、女優たちからの支持も厚い。

【押田流「シグネチャー・スタイル」の流儀とは?】創刊から21年。エレガンスを追求する軸は変えることなく、時代の気分を取り入れる

『Precious』創刊時から、今も、そしてこれからも、押田さんのブレないおしゃれの軸は、「エレガンス」。

「私が考えるエレガンスとは、センシュアルな美しさがあって、でも媚びがなくて、凛とした気品と清潔感もある…。本物のエレガンスとは、着こなしに精神的な成熟も表れてこそ、成立するものだと思います」

その根底にあるのは、押田さんが「生き方までかっこいい大人の女性」という、ジャンヌ・モローを彷彿とさせる、’50〜’60年代の艶のあるクラシックスタイル。「そこに普遍的なエレガンスを感じるのです」

艶めきが、上質なものを知る大人を華やかに見せる

女性をもっと美しく、輝く存在へと導く、“成熟したエレガンス” を土台にした「押田流シグネチャー・スタイル」。その着こなしには、品格と迫力、センシュアルさを併せもつ華やかな存在感が際立ちます。改めて押田さんが本誌で提案してきたページを振り返ってみても、「上質なものを知る大人のエレガンスを磨く」思いは一貫しています。

それを叶える実践的なアプローチとして核となるアイテムを挙げると、「華やぎブラック」「インパクトマテリアル」「センシュアルジュエリー」の3つ。それぞれが艶めきを加えてくれ、いわゆるシンプルとは異なる存在感があり、着映えるものであることが特徴的です。

「着映えるということは、自分もおしゃれを楽しみ、そのおしゃれが人の目も楽しませることだと思うのです」。例えば、贅沢なジュエリーならごくベーシックな服に合わせたいという人もいますが、あえて華のある自分らしい服に合わせ、特別なオーラを相乗効果で楽しむのが押田流です。

これからのおしゃれも“エレガンス磨き”と共に

プレシャス世代のなかには、時代が大きく移り変わり、そして自分も年齢を重ねることで、今、おしゃれとの向き合い方を迷っている人もいるかもしれません。けれど押田さんは、「いくつになっても自分磨きをしたいように、おしゃれを楽しみ、“エレガンス磨き” をしたいもの」と言います。

「必要なのは、エレガンスという基軸を大切にしながら、トレンドと程よい距離感を保ちつつ、時代の気分を上手に取り入れ、自分のものにすること。この春なら、コーディネートにスポーティな気分を取り入れるのもおすすめです」。

時代に即して “エレガンス磨き” を極めてこそ、押田流シグネチャー・スタイルはフレッシュに輝くのです。

生き方そのものからエレガンスを追求する女性たちを理想像に

キム・ソヒョンとジャンヌ・モロー
左から/Kim Seo-hyung(キム・ソヒョン)、Jeanne Moreau(ジャンヌ・モロー)

おしゃれの想像力をかき立てるのは、女優たち。「映画『死刑台のエレベーター』で夜のパリを彷徨うジャンヌ・モローは、知的でエレガントなトレンチ姿の魅力を教えてくれ、晩年まで大人の媚びない女らしさで輝いた人。

韓国ドラマ『スカイキャッスル』で圧倒的な存在感を放ったキム・ソヒョンは、プレシャス世代。「クールさのあるエレガンスに惹かれます」

マチュアな美を日本にも!そんな心意気で20年以上を駆け抜けて

雑誌『Precious』のバックナンバー
左から/2024年10月号(C)藤森星児、2013年10月号(C)熊澤 透、2011年10月号(C)浅井佳代子

『Precious』創刊時から「日本の女性は素敵。けれどもっと匂い立つような女らしさ、エレガンスが必要だと思っていた」という押田さん。

スタイリングにセンシュアルさと品格のある華やかさを加えることで、本来女性がもつ魅力をもっと引き出したいと、さまざまな形で提案。バックナンバーを改めて見つめてみると、押田さんのそんな思いが伝わってくる。

「小雪さんや高橋里奈さん、そして大政絢さん…。成熟したエレガンスは、洋服を着こなす方々と共につくり上げてきたもの」

2025年春夏コレクションで惹かれたのも、品格と迫力のある美しさ

ラグジュアリーブランドの2025年春夏コレクションルック3点
左から/MICHAEL KORS COLLECTION、McQUEEN、SPORTMAX

「今季のおしゃれも、艶やかなブラックから」という押田さん。注目したのは、“スポーツマックス” のドレープが美しい軽やかなワンピースと、“マックイーン” の華のあるクラシカルモダンなモノトーン。

“マイケル・コース” に代表される、「クチュール感のある素材も大人にふさわしい品格を加えてくれます」

必見!押田流「シグネチャー・スタイル」核となる3つの法則は?

押田流エレガンスを導く3アイテムは、華やかな存在感がある、着映えるものたち!

ニナ リッチのブラウス、フォルテ フォルテのブーツ、ポメラートのジュエリー
 

画像左:【センシュアルジュエリー】
ブレスレット『サッビア』[RG×ホワイト&ブラウン&ブラックダイヤモンド]¥3,432,000・リング『ヌード』[RG×チタン×オブシディアン×ブラックダイヤモンド]上から/¥682,000・¥539,000(ポメラート)

画像中央:【インパクトマテリアル】
クリスタル付きブーツ¥132,000(コロネット〈フォルテ フォルテ〉)

画像右:【華やぎブラック】
ブラウス¥253,000(イザ〈ニナ リッチ〉)

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
※文中の表記は、RG=ローズゴールドを表します。

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問い合わせ先

PHOTO :
池田 敦(CASK)
STYLIST :
押田比呂美
EDIT&WRITING :
川村有布子、遠藤智子(Precious)
写真協力 :
Getty Images