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【7月19日は「女性大臣が誕生した日」】

なぜ7月19日?

1960(昭和35)年7月19日、第2次岸信介改造内閣のあとを受けて発足した池田勇人内閣に、中山マサさんが厚生大臣として入閣。日本初の女性大臣が誕生しました。彼女の入閣を進言したのは、のちの内閣総理大臣・大平正芳さんだったとか。

■初の女性大臣「中山マサ」さんはどんな人?

イギリス人の父と日本人の母をもつ中山(旧姓飯田)マサさんは、高校卒業後に渡米してアルバイトをしながら大学に通い、帰国後は教鞭をとるなど教育の現場へ。夫となったのは、弁護士でのちに自由民主党議員となる中山福蔵さんです。

中山マサさんは、1947(昭和22)年に民主党公認で出馬して当選、のちに吉田茂総裁の民主自由党へ移り、5年後には厚生政務次官を務めるなど、政治家としてのキャリアを積みました。日本初の女性大臣としての在任期間は5か月と短かったものの、母子家庭への児童扶養手当支給などを実現するなど、スピード感のある活躍を見せました


【歴代の女性大臣】

日本は、さまざまな業界で要職に就く女性が極端に少ない国といわれます。近年は“女性の活躍”が謳われ、働き方にも変化が見られますが、企業の重要ポストの男女比はまだまだ男性が圧倒的に優位。

日本で女性に選挙権が認められたのは、1946(昭和21)年4月10日、戦後初の衆議院議員総選挙のときでした。この選挙では、39人の女性国会議員が誕生し、衆議院議員に占める女性の割合は8.4%となりました。現在は15.7%となり、これは過去最大ではありますが、ほかの先進国にはまだまだ及びません。

昭和35年に誕生した中山マサ厚生大臣以降、65年ほどたった現在も、“女性が入閣はまれ”という状況はあまり変わっていません。ここで何人かの歴代女性大臣・副大臣を振り返ってみましょう。

■山東昭子さん:海部内閣にて科学技術大臣(平成2年12月)

11歳で芸能界入りし、女優やテレビタレントとして活躍したのち、昭和49年に当時の田中角栄首相に請われ参議院議員選挙(旧全国区)に自民党より出馬。32歳の最年少で初当選。2007(平成7)年に女性では初の参院副議長に就任しました。

■田中眞紀子さん:村山内閣にて科学技術大臣(平成6年6月)、ほか

第64、65代内閣総理大臣を務めた田中角栄さんの長女。「言葉を生業とする」ともいわれる政界で、ボキャブラリー豊かで豪快なトークは「眞紀子節」と呼ばれました。

■小池百合子さん:第2次小泉改造内閣で環境大臣(平成16年9月)、第1次安倍内閣で防衛大臣(平成18年9月)ほか

講師や通訳などを経て日本初の女性経済キャスターに。1992(平成4)年7月に参議院議員に初当選、1993年から衆議院議員選挙で8期連続当選。現在は東京都知事を務めています。

■野田聖子さん:小渕内閣にて郵政大臣(平成10年7月)

小渕内閣で郵政大臣に抜てきされた際には、「女性初の首相候補」と言われましたが、小泉内閣時の郵政民営化法案で離党を余儀なくされ、2006年に第1次安倍内閣で復党。2012(平成24)年、小池百合子さん以来ふたり目となる自民党総務会長に就任。選択的夫婦別姓賛成など、自民党内きってのリベラル派で知られています。

■蓮舫(れんほう)さん:菅内閣で内閣府特命担当大臣(平成22年年6月)、改造内閣でも内閣府特命担当大臣を留任(平成22年9月)

レポーターや報道キャスターなどタレント活動を経て、政界へ。2004年7月より衆議院議員、以降3期連続当選、参議院議員4期を務め、少子化対策や子育て支援政策、行財政改革をメインに取り組んでいます。

■三原じゅん子さん:石破内閣にて内閣府特命担当大臣(令和6年10月1日)

TVドラマ『3年B組金八先生』での不良少女役で人気を得たのは45年以上前…。がん撲滅などの啓発活動から政界へ進出しました。現・石破内閣唯一の女性大臣です。

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今回は、日本初の女性大臣が誕生した日をキーワードに、ビジネス雑談に役立ちそうな「女性大臣」についてのあれこれをさくっとご紹介しました。

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参考資料:『日本人名大辞典』(講談社)/『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本大百科全書』(小学館)/男女共同参画局HP(https://www.gender.go.jp/)/内閣府HP(https://www.cao.go.jp/)/毎日新聞(https://mainichi.jp/) :