「瓩」ってなんと読む?「がせん」ではありませんよ!

明日・4月11日は『メートル法公布記念日』です。1921(大正10)年のこの日に、日本国内で使う長さや重さの単位を、世界的な単位「メートル」「キログラム」とすることを決める「メートル法」が公布されたことにちなんでいます。しかし当時、それまで使われていた「尺貫法」から変更することに対する反発する向きが強く、「メートル法」が完全に実施されたのはなんと38年もあとの1959(昭和34)年以降です。

生活に関わる単位の変更には、たいへん長い期間を必要としたのですね。ということで本日は「単位」に関連した日本語クイズをお送りします。

【問題1】「粍」ってなんと読む?

「粍」の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「メートル」を日本の表記にすると「米」ですね?

<使用例>

「一米の千分の一が一粍です」

かな6文字です。
かな6文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 粍(ミリメートル) です。

「米(メートル)」よりも小さな単位を表す漢字が、いろいろございます。
「米(メートル)」よりも小さな単位を表す漢字が、いろいろございます。

「米(メートル)」より小さな単位を表す漢字に、「デシメートル=十分の一メートル=粉」「センチメートル=百分の一メートル=糎」「ミリメートル=千分の一メートル=粍」などが当てられました。

「メートル」を表す「米」を偏にして、その横に日本古来の、尺貫法当時にも使われていた「割合の単位」である「分(ぶ)=十分の一」「厘(りん)=百分の一」「毛(もう)=千分の一」を合わせる、という考え方です。「デシメートル=粉」は、既存の「粉(こな)」という字になってしまっていますが、「糎(センチメートル)」「粍(ミリメートル)」は、単位専用の漢字です。

さて、2問目にまいりましょう。

【問題2】「瓩」ってなんと読む?

「瓩」の正しい読み方をお答えください。

ヒント:1問目がヒントになっています。

<使用例>

「私の体重は、五十瓩です」

かな5文字です。
かな5文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 瓩(キログラム) です。

「グラム」の漢字表記を「瓦」とし、その千倍なので、この表記です。

「グラム」を和訳する際、最初「瓦蘭馬(ガラムマ)」という音訳が採用され、それの短縮形として「瓦(グラム)」という単位表記が使われるようになりました。最もよく使う単位「キログラム」は、これを千倍したものなので「瓩(キログラム)」というわけです。この表記、いまでも、古い書物や重機などで見かけることがございますので、覚えておくと意外と役立ちます。

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本日は、4月11日『メートル法公布記念日』にちなんで、「単位」に関連した日本語から、

・粍(ミリメートル)

・瓩(キログラム)

の読み方や、言葉の背景についておさらいいたしました。

この記事の執筆者
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Precious.jp編集部 
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参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/東京新聞ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱