陽射しが強くなるにつれ、日やけ肌が恋しくなるのは、世界中の男に共通の本能なのだろうか。マリンスポーツやゴルフを楽しみつつ、きれいに日やけしたブロンズ肌に憧れを持つ男は少なくない。
ブロンズ肌はお金持ちの代名詞
アニエリに学ぶ上質なブロンズ肌
フランスやイタリアでは、バカンスの季節がくると、イタリア・サルデーニャ島をはじめ、フランス・コルシカ島やギリシャ・サントリーニ島のビーチで陽射しを満喫し、健康的に日やけした肌で仕事に戻ることがステイタスとされている。そんな歴史から、フランスやイタリアの化粧品ブランドには、リッチな日やけ肌をつくる、「サンタン=日やけ」コスメが多い。
アルマーニ メンなど、一部の男性用コスメブランドには日やけ止めの取り扱いがない場合があるほど。つまり、鍛えた体たい軀くと、ラグジュアリーなブロンズ肌は、伊達男としての嗜たしなみなのだ。
そんなブロンズ肌のアイコンを体現している男が、イタリアの財閥「フィアット」グループの名誉会長だった、ジャンニ・アニエリだ。彼はビジネスにおいて目覚ましい成功を収めただけでなく、サッカーチーム、ユベントスや、フェラーリの後援者としても知られ、また、ヨットをこよなく愛した男でもあった。ビジネス界では巨頭として君臨しながら、たくましく洗練された雰囲気も併せ持っていたのは、スポーツやヨットに情熱を注いだことにあるのかもしれない。では、私たちがアニエリのような上質感あるブロンズ肌を手に入れるには、どうすればいいか。そのポイントは3つある。
まずひとつ目は、リッチな日やけ肌づくりに定評がある、フレンチブランドのサンケアを使うこと。シスレーやクラランス、ゲランなどがその代表格だ。前述したように、これらのフレンチブランドは、数十年に亘り、セレブリティの日やけ肌を支えてきた。しかも、これらのサンケアにはエイジングケア成分も配合されているため、紫外線による肌ダメージを最小限に留めながら、色むらのないブロンズ色に仕上げることができるのだ。
きれいなブロンズ肌を作る日焼け止め
ふたつ目は、リッチなブロンズカラーは時短では手に入らないということ。アニエリのようなブロンズ肌は、時間を費やしてこそつくられるもの。せっかちな日本人は短時間で日やけしようとするが、それでは上質な印象とはほど遠く、色むらのある貧相なイメージに仕上がってしまう。また、太陽が真上にある12時〜14時の間は日やけを避けて、その前後の時間に陽射しを浴びることも心に留めておきたい。
そして3つ目のポイントは、日やけ後は毎日、全身を保湿すること。紫外線を浴びた肌は乾燥して、ぱさついたり、あぶらっぽくなったりと、不安定な状態に陥る。それを防ぎつつ、十分なうるおいを補給するためにボディローションや保湿クリームを全身に塗ってほしい。すると、健康的なブロンズカラーをより長期間保つことができる。乾いたブロンズ肌ほど、哀愁が漂ってしまうものはないし、きれいなブロンズ色を保つのが難しいからこそ、ヨーロッパではブロンズ肌はセレブリティの証と言われているのだ。保湿ケアは面倒ではあるが、肌印象に凜々しさを加えるためにも、ぜひ習慣にしてほしい。
うるおいを与え続けて上質感をキープ
アニエリのなめらかで光沢のあるブロンズ肌には、寡黙な色気が宿る。彼のカリスマ的な存在感や洗練されたファッション性、そして数多くの女性たちを惹きつけた魅力は、この肌色にもあるのかもしれない。
※2015年夏号掲載時の情報です。
- TEXT :
- 加藤智一 美容ジャーナリスト
- BY :
- MEN'S Precious2015年夏号 男の肌の曲がり角は50歳! その前に伊達男のすべきことは…ジェントルマン的・顔と体のエイジング道より
- クレジット :
- 撮影/小寺浩之(ノーチラス)イラスト/須藤 俊(HUESPACE)スタイリング/石川英治(tablerockstudio) 構成/加藤智一