それぞれの独自のスタイルが店舗に反映され、ブランドの直営店にはない魅力をもつセレクトショップ。首都圏には数多く並んでいるイメージがありますが、実は、地方にも個性的なセレクトショップがあるんです。

今回はまず、東北地方のセレクトショップを訪問。第一回目は、秋田県湯沢市のFEMME et MODE(ファムエモード)さんをご紹介しました。次に訪ねたのは、「杜の都」として名高い宮城県仙台市。

仙台市内で数店舗のセレクトショップを展開し、メゾン・マルジェラの売り上げ世界一を記録したことでも有名な、ReVoLuTioN(リヴォルーション)にお話を伺いました。

宮城県仙台市のReVoLuTioN、メゾン・マルジェラなどが入るビル外観

さまざまな縁が、人やブランドをつないでいった

Q.ショップをはじめた時期について教えてください。

1981年の6月に初めてのショップをオープンし、毎年6月は「◯周年記念」といった形でお祝いをしています。30周年の節目の年を迎えた2011年は、震災の直後ということもありあまり大きな企画ができず残念でしたが、2016年は無事に35周年を迎えることができました。

Q.ショップを始めたきっかけは?

もともとファッションが好きだった代表が、海外の古着などを仕入れ始めたことからスタートしました。ファッション業界は横のつながりが多いので、知人や友人を通して少しずつ広まっていき、多くの方に知っていただけるようになりました。

Q.リヴォルーションさんといえばマルジェラですが、ブランドとの関係は?

'90年代前後は、ジャン=ポール・ゴルチエやヴィヴィアン・ウエストウッドなどが全盛期の時代。今でも一部取り扱いがありますが、そういったインポートブランドをセレクトしていた関係で、メゾン・マルタン・マルジェラ(現メゾン・マルジェラ)を取り扱うことにつながったんです。

当時はマルジェラもブランドを設立して間もないころでしたので、日本法人が設立される以前は、フランス本国から直接輸入をしていましたね。

宮城県仙台市のReVoLuTioN、店内
Q.ラインナップの変貌は?

ドリス・ヴァン・ノッテンやラフ・シモンズ、ヴェロニク・ブランキーノなど、インポートブランドを中心にセレクトしてきました。ドリス本人やラフ本人が、来日した際に仙台まで訪ねてきてくれたこともあったんですよ!

マルジェラを扱っていたことで、ベルギーのほかのデザイナーたちのブランド(※1)を輸入することにもつながりました。バイヤーといった固定の役職は決まっていないので、それぞれのショップの店長がパリコレにも足を運び、そのときどきで旬のブランドをオーダーしています。

もちろん、注目されているブランドや、売れ行きのよいブランドをオーダーすることもありますが、そのすべてをセレクトするというわけではありません。常にお客さまのインサイトなどを把握し、その上でバイイングすることを心がけています。

(※1)マルタン・マルジェラ、ドリス・ヴァン・ノッテン、ラフ・シモンズ、ヴェロニク・ブランキーノはいずれもベルギー出身のファッションデザイナー。特に、ベルギーのアントワープ王立芸術アカデミーを同時期に卒業したマルタン・マルジェラとドリス・ヴァン・ノッテンは、「アントワープ6」と呼ばれる伝説的デザイナー6人のうちの、ふたり。
Q.対面販売のよさは、どのようなところだと思いますか?

初期のころから来ていただいているお客さまには、ショップのスタッフを信頼してくださっている方が多くいらっしゃいます。30年来のお客さまもいらっしゃいますが、セレクトするブランドが変わっても、「このスタッフから買いたい!」「ここで買いたい!」といったかたちで来てくださっている方が多いんです。

ブランドではなく、ショップやスタッフから「買いたい」と思っていただき、お客さまがファンで居続けてくださることが、対面販売の魅力なのではないかと思います。特に、弊社は接客のマニュアルを用意していませんので、スタッフそれぞれの個性が反映された接客方法が、多くのお客さまを惹きつけているのかもしれません。

宮城県仙台市のReVoLuTioN、オフホワイトなどが入るビルの店内

ファッションが大好き!そんな気持ちに、ショップやスタッフも応えたい

Q.顧客にはどのような方が多いですか?

オフホワイトなど、若い男性の方に人気のブランドもセレクトしているので、男性のお客さまは多いですね。先日は、男子中学生の方もいらしていました! コレクションブランドのセレクトが多いので、女性の方は年齢層が少し高めかもしれません。ですが、全体としてはお客さまの幅は広いと思います。

なかには簡単なアポ取りをしてくださって、じっくりと時間をかけて何点も購入される方もいらっしゃいます。何度も来てくださっているお客さまには新たなブランドもご紹介し、さらに長く足を運んでいただけている場合もありますよ。

Q.今後はどのような方に訴求していきたいと考えていますか?

弊社のお客さまは、「このブランドが好き!」というよりも、「ファッションが大好き!」という方が多いんです。ショップごとにセレクトの幅も広いので、さまざまなブランドやスタイルにご興味がある方には特に来ていただきたいですね。

ショップとしても、既存のブランドだけではなく、新しいブランドもその都度ご提案させていただきたいと考えています。

宮城県仙台市のReVoLuTioN、オフホワイトなどが入るビル外観
Q.地方のセレクトショップは今後、どのようになっていくと思いますか?

インターネットなどの通信販売というかたちもありますが、私たちが扱っているような単価の高い商品は、ショップで直接購入したいとお考えのお客さまが多いと思います。だからこそ、ラインナップの新鮮さや、スタッフの魅力が重要なのではないでしょうか。

特に、スタッフの採用面接の際は、接客に対する熱意を重視しています。ファッションに対する熱意や知識があるというよりも、「人が好き!」という気持ちや、コミュニケーション能力が高いことが最も重要だと考えているからです。

地方のセレクトショップだからこそ、地域に根ざしたショップでありたいと思いますし、緊張せずにお立ち寄りいただけるようなアットホームな雰囲気で、常にお客さまに近い存在を目指していきたいです。

Q.どのようなセレクトショップでいたいと思いますか?

時代に合わせて変化していくとは思いますが、やはり、「あのショップで買いたい」とお客さまに思っていただけるような存在になることでしょうか。実際に商品のよさを感じていただき、スタッフを信頼していただく。ショップの雰囲気といった抽象的な部分よりも、そういったスピリットを感じていただけたらうれしいですね。

そして、さまざまな魅力あるブランドをお客さまにご紹介することができる、提案力のあるショップでありたいと思います。

問い合わせ先

  • ReVoLuTioN TEL : 022-262-6256
    定休日/無休
    住所/宮城県仙台市青葉区中央2-8-26
この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
2017.7.17 更新
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撮影・文/難波寛彦