万博イヤーだからこそ実現できた!日本美術の “ベスト盤” 的展覧会が大阪で開催
大阪・関西万博の開催時期は、美術界でも注目展が続々!なかでもリニューアルオープンした大阪市立美術館の「日本国宝展」は、各時代やジャンルの“顔”ともいえる有名作品がずらり勢揃い!
今回は美術ライターの浦島茂世さんにご紹介いただきました。
【今月のオススメ】大阪・関西万博開催記念 大阪市立美術館リニューアル記念特別展『日本国宝展』
天王寺公園にある大阪市立美術館が、2年半の休館を経て3月1日にリニューアルオープン。記念特別展として、大阪では初となる大規模な国宝展を開催する。幅広い時代と多彩なジャンルの国宝作品約130件が各地から集結。大阪にゆかりの深い国宝も一挙公開される。会期中展示替えあり。お目当ての国宝を見逃さないためにも、展示期間の確認を。
【必見国宝:1】迫力のサイズと繊細な表現に圧倒される

【必見国宝:2】大きな価値がギュッと凝縮!最小の国宝


【必見国宝:3】まるでマンガ!平安時代の楽しい絵巻

縄文時代の火焔型土器、弥生時代に中国から贈られたとされる金印、京都・神護寺に伝わる『伝源頼朝像』、雪舟『天橋立図』、尾形光琳『燕子花図屏風』、伊藤若冲『動植綵絵 群鶏図』などなど、古代の造形から絵画、書跡、刀剣や甲冑、漆工、染織、陶磁器と、時代もジャンルも多岐にわたる「国宝」がおよそ130件も!
大阪・関西万博の開催と、大阪市立美術館のリニューアル開館を記念した、このタイミングでしか観られない奇跡の国宝展です。教科書などで一度は見たことがある有名な作品が集結。逆にいえば、「図版や写真だけで実物は見たことがない」作品もたくさんあると思うので、それらをまとめて鑑賞できるまたとない機会になりそう。
例えば『伝源頼朝像』は、実際に絵の前に立つとその大きさに圧倒されるはず。と同時に、着物の柄などは非常に細やかに表現されていて、美しさに見惚れます。一方、『金印「漢委奴國王」』は、一辺が約2.3cm。想像以上に繊細&金ピカで驚きますよ。
日本美術をダイジェストで紹介する、ベストアルバム的な展覧会。広く浅く、だからこそ、これまであまり興味がなかったという人でも、興味を惹かれる作品がきっとあると思います。そこを入り口にして、別の展覧会に行ったり、関連する本を読んだり、ゆかりの場所を旅してみたり…。新しい世界に足を踏み出すきっかけにもなるのでは。ちなみに、私の推しは『信貴山縁起絵巻』。神通力で托鉢に使う鉢を空に飛ばし、米の入った倉ごと運んでくるシーンが見どころです。日本美術の楽しさに触れてください。(談)
◇大阪・関西万博開催記念 大阪市立美術館リニューアル記念特別展『日本国宝展』
会場:大阪市立美術館(大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82[天王寺公園内])
開催期間:2025年4月26日〜6月15日まで
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- EDIT :
- 剣持亜弥、喜多容子(Precious)