「内所」ってなんと読む?「うちどころ」ではないですよ!
明日、7月14日は「ないし」の語呂合わせで、『内視鏡の日』『内臓脂肪の日』などの記念日に制定されています。ということで本日は「内」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「内懐」ってなんと読む?
「内懐」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「和服の襟を合わせて着たとき、肌に近い内側の懐中」「洋服の内ポケット」です。
<使用例>
「あなたの体型は、内懐に少し補正をするだけで、和装の着姿が変わると思いますよ」

さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 内懐(うちぶところ) です。

「外懐(そとぶところ)」という言葉もあり、こちらは「着物を着たとき、上前と下前との間にできるふところ(空間)」を指します。「内懐(うちぶところ)」の「洋服の内ポケット」という意味に関しては、もともと和装のときに使われていた言葉を当てはめた形でしょう。和装に関する言葉は、大人の教養としてひと通り知っておきたいですね。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「内所」ってなんと読む?
「内所」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「表向きではない場所。また、内々の人」「表向きにしないで内々にしておくこと。また、そのもの」などをいう言葉です。
<使用例>
「この話は、内所にしておいてくださいね」

…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 内所(ないしょ) です。

「ないしょ」の表記として一般的によく使われるのは「内緒」ですが、もとは「内証」の字が使われていた言葉で、同時に、「内所」も正解です。つまり「ないしょ」という言葉には「内証/内緒/内所」と3通りの表記があるのです。
「内証(ないしょう)」から転じた言葉で、「表向きでない内輪のこと」を広い意味で指すことから「内輪で使う場所」もこの言葉で呼ばれ、そこから「内所」という表記も使われるようになりました。現在でも、デジタル漢字変換の際「ないしょ」を変換すると、「内緒」「内所」「内証」すべてが予測変換で出てくると思いますし、辞書に3通りの表記が掲載されております。
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本日は、7月14日『内視鏡の日』『内臓脂肪の日』にちなんで、「内」という字の入った日本語から、
・内懐(うちぶところ)
・内所(ないしょ)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱