【ケーススタディ】今年、45歳になる陽子さん。夫と共働きで、大学生になる子どもがひとり。そろそろ自分の将来のキャリアについて考え出しています。入社当時は、今のように女性の管理職が推進されるとは思いも寄らなかったため、特に役職への願望はないまま、ここまで来ました。けれど、最近では自分も管理職となる可能性も出てきて、少し将来のことを考え出しています。

そんな陽子さんは、これからキャリアアップを考える際、どのようなスキルを身につけるとよいのでしょうか?

ビジネススクールで有名なグロービスの鳥潟幸志さんに、40代のビジネスウーマンが、管理職も想定して身につけると役立つスキルや、おすすめの勉強法について教わります。

「教える力」「調整力」こそ、40代のビジネスウーマンが身につけるとメリットのあるスキル

40代のビジネスウーマンが身につけるべきスキルとは?

鳥潟さんは、陽子さんのような40代女性は、今後、次のような方向を目指すのがいいと話します。

「年齢的にも経験的にも、組織からは若手のいるチームをリードしていくことが求められているかと思います。また、若手に対してわかりやすく仕事を教えていく力が重要であるとともに、部門間の調整の仕事も出てくるはずです。それらを実現するスキルを養っていくといいと思います」

「教える力」「調整力」を身につけられるテーマ7つ

40代女性が習得すべきおすすめのテーマとは?

若手をリードし、仕事をわかりやすく教える力と、部門間の調整スキル。どれも確かに欲しいものです。

そこで鳥潟さんに、40代のビジネスウーマンだからこそ学ぶべき、リーダーとしての初歩・組織運営の意識を養えるテーマ物事を人にわかりやすく伝え、動かすためのテーマを、ビジネスを学べる動画サービス『グロービス学び放題』の中から教えてもらいました。

リーダーとしての初歩・組織運営の意識を養えるテーマ3選

「グロービス学び放題」の画面例

●1:PM理論
Pは「Performance(目標の達成)」、Mは「Maintenance(集団や組織の維持・強化)」のこと。三隅二不二教授によって提唱された理論で、リーダーシップはこの「P機能」と「M機能」の2つの能力要素で構成されるというもの。リーダーとしての強み・弱みを認識し、改善に役立てることができます。
PM理論

●2:マズローの欲求5段階説
心理学者マズローによって提唱されたモチベーション理論。人間の欲求を5段階に分類し、重要性に従ってそれらが階層構造をなしているとされるもの。この欲求5段階説を活用することにより、リーダーとして自分や部下、組織の動機づけを考えるヒントにすることができます。
マズローの欲求5段階説

●3:リーダーシップとマネジメントの違い
リーダーシップは「変革の推進」、マネジメントは「効率的な組織運営」のこと。リーダーには、リーダーシップとマネジメントの両方が求められるため、ふたつを理解し、日常に役立てていこうとするテーマ。
リーダーシップとマネジメントの違い

物事を人にわかりやすく伝え、動かすためのテーマ4選

●1:プレゼンテーションスキル
聴き手に理解、共感され、説明した側が望んでいる行動を聴き手に取ってもらうためのスキル。
プレゼンテーションスキル

●2:ビジネスライティング
読み手に読んでもらえる、印象に残る、伝わる文章の書き方や整理法、考え方。
ビジネスライティング

●3:社内を動かす力
組織を動かし成果を出すリーダーになるためには、どのようなスキルが必要か、また実行する上でのコツを知るテーマ。
社内を動かす力

●4:パワーと影響力
人を動かすメカニズムとして、「パワーと影響力」という概念の理解、パワーの源泉とそれを獲得・行使するプロセスや技術論を学ぶテーマ。
パワーと影響力

「上記のような”テーマ”の基本的なことを知っておくと、自分のやり方に合わせて応用して使うことができます。ある程度年齢を重ねているからこそ、改めて基本を学び直すと、よりいっそう強みが発揮されるのではないでしょうか」

仕事&家事と両立できる!40代女性のスキルの学び方

40代女性のスキルの学び方

学ぶテーマが決まったら、次の課題は、「いつどこで勉強するか」ということ。陽子さんのような40代女性は、きっと家に帰っても何かとやるべきことが待っているはず。外での仕事と両立しながらスキルアップ学習を賢く行う方法として、鳥潟さんは次の3つを挙げます。

■1:ちょっと空いた時間を活用する

「ひとつが短いものを、ちょっと空いた時間に活用することをおすすめします。例えば『グロービス学び放題』は1動画1分からなので、電車の待ち時間など、少しだけ空いた時間にサクッと視聴することができます。その他、本でも音声でもなんでもいいのですが、単元が短いものがいいですね」

■2:「ながら勉」をする

「朝、子どものご飯をつくる際に、キッチンでまな板の横にスマホを置いて動画を流している方がいらっしゃいました。何かをしながらでも勉強はできます。勉強は机に向かってやるものという固定概念を外して、カジュアルに捉えてみましょう」

■3:毎日、歯磨きをするように勉強をする

「毎回『やろう!』と決めて勉強するのではなく、毎日の歯磨きのように、学ぶことを習慣化するとよいと思います。そうすれば『続けなきゃ』と思わなくても、自然と続くものです」

40代からでも女性のキャリアアップは可能?

40代からのスキル習得は可能?

ところで、陽子さんのような40代のビジネスウーマンは、実際、スキルを習得することでキャリアアップしていくことはできるのでしょうか?

「グロービスでは、多くの似たような女性の方が弊社のビジネススクールに通学され、自己実現に邁進されています。大手企業でバリバリと営業をやられ、子会社の執行役員として抜擢された方や、より広い世界を目指し独立して活躍されている方など、皆さん各自で学びを深められながら、多方面で活躍されています」

実際、グロービスで学んだ女性たちの中には、もともと広報の仕事に興味はあったものの知識も経験もなく自信がなかったところ、ビジネススクールで足りない知識やスキルを学んで自信をつけ、広報への異動を実現させた女性がいたそうです。

また、簿記の資格を持っていたものの、いざお金の管理の仕事を任せられた際、まったく通用しないことに気づき、自ら知識とスキルを習得。お金に関する管理業務だけでなく、仕事に関する考え方がガラリと変わってしまうほどの高い視点で考えられるようになった…という女性もいたそうです。

成長はいくつになっても、どんな境遇にあっても可能。40代だからこそ役立つ知識やスキルを身につけ、視野を広げ、着実にステップアップしていきましょう。

鳥潟幸志さん
(とりがた こうじ)埼玉大学教育学部卒業/グロービス経営大学院経営研究科経営専攻修了 学位:MBA サイバーエージェントで金融・旅行・サービス業のネットマーケティングの支援後、デジタル・PR会社のビルコム株式会社を共同創業。取締役COOとして、新規事業開発、海外支社マネジメント、営業、人事、オペレーション等、経営全般に10年間携わる。グロービス参画後、現在は『グロービス学び放題』の事業リーダーを務めるほか、グロービス経営大学院や企業研修において思考系、ベンチャー系等のプログラムの講師や、大手企業での新規事業立案を目的にしたコンサルティングセッションを講師として、ファシリテーションを行う。 
WRITING :
石原亜香利